バド・パウエルの命日をめぐって夜もすがら
ラウンド・ミッドナイトというパウエルの名曲、小生には、芭蕉の「名月や池をめぐりて夜もすがら」という句とダブルところがかねてからあった。
仲秋の名月を眺めながら池の周りを歩いていたら、いつの間にか夜が明けてしまったのである・・・そんなたわいもない歌であるが、月の魅力がそこには歌いこまれていて、しかも風流なこの句、小生は好きである。
パウエルは何を思って深夜の徘徊をしたのであろうか。
7月31日はバド・パウエルの命日。
レコードではなく、彼をモチーフとした映画「ラウンド・ミッドナイト」を見ることにした。
これはいつ見ても心温まる映画で、出演者も音楽も素晴らしい。
特にデクスター・ゴードンの自然な演技・・・素のままのようでとてもいい。
映画を見ていて、本日気がついたことが2つあった。
1つは、音楽仲間のパーティのシーン。BGM風に流れていたのは、ハービーハンコックの「ウォーター・メロンマン」。
バターカップという女房役がブルースを歌う前のシーンで流れていた。
シーンの季節が、夏だということを、それとなく思わせる。
音楽監督がハービー・ハンコックだから、自作の挿入は、当たり前といえば当たり前なのだが、今まで気がつかなかったのを発見し、少しいい気持。
出迎えるアメリカの背の低い公表してきな人物が、驚くべきことなのだが、数々の傑作映画を作ったあの「マーチン・スコセッシ」。
映画監督が映画に出ることは、珍しくはないが、他人の作品に出演するのは、珍しいのではないだろうか。
なぜスコセッシが、この映画に出演することになったかの、いきさつはわからないが、音楽好きのスコセッシだから、なしえたことだったことは想像がつく。
タクシードライバーでも、そして小生には、ウッドストックや、ボブディラン、ザ・バンドなど音楽家たちのドキュメンタリー映画監督として認知度が高い。
パウエルの命日から、スコセッシに、巡り合えた今日の日に改めてパウエルに感謝。夜には各種演奏家の「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」を聞くことにしよう。
by noanoa1970 | 2008-07-31 16:55 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(0)