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共通項は「3」

下に張り付けた動画「カールベームのモーツァルト交響曲39番3楽章メヌエット」には「ヘミオラ」がわかりやすく使われている。

開始からすぐ、第2バイオリンが刻むフレーズや、53秒および1分27秒あたりからのフレーズがわかりやすいと思う。
巧みなので、ほんの少ししか変化してないように、密かに使われている。
少し気分が変わった感じがして素晴らしい音楽となっているようだ。



「ヘミオラ」は、とても不思議な作曲上の使われ方で、目立つものとそうでないものがあるように思う。

リズムが一定の音楽の中で、その部分だけが違うリズムに聞こえることは、昔からよく経験したことなのだが、小生は長いこと変拍子、あるいはシンコペーションと混同していたらしく、それが「ヘミオラ」であることを知ったのは、ジックリ音楽が聴けるようになってからのこと、今から15年ほど前だろうか。

ネットのクラシック音楽掲示板で話題になり、それが顕著にわかる例として教えていただいたのが、上にあげたモーツァルトの曲だった。

それからというもの気になって、音楽を聴いていてリズムが変わると、「ヘミオラ」ではないかと思うようになったり、楽典を調べたりしたが、楽典の解説では、よけいに頭が混乱してしまい、モーツァルトの例による耳で判断するも、確証がつかめないことが多かった。

相当耳が慣れたとは思うが、変拍子とポリリズムの混同は、ネット上でもよく見かけることがあるから、やはり難しいのだろう。

変拍子とは、一般的に偶数拍子と奇数拍子を組み合わせて奏される拍子を言うが、ヘミオラを含むポリリズムとは、複数のリズムが同時進行で演奏される事である。

例があまり良くないかもしれないがDave Brubeck のUnsquare Dance は、2+2+3または4+3の7拍子の名曲といえよう。


さて「ヘミオラ」のわかりやすい解説モデルとして、以下のことを挙げてみたい。

OKWaveコミュニティーの質問に対する回答者の「puni2」さんによれば(少々アレンジしましたが)

「千昌夫の「星影のワルツ」、または「ハッピーバースデイツーユー」を2拍子・・・2拍子の合いの手を入れてみると、それがまさに「ヘミオラ」。
これらは3拍子の曲だから通常は、
|(1) 2 3 |(1) 2 3 |(1)・・・となる()中がアクセント・・・だが、中には
|(1) 2 (3) | 1 (2) 3 |(1)・・・このように2拍子のリズムで会いの手を入れることができる不思議な人がいます。」

下線が3拍子のアクセントおよび手拍子
 れる  とは  らい け ・・・・」

下線が2拍子のアクセントおよび手拍子
 れ  こ  は  らい ど・・・・」

1泊目はあっているのだが、途中でリズムが合わなくなる。それでも手拍子を続けると、2×3=6拍目で拍子があってしまうこととなる。

つまり、この例のように、3拍子の中に投げ込まれる2 拍子が「ヘミオラ」ということになるのである。



この不思議なリズム処理を、巧みに使った曲がありまして、それは「3」結果として、という共通項を持っている。

お笑いの某なにがしではないが「3」がこれらの共通項である。
「3」は、3拍子の「3」でもあるが、面白いことにさらに別の「3」が存在することに気が付いたのだった。

楽譜は得意ではないし、スコアを持ってないので、すべてが耳によるヒアリングですから、間違っているかもしれないが、今から挙げる3つの曲はいずれも、長年親しんできたもの。

①ベートーヴェンの交響曲3番「英雄」第1主題開始


②シューマン交響曲3番「ライン」1楽章冒頭


③ブラームス交響曲3番1楽章冒頭


この三者は、影響関係が濃いから、「3」でのヘミオラ使用は偶然ではない・・・
そんなことはなく、偶然の一致だろうが、面白い発見だ。

かなり訓練しないと発見が難しいかもしれないから、聞いてすぐにそれとわかった人は凄い!

小生は、数え切れないほど聞いて、ようやく理解ったような気がする(だけかもしれない)。

by noanoa1970 | 2008-09-06 14:34 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(0)