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その後の「ドビュッシーのスコットランド行進曲」

ケルティク・フォークソングの「チューン」には、以下のような主な区分があることがわかった。
・Reels
・Jigs
・Strathspeys
・Slip Jigs
・Hornpipes
・Barndance
・Miscelleneous
・Air
・March

参考したものの一つ
ガーディナー、モンテベルディ合唱団のパーシー・グレインジャーを歌ったアルバム
ほかにチーフタンズのアルバムを7枚ほど聞いてみたが、そこからは該当らしきものは得られなかった。
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懸案の、ドビュッシーの「昔のロス伯爵家の人々の行進曲』および、同一曲の管弦楽編曲「民謡によるスコットランド行進曲」に使用されたものを探っていくについては、以上の「チューン」を知っておかねばと思い、かなりの時間を費やして、それぞれの音楽的(主にリズム処理パターン)について、調べてみた。

思い当たる主なものとしては「Reels」「Strathspeys」「Jigs 」そして「March」を上げることが出来るが・・・微妙なリズムパターンの違いであるから、編曲されたドビュッシーの音楽から、特定することはきわめて困難であることがわかった。
それでも何とか絞り込んだ結果、以下の4つのチューンからの4つの曲が、それらしいものではないかとの結論を得ることとなった。

これら4つはメロディラインも、リズムも、それぞれ微妙に違うが、どれもがドビュッシーが引用したオリジナルに似ているところも有るが、そうでないところも有る。
本当に微妙な差で、かなり聞き込んでも楽譜を追わない限り、辿ることは不可能だろうと思うほど、その差はわずかな部分だけである。

しかしそのわずかな差が、ケルトの伝統音楽の特徴でもあるから、長年にわたって口述で伝えられる時間の微妙な変化が、そしてそれに付けられた歌詞の変遷もあるわけだから、ケルトの壮大な歴史を感じざるを得ない実感が沸いて来る。

以下の4曲の中で、小生が「多分これではないか」と大いに推測するのは、「マーチ」だからというわけでなく(いずれもマーチになりえるから)March:「Return from Fingal」である。

この曲はブルターニュ地方でよく歌われたもので、「フィンガル」・・・そう、あのメンデルスゾーンが作曲した「洞窟」のあるスコットランドのハイランドにある「フィンガル」から帰還した「兵士」だろうか、「漁民」だろうか・・・そんな人たちの歌であろう。

海外のサイトなどのMIDIで聞いての事であるから、勿論確証などは無いが、少なくともリズムパターンは以下の4つのチューンのいずれかであることは、ほぼ間違いないと思う。

Strathspeys :Captain Campbellも第2の候補。
余談だが、「スペイ川」とは小生には懐かしく、フライフィッシングで有名な川。
「スペイキャスト」・・・(川でバックが取れないところでキャスティングをする為に考えられた方法)という独特のフライキャスティング方法の、名の由来の川である。
後ろが切り立っているか、木々に覆われているか、かなり険しい川であることを想像させる。

≪候補の4つのケルティック・フォークソング≫は、以下のとおりであるが、確証は無い。

・Reels :Spootiskerry
・Jigs :Kerfunten
・Strathspeys :Captain Campbell
March:Return from Fingal

by noanoa1970 | 2007-05-02 11:19 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(0)