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一周忌

去年の11月17日夜9時頃、愛犬シバがこの世を去った。

夕方から一人で立つことは困難なようになって、其れでも必死に立ち上がるが前ノメリになって、頭から突っ込むという症状を見せ始めた。

前日は元気に散歩に行ったし、食欲も旺盛だったのに、今思えば、夕方2度も小生が座っているイスの前に来たのは、何やら訴えていたのだろうか。

シバは元気な頃、音楽を聞いている小生の傍らにキチント正座して、その頃はまだ健全なメインSP、QUAD、ESL-63の方を向いて熱心に音楽を聴いていたものだった。

コンヴィチュニーのブルックナー5番にすごく反応して、遠吠えを何度も繰り返した。
カラヤンのワルキューレ4幕、そしてマゼールの幻想にも反応したが、これは何れもアナログディスクの再生時であった。
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今では一人で音楽を聴くことになってしまったのは、なんとも寂しい気持ちである。

今日はシバの好物をお供えとすることにしたが、とりわけ大好きそうだったが、健康のためと、いっさい食べさせなかった「コロッケ」を特別に食べてもらうことにした。

家内はペットロス症候群がなかなか抜けないようで、毎日のお祈りと、供物を捧げていて、在りし日のシバの様子を語ることが多い。

今でも不思議なのは、小さな川や、側溝など、少し深くて水が流れているものには、激しい拒否反応を示したこと。

絶対に橋を渡るのが嫌で、引っ張ってもブレーキをかけるから、抱いてわたらなければいけなかった。

九華公園に花見に行った時、堀に近づくのを拒否したあまり、首輪がぬけて、逃走し、30分掛かってやっと捕まえたことがあった。
どうやら堀の水が怖かったらしい。

しかしそうかと思えば、琵琶湖や大きなダム湖などは平気で、水際まで自分で降りていくから、いったい無いが怖いのかが未だに謎である。
一応水に潜む悪霊を恐れたということにしておくおことにする。

遠出の際には、シバを一緒に連れていくし、よその柴犬を見ては、シバを思う毎日が続いている。

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今日は一周忌だから、シバの好物にくわえて、特別にコロッケをお供えした。
きっと喜んで食べることだろう。

シバは、大阪の劇団の楽屋犬として1歳半まで飼われていたが、劇団が解散となって、手放されることになり、保健所行きとなった犬であった。

恐らくは楽屋で皆が食べる弁当のおかずをもらっていたらしく、それでコロッケ、カボチャの煮物、フライドポテト、コーヒーまで平気で飲食する。

こちらに縁あって来たときには、冷蔵庫の扉に手を掛けたから、それが食べ物催促の意味なのだろう。
しかし、インターホンと外から聴こえる犬の吠え声に反応いて吠えるだけで、催促で吠えることは全くなく、それだけは訓練されていたのか、家の中で一緒に過ごすにはうってつけだった。

長生きを考えて、エイムスのペットフードだけにして、それにジャガイモの茹でたものやカボチャの茹でたものを添えるようにしたが、茹でている時から、鼻をくんくんさせて、この臭がすると自分の大好きな食べ物にありつけることを学習してしまったようだ。

いつもなら食事の前に、「お手と伏せ」をさせてから「待て」を数秒、「よし」で食べ始めるが、ジャガイモとカボチャの時は、待ち切れない状態で、いきなり食べ始めてしまうぐらい好物だった。

散歩の合図をすると、準備のため、体を真横に持ってきて、胴輪とロープをつけるのに便利なようにしてくれる、そんな利口な犬であった。

急な階段を下るときには、スピードを落とし、其れでも先行しそうになると、しばらく待ってくれた犬。

食べ物に執着すること以外は、悪い所が一切ない犬であった。

柴犬は飼い主に忠実と言われるが、まさにシバはその典型だった。
足が長く尾はしっかり巻いていて、左右に流れることなく背中の真上にあるから、精悍に見える。

想い出は尽きないが、きっと向こうでやりたい放題やっていることだろう。

今日は好きだった食べ物を、いっぱいお供えしたから、どれでも好きなモノをタップリと食べておくれ。

by noanoa1970 | 2011-11-17 17:47 | 愛犬シバ | Comments(9)

