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この人は誰?

ブログを休んでいる間に、昔の映画「アラモ」を久しぶりに見ることにした。
PCを入れ替え、グレードが上がったので、DVDの画像の動きも、DSPの解像度も数段よくなったのだが、あいにく眼の調子がよくない状態になってしまった。
しかし、それを我慢して見るだけのことはあって、このハリウッド映画の面白さを再認識した。
それとともに映画音楽を担当したある人物について、記しておきたいと思い、あれこれ調べてみると、面白いことがわかったので、紹介することにした。
この人は誰?_d0063263_10252217.jpg
さて
下のプロフィールの最初あたりで、すぐにその人物の名前が特定できた人は、そんなに多くはいないと思う。
特にクラシックファンの皆様は、・・・クラシック畑の知識が邪魔をし、かえって推量ができないと思う。(笑)

この人は誰?_d0063263_1029556.jpg1894年5月10日
 ロシア帝国ウクライナ地方に生まれる
1912  18歳
 ペテルブルグ音楽院に入学、グラズノフに教えを受ける
1918  24歳
 夏の音楽祭でスクリャービンのピアノ協奏曲を演奏する予定となるが、軍に入隊させられ、キャンセル
1921  27歳
 ベルリン・フィルをバックにリストのピアノ協奏曲第1番変ホ長調を弾く
1925  31歳
 シャリアピンの紹介でアメリカへ初の演奏旅行を行
1926  32歳
 ガーシュインの「ラプソディ・イン・ブルー」などに傾倒
1928・29  34・35歳
 パリでガーシュウィンのピアノ協奏曲ヘ調をヨーロッパ初演
カーネギー・ホールでの「ラプソディー・イン・ブルー」などを弾く
1931  37歳
 初の劇映画スコア『復活』に取り組む
1938 44歳
ヘンリー・ハサウェイ監督の『北海の子 (Spawn of the North) 』 (1938)では、アラスカの舞台を表すのにロシアのポルカやインディアンの音楽を取り入れる。プロコフィエフが注目し、影響を受け『アレクサンドル・ネフスキー』 (エイゼンシテイン監督) で参考にした。
『グレート・ワルツ』でヨハン・シュトラウスの音楽を編曲。また、ハリウッド・ボウルで指揮者デビュー
1946  52歳
 超大作『白昼の決闘』のスコアが注目を浴びる
1952  58歳
 『真昼の決闘』がアカデミー主題歌賞と作曲賞を受賞
この人は誰?_d0063263_10281040.jpg1954  60歳
 『紅の翼』でアカデミー作曲賞を獲得。
 その授賞式で有名な、「ベートーヴェンさん、ブラームスさん、ワーグナーさん、シュトラウスさん、リムスキー=コルサコフさんに感謝します」というスピーチをやってのけた
1958  64歳
 『老人と海』でアカデミー作曲賞受賞
1966  72歳
 記録映画『大統領の故郷』で、ハーモニカやギターを加えた小管弦楽を用い、『赤い河』、『果てしなき蒼空』、『真昼の決闘』、『ジャイアンツ』、『ローハイド』、『アラモ』といった時分自身の西部劇の名作を、一種のメドレーとしてつなげた
1979年11月11日  85歳
 ロンドン北にあるハイゲート自宅で、軽い病気の後に死亡

西部劇専門の映画音楽の作曲者「ディミトリー・ティオムキン」が、実は上のような経歴で、しっかりした音楽教育下で育ったいわば、近代音楽の実力者であり、小生の年代の人は、映画やTV・・・いまや映画監督でもあり、かつてのスター俳優でもある「クリント・イーストウッド」が若きカウボーイ役で出演した、当時の人気番組であった「ローハイド」・・・その主題曲を
カントリーの大御所、「フランキー・レーン」が歌うのを聞いてアメリカに、西部劇に、カウボーイに憧れを持っていた時代があったのだが、その主題歌の作曲者が、「ティオムキン」であった。
通常なら主題歌の作者などは表面に出てこないものであるのだが、なぜか「ティオムキン「の名前は「フランキー・レーン」とともに、少年時代の記憶にハッキリとある。
西部劇で、心に響く音楽があって、作者を調べると、必ずと言っていいほど「ティオムキン」であった。


この人は誰?_d0063263_10265196.jpgしかし小生のそれからの音楽生活においては、残念なことに、「ティオムキン」の作品を積極的に聞くことはなく、音楽は素晴らしいものはあっても、単なる西部劇の音楽作者と、やや低い位置づけで見ていたためだと思う。
また、例えば「コルンゴルト」のように、強く持ち上げる人たちがいなかったのか、映画音楽以外の・・・所謂芸術音楽の音盤が少なかったこともあるのか、クラシック分野では、あまり取り上げられなかったせいなのか、小生が知らなかっただけのことか、よくわからないが、とにかく小生の手持ちの音盤は、昔の「アラモ」しかないのが事実である。


