長浜、安藤家「小蘭亭」・・・福田 大観時代の「魯山人」食客の家・・・4
それでは魯山人がしつらえた「小蘭亭」を見ることにしよう。
その前に、・・・
魯山人が篆刻した、部屋いっぱいの長さの「呉服」の大きな看板を載せておきたい。
文字が魯山人の常套句のように、「緑青」色の顔料で塗られている。
「呉」を「亀」に、「服」を「鶴」に見立てたという説もあるが、小生にはそのような感じには受け取れなかった。
あまりにも大きいので全貌が映しきれなかったのが残念だ。
「清閑」と篆刻された「福田大観」時代の作品。
「小蘭亭」へ続く廊下にも、かなりのこだわりがある。
廊下脇の明り取りの小窓のデザイン、網代つくりの廊下の天井、ガラス欄間の四角と円の造形と、その奥から見える、チューリップ型のシェードの照明が作る絵のすばらしいこと。
ディテールにまで一切の手抜きをしない魯山人の姿勢は、この若いこの頃から表出されているようだ。
一般には「中国風」といわれることが多いが、小生には「アール・ヌーヴォー」「アール・デコ」風に感じるところも多い魯山人の造作である。。
ガラス戸にはやはり中国風のサンのデザインが施される。今のように一枚ガラスではないだろうから、サンにあわせてガラスを変形サイズに切り出しての作業は大変であっただろう。
木製の手摺りにさえ、やんわりとした湾曲を持たせている。優れた職人技の成果である。
今でも角度によっては、光り輝くそれは、古の魯山人の「遊び心」を髣髴させ、人間味を感じることとなった。
by noanoa1970 | 2007-02-15 09:59 | 季節の栞 | Comments(0)