人気ブログランキング | 話題のタグを見る

訃報・・・T君が昨日天国の階段を登った

訃報・・・T君が昨日天国の階段を登った_d0063263_14303647.jpgDRACでの同期T君が昨日亡くなったとの連絡があった。
少し前に彼にメールをしたのだが、返信も無いまま時が過ぎ、電話連絡もしないうちのことであった。

健康診断で、見過ごされた大腸ガンが原因だそうだ。

彼は学生時代から慎重な男、ゆえに健康診断は定期的に受けていたのだったが、見過ごされてしまったらしい。

恐らく自覚症状が出たときには相当進行していたのだろう。
療養生活に入ったのが今年の始だと聞いた。

この前もDRACの仲間の一人と、冗談交じりで話したことがあったが、われわれの年代は、育ち盛りに、インスタント食品が出回って、学生時代は下宿でインスタントラーメンですごしてきたものも多かった。
だから、われわれの世代・・・団塊の世代の人間は恐らく短命なのではないか・・・

そんなようなことを電話で話した記憶がある。

しかし、幸いなことに、今までは、学生時代のサークルで同じ時代を過ごした同期、先輩、後輩の中には早逝の人はいなかった。

残念なことに、T君はわれわれの中で、一番最初に天国に登ることになってしまった。

T君はバルトーク好きの、そして母校同志社大学の憲法学者、田畑忍を尊敬し、その愛弟子土井たか子をも尊敬していた法学部法律学科の学生で、学科こそ違うが同じ学部であった。

四国出身で、自称「ユニークな男」としてDRACの常連だったが、小生と違い学業もまじめだった。

3回生になったばかりの1969年の5月、文連が参加した全学闘の余波で、たまにしか開かなくなったBOXの扉に張り紙がしてあった。

それにはT君からのメッセージで、都合でいけなくなった、カールリヒターとミュンヘンバッハ・管弦楽団の大阪フェスティバルホールの「ロ短調ミサ」公演チケットを譲るとかかれてあった。

それで小生は、そのチケットを譲り受けるために、所有していたムラマツ製のフルートを質屋に入れて、頼み込んでチケットを譲ってもらったのだった。(多分リベラリストのT君は、小生のように、ヘルメットを被るような男には本当は、チケットを、譲りたくなかったのかもしれない)

そこまでしてこの公演を聴きたかったのかといえば、事実はそうではなく、実は後輩の気になっていた女の子が、その公演を聴きに行くと聞いていたから、どうしても一緒に行きたかったからであった。

フルートはそのまま質流れしたが、公演の思い出とアルヒーブの3枚のアルバムとなって残った。

残念なことに、席が1Fと2Fと離れた彼女が気になって、集中して演奏を聴けたのは、4分の1程度だったが、同じ空間で同じ音楽を聞いているそれだけで満足の公演であった。

T君のおかげで、小生はこのような特別の時を過すことが出来たのである。

訃報・・・T君が昨日天国の階段を登った_d0063263_1432571.jpg
そんなT君は、明後日には形がなくなってしまうが、彼の思い出は、リヒターの「ロ短調ミサ」と共に、特別のものとなった。

訃報・・・T君が昨日天国の階段を登った_d0063263_1439175.jpg
訃報・・・T君が昨日天国の階段を登った_d0063263_14393431.jpg

ここ数日は、リヒターのロ短調ミサを聞いて、彼の冥福を祈ることにする。

小生に今できることは、何も無い。
こんなことぐらいしか、思いつかないことが、無情であり無常だ・・・・。

でも、リヒターのロ短調ミサ1961年録音は、レクイエムとして聞いても、十二分に絶えうる演奏だから・・・・

合掌

by noanoa1970 | 2008-05-01 14:34 | DRAC | Comments(2)

Commented by drac-ob at 2008-05-01 22:47 x
全くお会いしたこともないし、どのような方かは存知あげませんが同じサークルに所属した後輩の一人として、心よりお悔やみ申し上げます。sawyerさんも随分落ち込んでいらっしゃる様子ですが、お力落としの無いように。しかし、人生は無常ですね。サヨナラだけが人生かな、とも思ってしまいます。

合掌
Commented by noanoa1970 at 2008-05-02 09:19
有難うございます。彼もまだかDRACがその後続いたとは、夢にも思ってなかったでしょうから、後輩からのお悔やみ嬉しいと思います。