ディーリアスのレクイエム

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愛好者の多いディーリアス、そういえば音楽評論家の「出谷啓」氏は若いときからこの音楽家の作品の愛好者であった。彼はどうやらドイツ音楽以外に自分の活路を見出そうとしていたらしい節があり、「皆が聞かないような音楽」・・・・アメリカ音楽などを自分は得意にする・・・なんていうことを昔小生に語ったことがある。1960年代、ディーリアスを聴く人はそう多くなかったはずだ。ビーチャムのレコードが細々と発売されていただけの記憶がある。

最近ではディーリアスの熱烈な愛好家を「ディーリアン」というらしい。熱心な愛好家がこぞってHPやBLlOGを立ち上げている。流行の「癒し系」なのか?いやなことが多い今の世の中であるからか、「自然主義」的な志向を持つ音楽が愛好されるのも良く分かる気がする。

ディーリアスの音楽は、中身はもちろんだが、その「タイトル」がいい。タイトルメイクはドュビッシーのようである。仏印象派や象徴主義的なものにイギリスの田園風景の要素を加えると、ディーリアスとなるように思えるが、いわゆるディーリアス・・・らしくない音楽がこの「レクイエム」である。ディーリスのあの牧歌的で、花の香りが遠くから漂ってくるような音楽は、ここでは余り聞こえてこない。

「異教徒のレクイエム」とも称されるこの曲。
シューベルトの暗く重たい「未完成」交響曲の冒頭にも似た序章からして、少し不気味な感じ方が漂うう。
「戦争のために、若くしてこの世を去ってしまった芸術家の思い出のために・・・・」と副題のついた、通常の典礼文を使用しない、・・・・マーラーの「大地の歌」のような声楽と、それに合唱をつけた交響叙情詩といってよいのだろう。全て英語による歌詞がついている。

作曲年代は(1913~16)、第1次世界大戦の最中であるから、この戦争で亡くなった若い芸術家たちをの追悼に作られたのかもしれない。彼はドイツ生まれであり、イギリス、フランス、アメリカを始めさまざまな国で生活をしている。この世界大戦を彼はどのような目で見たのだろうか。彼もまた国籍を持たない心中複雑な、放浪芸術家であったのかもしれない。
なおこの作品はフェンビーによる口述筆記以前に作られたものである。

4曲目の要約によれば、マーラーの「大地の歌」第6曲、告別 Der Abschiedに似た「輪廻転生」「永劫回帰」といったものを感じる。

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とこしえの
あらたな芽生え
この世のものは
全て帰り来る
帰ってくる
春・・夏・・秋・・
そして冬が過ぎ・・
やがて、また春が訪れる
新しい春が訪れる

歌詞はニーチェ。ほかシェイクスピア、旧訳聖書からも引用してあるらしいが確認出来てない。
LP:メルディス・デイビス指揮ロイヤルフィル、ロイヤル合唱団、
CD:LPと同メンバー、LPに収録されてない「告別の歌」「夜明け前の歌」が収録される。「告別の歌」では指揮が、マルコム・サージェントに代わる。
フェンビ-の手により口述筆記の曲となる素晴らしい「IDYLL」が聴けるのもよい。
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by noanoa1970 | 2005-09-29 09:30 | 宗教曲を聴く | Comments(0)