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「海軍式敬礼」スタイルを知る

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駆逐艦「朝風」の元艦長とその部下が、トリスバーで「軍艦マーチ」を聴きながらのシーンである。全ての海軍でのことなのか潜水艦、駆逐艦など小さい軍艦に限ってなのかは分からないのだが、陸軍の敬礼スタイルと違うことを強調してみせるシーンがこれである。
陸軍スタイルで敬礼のまねをするバーのマダムに「そうじゃない・・・こうだ」といって正式な海軍スタイルの敬礼の見本をする。説明は無いのだがその理由は恐らく、当時この映画を見る人たち共通の認識だったのだろう。
その理由とは少し考えれば推測が可能なように、狭い艦内では肘を突っ張るような敬礼は複数同時にすることが困難であるから独自の方法を考え付いたのだ。ここに「陸軍の形式主義的保守性」・・・形式美に比べ海軍の形式より内容を重んじる「実用主義的革新性」あるいは「機能美」が見て取れる。

「日本は戦争に負けてよかったじゃないか」といわせるのも、もと海軍出身であるからなのだ・・・とも思えてくる。陸軍と海軍の考え方の微妙な違いは、戦争を知らない小生でもなんとなく聞かされてきた。幕末に尊皇攘夷側と幕府がそれぞれ見本とした英仏の違いが影響したのであろうか。
「山本五十六」が日米開戦時に連合艦隊司令長官では無く、海軍大臣或いは海軍次官であったならば、その先見性と政治力をいかんなく発揮できたのではないか?とする、「山本五十六」の軍政家としての能力を惜しむ意見も多い。

by noanoa1970 | 2005-08-23 09:05 | 小津安二郎 | Comments(0)