人気ブログランキング | 話題のタグを見る

師走の入院

といっても、人間ではなくQUADのESL63のこと。
京都の北にあるヴィンテージオーディオ修理店で修理を引き受けてくれるというj事で、助っ人が帰ってくる時
を待って運ぶことにした。

元箱はかなり長い間取っておいたのだが、あまりにも大きく押し入れにしまうと他のものが全く入れられないので、やむなく廃棄してしまったから、自分で運ぶことになるが、業者に任せるより安心だ。

年末ギリギリで迷惑だとは思うが、こればかりはやむをえない。

それで明日31日、京都まで走ることにした。

行き先は勝手知ったる修学院のすぐ先だ。

今まで日本には修理業者が2件しかなく、談合的な高額でしか修理しなかったが、ここは評判が良いし、親切丁寧で、修理費が格安ときているから、今までためらっていた修理をお願いすることにした。

運が良ければ、既存修理屋の4から6分の1ぐらいで済むかも知れない。
高額な部品代のドイツではなくスエーデンの部品供給会社と取引するらしく、また何でもかんでもユニット交換ではなく、手作業修理可能なものはやってしまうというところ。

外国産のオーディオ機器類の修理はとても高額なことが多いが、今や車でさえそうではなくなっている時代だから、オーディオだけがむかしのままで良いわけがないだろう。

今は生産してないESL63の全ユニット交換は、新品購入価格よりも高額になるなんて言う矛盾を抱えてずいぶん長いが、そのため手放す人も増えている。
オークションで入手したとしても修理費には相当な金額が必要になる。それでまた手放すという悪循環が起きているのが現状だ。

小生が購入した店では、湿気に弱く不都合が起きやすいなど一言も説明しなかった。
エアコンのある場所で使う必要があることは雑誌で知ったようなもの。
おまけに新品が運ばれてすぐ次の朝には片方のSPからブツブツという雑音が聞こえてきて交換となった。

其れでも音質に惚れ込んで入手したのだが、20年間で修理が必要になったのはこれで3回目。
以前は15万円ほどかかったので、3回の修理合計は、ほぼ1台の定価に等しくなる。

本国イギリスではどうなんだろう。
おそらくメンテナンス料金は日本ほど高額ではないのだろう。
ソウでなければQUAD:Quality Unit Amplifier Domestic、つまり家庭用ハイクオリティという会社名が泣く。

せっかくの銘器がメンテナンス費用が高額なため廃れてしまうのは非常にもったいない話である。
オーディオショップは新製品を売ろうとするばかりでなく、適正なメンテナンス、修理の面倒をみることが求められる。
部品が特殊なわけでもないし、人件費が高額なわけもないのに、何故海外製品の修理はべらぼうに高いのか、購入者が金持ちだから、ふんだくろうとでも言うのだろうか。
考え方がせこすぎる。

そんな中
こういう業者の存在、非常に助かる。
これでおそらく廃棄の運命にあるESL63が、何台か生き返ることだろう。

壊れてないもう1台も、点検してもらうことにした。
無事生き返った暁には、大いに宣伝させていただくつもりだ。

写真は明日の出陣を待つESL63
師走の入院_d0063263_153085.jpg


by noanoa1970 | 2011-12-30 16:13 | オーディオ | Comments(7)

Commented by こぶちゃん at 2011-12-30 17:35 x
英国オーディオの良心とさえ言える立派な会社ですが、息子の代になって左前となり、香港資本に渡ってしまったのが決定的だったようですね。
ロッキーが現在のQUADの輸入元ですが、旧QUADの修理までは受けないのでしょうか?
私はオリジナルESLを405とⅡで鳴らしたものを約30年前に聴きましたが、いたずらにパワーで押すのではない侘び寂びとしか言いようのない表現に関心し、その後Martin Logan CLSⅡZを導入するきっかけになりました。
リーズナブルに修理してくれる業者は貴重です。
修理後のコメント楽しみにしています。
Commented by noanoa1970 at 2011-12-30 17:55
こぶちゃんさんこんばんは
ESL修理は現在ロッキーとサウンドボックスで引き受けていますが、修理費は物すごく高額でした。10年前ユニット一つ交換修理で15万円ほど払いました。ユニット3つ有り全部交換だと、工賃入れて50万円をこすという馬鹿馬鹿しいぐらいの金額で、小生は長いこと修理をためらっていました。またこどちらとは言いませんが社長という男、元箱がなかったので購入した店に頼んで箱を借りそれで送ったところ、箱にはメーカーからその店への宛名が書れていたところから、小生が販売店だと思い込み、相当な悪態を憑かれたことがあり、違うと説明してもなかなか聞き入れなかったことがありました。
それでこの業者とは縁切りをしたわけです。
今回修理依頼するところ、期待通りでしたらESLのユーザーのため、大いに宣伝のお手伝いをしようと思います。
結果は追ってお知らせいたします。でもルームチューンをNS1000に徹底的に合わせたから、多分またESL用に調整が必要になるでしょう。
Commented by ま~さん at 2011-12-30 20:21 x
S先輩、ようやく念願の修理がこの年の瀬に実現することになり、とにかく良かったですね。私はパワーアンプの405を17年間使用しましたが、最後は代理店の修理のいい加減さに愛想が尽き、アキュフェーズに変更しました。QUADは特に部品にこだわってない分、装置としての経年劣化が結構あったように思います。良心的な修理店は貴重ですし、有難い話です。完璧に修理されることを期待しています。
Commented by Abend at 2011-12-31 00:37 x
sawyer様、こんばんは。
QUADの入院先は、行ったことはないのですが、オーダーメイドのアンプも作ってくれるあの店でしょうか。
大晦日に入洛されたご感想と、あの店の評価をお待ちします。

Commented by noanoa1970 at 2012-01-01 08:23
ま~さん
あけましておめでとうございます。
良い予感がします。
Commented by noanoa1970 at 2012-01-01 08:29
Abendさん、あけましておめでとうございます。
八瀬にあるsoundpoint55というところです。
オーナーは好人物で、一過言の持ち主と見受けまいした。
部屋の中はパーツだらけで足の踏み場もなかったぐらいで、職人気質が見えました。エレベーターなしの4Fで、QUADより大型のモノでは機械を担ぐのに相当苦労すると思われます。
Commented by Abend at 2012-01-01 18:42 x
sawyer様、こんばんは。
店名を先に記すのを遠慮させていただきましたが、やはりsoundpoint55でしたか。店のHPを見ましたが、オーディオ職人の店ですね。こういう店も少なくなりました。オーディオ・ショップも、京都では一条のキムラが閉店し、また寺町の主だったタニヤマ無線も店を閉じました。西院のジョーシンも、オーディオ製品はネット販売のみになってしまいました。