ティオムキンが作曲した映画、TV音楽
ロシア出身の人なのに、やたら西部劇が多いのが特徴的か。
小生が見た映画を太字で記した。

悪漢の唄 -The Rogue Song (1930)
復活 -Resurrection (1931)
不思議の国のアリス -Alice in Wonderland (1933)
紐育・ハリウッド -Broadway to Hollywood (1933)
浮かれ姫君 -Naughty Marietta (1935)
私の行状記 -I Live My Life (1935)
狂恋・魔人ゴーゴル博士 -Mad Love (1935)
失はれた地平線 -Lost Horizon (1937)
グレート・ワルツ -The Great Waltz (1938)
我が家の楽園 - You Can't Take It with You (1938)
北海の子 -Spawn of the North (1938)
スミス都へ行く -Mr. Smith Goes to Washington (1939)
西部の男 -The Westerner (1940)
ラッキー・パートナー -Lucky Partners (1940)
群衆 -Meet John Doe (1941)
コルシカの兄弟 -The Corsican Brothers (1941)
疑惑の影 -Shadow of a Doubt (1942)
情怨の谷 -The Bridge of San Luis Rey (1944)
逃亡者 -The Impostor (1944)
ターザンと豹女 -Tarzan and the Leopard Woman (1945)
犯罪王ディリンジャー -Dillinger (1945)
暗い鏡 -The Dark Mirror (1946)
素晴らしき哉、人生! -It's a Wonderful Life (1946)
白昼の決闘 -Duel in the Sun (1946)
ジェニイの肖像 (1947) -Portrait of Jennie 作曲 /音楽監督
赤い河 -Red River (1948)
絶海のターザン -Tarzan and the Mermaids (1948)
赤い灯 -Red Light (1949)
カナダ平原 -Canadian Pacific (1949)
チャンピオン -Champion (1949)
都会の牙 -D.O.A. (1950)
シラノ・ド・ベルジュラック -Cyrano de Bergerac (1950)
井戸 -The Well (1951)
南部に轟く太鼓 -Drums in the Deep South (1951)
北京超特急 -Peking Express (1951)
見知らぬ乗客 -Strangers on a Train (1951)
遊星よりの物体X -The Thing from Another World (1951)
午後の喇叭 - Bugles in the Afternoon (1952)
白昼の脱獄 -My Six Convicts (1952)
果てしなき蒼空 -The Big Sky (1952)
真昼の決闘 -High Noon (1952)
あの高地を取れ -Take the High Ground! (1953)
白人酋長 -His Majesty O'Keefe (1953)
吹き荒ぶ風 -Blowing Wild (1953)
楽園に帰る -Return to Paradise (1953)
私は告白する -I Confess (1953)
人妻の危機 -Jeopardy (1953)
紅の翼 -The High and the Mighty (1954)
コマンド -The Command (1954)
ダイヤルMを廻せ! -Dial M for Murder (1954)
熱砂の女盗賊 -The Adventures of Hajji Baba (1954)
軍法会議 -The Court-Martial of Billy Mitchell (1955)
荒野の貴婦人 -Strange Lady in Town (1955)
ピラミッド -Land of the Pharaohs (1955)
ジャイアンツ -Giant (1956)
テーブル・ロックの決闘 -Tension at Table Rock (1956)
友情ある説得 -Friendly Persuasion (1956)
OK牧場の決斗 -Gunfight at the O.K. Corral (1957)
世界の楽園 -Search for Paradise (1957)
野性の息吹き -Wild Is the Wind (1957)
夜の道 -Night Passage (1957)
老人と海 -The Old Man and the Sea (1958)
ローハイド -"Rawhide"(1959〜1966) <TV>
ガンヒルの決斗 -Last Train from Gun Hill (1959)
許されざる者 -The Unforgiven (1959)
リオ・ブラボー -Rio Bravo (1959)
アラモ -The Alamo (1960)
サンダウナーズ -The Sundowners (1960)
ナバロンの要塞 -The Guns of Navarone (1961)
非情の町 -Town Without Pity (1961)
北京の55日 -55 Days at Peking (1963)
サーカスの世界 -Circus World (1964)
36時間 -36 Hours (1964)
ローマ帝国の滅亡 -The Fall of the Roman Empire (1964)
戦う幌馬車 -The War Wagon (1967)
キャサリン大帝 -Great Catherine (1968)
チャイコフスキー -Chaikovskiy (1969)*製作 /音楽

by noanoa1970 | 2006-11-03 09:14 | 徒然の音楽エッセイ