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春一番コンサート「帰る道はないだろう」

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天王寺公園入り口付近。
ここの野外音楽堂で、「春一番コンサート」は行われた。
1971年から79年まで続いたから、そこにある音楽シーンはかなりの変化を見せることになった。「春一番スペシャル・セレクション」と名づけられる4枚のアルバムは、年代順に並べられていない。
したがって、時代の・・・音楽的変遷を時系列でたどることは出来ないが、それでも1枚ごとに集められている音楽を聴くと、そこに集められた意図が見えてくるような気がする。

厳密なわけではないが、関東のフォークあるいは関西フォーク、フォークロック、ブルース、そして大人の香りのバンド、またはハ茶めちゃ系のバンド、その中に、編者の思うアルバムの「トリ」がキチンと収録されている。

「帰る道はないだろう」は、いとうたかお、の、「歴史は繰り返さないだろう」からの一節から撮ったもの。
このアルバムではフォーク第2世代とも言うべき人たちが、あるいはプログレ・ロックやアメリカのウエストコーストのロックに影響を受けながらも、日本語でロックをやろうとしたグループで、キチンとした音楽的技量を身につけた人たちのバンドが多く登場している。

いとうたかお、金森幸介、朝野由彦&センチメンタル・シティ・ロマンス、はちみつぱい、ディランⅡ、ダッチャ、林亨、シバ、高田渡、佐藤GUN博、中川五郎と、たらちねションションバンド、吉田美奈子、有山じゅんじ、中川イサトが収録される。

センチメンタル・シティ・ロマンスとはちみつぱい・・・は、演奏技術に優れ、日本語のロックを追及しようとする試みにあふれた新しい音・・・JAZZ的要素を取り入れたバンドであった。
佐藤GUN博の「タンポポのお酒」、金森幸介の「悲しみの季節」、吉田美奈子の「週末」には、今までの所謂フォークやロックとは異なる音楽が垣間見える。

このアルバムは今までの「所謂」フォークの終焉と日本語によるロックの始まりを告げているかのようだ。

しかしながら、「春一番コンサート」においては、ディランⅡ、西岡恭蔵は別格の存在なのかもしれない。

by noanoa1970 | 2006-09-09 09:10 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(0)