ミケランジェリを聴いて
当初ハードケース入り7枚でauraより発売されたCDが、バッハ・ガルッピでノイズを出したこともあって、新しく10枚組となって格安になって再発売された紙ジャケのCDを買いなおしたものだ。
ライブ音源が多く、録音状態はあまり良くないものが多いのだが、ミケランジェリの演奏が小生は好きである。
楽器のせいか、はてまた調律の成果か、多くはミケランジェリのピアノタッチにその要因があると思われるのだが、怪しく美しいギヤマングラスのように、薄暗い輝きを見せてくれる。
ほかのピアニスト・・・アルゲリッチと比較するのもためらうところがあるが、彼女と比べても、より一層音離れがよく聞こえる。
ドビュッシーも、シューマンも、ショパンも、ブラームスもすべてがよいのだが、中でも小生はこのCDによって初めて聴くことが可能となったピアノ協奏曲第15番変ロ長調 K 450(1974年)
チューリヒ室内管弦楽団
エドモンド・デ・シュトルツ指揮
スカルラッティ
7つのソナタ[K.96,29,11,159,322,9,27](録音:1943,69年)
ブラームス
4つのバラード op.10(録音:1973年)
以上が特に良い出来だと思う。
惜しむらくは、ミケランジェリの残した音源が、全体的にもう少し録音が良ければというところ。
さすれば、彼のピアニズムの細部にわたって、その素晴らしさがもっともっと満喫できるはずだから。
ライブで聴けなかったことを、強く残念に思う演奏家の1人である。
ピアノの録音は以前からYAMAHA1000で聴くことが多かったが、ここ最近調整がうまくいったYAMAHAは、今までに無いほどの再生能力を発揮し、非オーディオ的・・・音楽を楽しませてくれるようになった。
youtubeにミケランジェリのピアノタッチがよくわかる素晴らしい映像があった。
Michelangeli - plays SCARLATTI - Sonata in B minor
Arturo Michelangeli - Debussy Reflets dans l'eau
Michelangeli - Ravel Piano Concerto - [1] Allegramente
by noanoa1970 | 2009-01-21 10:39 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(0)