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ベートーヴェンVコンのカデンツァ

こんな刺激的なCDがあったとは。
以前モーツァルトのP協奏曲で同じような企画があったので購入したが、今回はベートーヴェのVコンだ。

この曲のカデンツァは、聞く毎に違うように思っていたので、一度自分の耳で整理したいと思っていたもの。
ジークフーリート・ボリスがヨアヒムを使ったことだって、abendさんからご指摘がって初めてわかったぐらいであったから、なんとかしようと思っていた矢先、このCDをUPしてくれた方がいて、早速お世話になった。

まず驚いたのは定評のあるヨアヒム版には2つのバージョンがあるということ。
主にはヴァージョン2が使用されるが、このCDでは第1バージョンも聞くことが出来る。
バージョン1は、ベートーヴェンにかなり忠実な作りで、最初からメロディーラインが鮮明に出て来て、直前に聴いたものの繰り返し的に聴こえてしまうが、バージョン2では、カデンツァという演奏者の技術とひらめき、アドリブ性を重視したものに仕上げてある。
恐らく今バージョン1は付かわれないようになったのではないだろうか。

ベートーヴェン、フェルディナンド・ダヴィッド、ビュータン、ヨアヒム1&2、フェルディナント・ラウプ、ヴィエニアウスキー、サン=サーンス、レオポルト・アウアー、イザイ、ブゾーニ、クライスラー、ミルシュタイン、シュニトケ他3人合計14人のカデンツァがルジェロ・リッチによって演奏されている。
作曲家もあればヴァイオリニストもいる。
画面に、今誰のカデンツァかが表示されるので、とてもわかり易い。

現代では、これらのカデンツァに自分独特のものを加味してカデンツァとするヴァイオリニストもいるようだ。

小生はイザイ、ブゾーニ、シュニトケが気に入ってるがみなさんはいかがでしょう。
シュニトケのカデンツァは、ベートーヴェンの主題によるロンドカプリチオーソあるいは狂詩曲といっても良いぐらい程、原曲から離れ付かずの上斬新なハーモニーミックスが見事。



シュニトケ版を使用したクレーメルの演奏。
Beethoven Violin Concerto - Schnittke Cadenza Mov 1 - Kremer


クライスラー版=メニューイン、オイストラッフ、ヒラリーハン
ヨアヒム2ヴァージョン=シゲティ、シュナイダーハン
ハイフェッツはどうもオリジナルのよう。
シュニトケ=クレーメル
以上のことが確認できたのだが、いつもこの版を使うとは限らないので参考程度です。

by noanoa1970 | 2012-12-27 20:30 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(5)

Commented by Abend5522 at 2012-12-27 22:24
sawyer様、こんばんは。
コーガンは、以下の映像でもヨアヒムのカデンツァを使っています。01:15からです。
http://www.youtube.com/watch?v=S0vd_CN88kw&list=PL8B4558D6F009CD27
Commented by noanoa1970 at 2012-12-28 09:17
Abendさま、おはようございます。
バージョン2ですね。コーガンは素晴らしい演奏をしますね。
Commented by Abend5522 at 2012-12-28 15:43
sawyer様、こんにちは。
コーガンはティボー門下で、楽器はグァルネリ一筋だったようです。50代で急死してしまったのは、惜しまれてなりません。ギレリスの妹である夫人との間の息子パーヴェルは指揮者ですが、最近はあまり名を聞かなくなりましたね。
Commented by noanoa1970 at 2012-12-28 16:38
Abendさま、こんばんは。
もしも、コーガン、ロストロ、リヒテルが共演した(たぶん無いと思いますが)とすると、どのような音楽になったか想像すると思わずニタリとしてしまいます。3人の哲学者のようですから。
Commented by Abend5522 at 2012-12-28 18:42
sawyer様、こんばんは。
リヒテルではなくリヒターのバッハがあります。
http://www.youtube.com/watch?v=ZlwfSFpxTec
ロストロさんとは、こんなのがあったりします。
http://file.blog-ocha-classic.diskunion.net/KKCC-6016.jpg