Commented by エレ at 2011-11-17 21:01 x
とても賢いシバくんの在りし日の姿を想うと涙腺が緩んでしまいます。noanoaさんご夫妻の元で幸せな日々を満喫していたと想います。きっと今宵のコロッケも美味しそうに食べているのでしょうね。
Commented by こぶちゃん at 2011-11-17 21:51 x
シバ君が亡くなって1年経つのですね…あの時は文面を見てるさけで悲しくなりましたが、今もご家族を見守っているのでしょう。天国で走り回っていると思います。
我が家にも愛猫がいました。徒歩1分の当時富士銀行の裏で頭に瀕死の重傷を負っていました。妹と相談しミルクを上げたけれど受け付けず、余ったご飯を少々上げて段ボール+毛布に入れ、翌日妹が獣医に連れて行きました。
生死の確率は半々。母に相談したところ父がOKなら置いても良いことに。
父は渋々OKしたように見えましたが、実は家族も知らない猫大好き親爺でして、一番可愛がっていました。
当時多忙だった父にとって、一番の心の安らぎになったらしようです。
家族皆から愛され、そこから17年も生きました。
猫としては天寿を全うしたと思ってます。
Commented by drac-ob at 2011-11-17 22:28 x
早いもので、もう一周忌ですか。何度もエントリーで、その様子を読ませて頂いたり、写真を見せてもらったせいで、他人(?)の気がしません。今頃は、好きなコロッケ食べて楽しくやってることでしょう。けっして、土手のタンポポを茹でて食べたりはしていないと思います。
Commented by noanoa1970 at 2011-11-17 22:41
エレさん、こんばんは
シバのことでコメントしてくださって有難う御座います。
病気になった時に、頂いた励ましの言葉は、シバにキチンと伝えました。お陰で少しは長く命を保つことが出来たように思います。生きている間にコロッケをたらふく食べさせてあげたかったと、今は少し悔やんでいますが、許してくれることと思います。
Commented by noanoa1970 at 2011-11-17 22:48
こぶちゃんさん
瀕死の重傷を負った猫ちゃんが、17年以上も生きたことは、やはり愛情の賜物でしょう。シバももう少しで保健所で薬殺されるところでしたから、10歳まで生きたことは、幸せだったかも知れません。従順なところと意地をはるところ、両方がド同居していて、まるで人間のような犬でした。
Commented by noanoa1970 at 2011-11-17 22:52
drac-obさん、こんばんは
シバがいなくなってから散歩にいく気がしません。
今でもときどき部屋の向こうでシバが音をたてるのが聴こえてくるような錯覚に見舞われることがあります。ペットロス症候群かもしれません。
Commented by ベイ at 2011-11-17 23:10 x
シバちゃんの一周忌、思い出すとつらいでしょうが、noanoaさんに救われ最後は幸せな人生でした。うちの猫ベイも一家離散となった隣人から引き取ってもう14年。今年17歳になります。1年前は吐いてばかりいて大変でした。膵臓の炎症が原因とわかり獣医さんでの補液と家で毎日のステロイド系飲み薬を投与、このところようやく元気になりました。ベイのため家を空けることができず制約が多いのですが、一緒にいることでずいぶん癒されています。亡くなったときには間違いなくペットロスになるでしょう。
Commented by Abend at 2011-11-17 23:17 x
sawyer様
錯覚ではなく、sawyer様が服喪を続けておられることの証しです。服喪はフロイトの言う「悲哀の仕事」に相当するもので、愛する者が現世を去った後、現世にいる我々がそれと新たに結縁するために自らのエネルギーを手向けることと、私は思っております。
日本人にとって、犬は特に縁の深い衆生だと思います。「釈迦涅槃図」で、涅槃に入る釈迦のもとに集まった衆生の中に犬が描かれているのは、日本での作品のみといいます。
私は、子供の頃に犬を2回飼って、2匹とも交通事故で亡くしました。以降、犬は飼っておりません。その後も、鳥・魚・昆虫の死を多く経験し、今は亀が1匹いるだけです。
Commented by noanoa1970 at 2011-11-17 23:22
ベイさん、こんばんは
17歳とは長生きで良いですね。
家を空けることができないので、いつもいっしょに出かけましたが、いくところの制限は多かったですが、それでも何ら不満はありませんでした。車に置いておくにも温度が上がったり、開閉ボタンを偶然触ったりが心配で、30分以上は離れられませんでしたが、帰ってくるまで我々が行った方向を向いてじっと待っている姿は今も忘れられません。ベイちゃんいつまでも元気でいてくれるといいですね。