人気ブログランキング | 話題のタグを見る

手術室の音楽

先週の手術の折に流れていたのは、モーツァルトの「レクイエム」、ベートーヴェンのPソナタ「悲愴」。

音楽が趣味らしい先生は、東日本大震災の追悼として、手術室でレクイエムをかけていたとのこと。

術後冗談で、小生が「まさか手術室でレクイエムを聞くことになるなんて・・・」といったのを、覚えていて、今回は音楽を変更したと、術前の診察時に言った。

麻酔の効きがあまりよくなかったのか、先回よりは、ほんの少しだけ痛みがあったが、我慢できないほどではなく、一安心したその時、耳に入ってきたのは、ビル・エヴァンス、キース・ジャレット、おそらくはマッコイ・タイナーと思しきピアノで、それがごく小さい音で聞こえてきた。

どうやら、オムニバス盤か、其々のアルバムからコピーしたと思われるJAZZのBGMは、As Time Goes By [時の過ぎゆくまま]を除けば、ほとんどがオリジナル曲であった。

が、「時の過ぎゆくまま」というAs Time Goes Byの日本語訳は適切ではないという話がある。
As Time Goes By=「時が過ぎても」が正しいとすれば、「時が過ぎても」両目開眼の手術のことは忘れないと関連付けることが可能だが、BGMにそんな意図は無いのだろう。

それでも先週のレクイエムよりは、BGMとしての役割を、たいそう発揮したのと同時に、このところJAZZは、全く聞いてなかったから、帰宅したらJAZZピアノを聴いてみたいという、願望が湧いてきた。

それで、帰宅直後の最初の1枚は、Conversations with Myself 、次にStan Getz & Bill Evans を聴いた。

どちらも良いアルバムで、スタンダードナンバーをエヴァンスがいかにアレンジしているかを聴き取るにはもってこい。

手術室の音楽_d0063263_0355857.jpg
スタン・ゲッツ、リチャード・デイヴィス、エルヴィン・ジョーンズとの、変形カルテットによる、My Heart Stood Stillが印象的だ。

音響装置は、JAZZも快適に鳴らしてくれている。
たまにはJAZZも良いものだ。

先生がどのアルバムから、BGM音楽を作ったのか、次回訊いてみることにしよう。

お陰さまで「目からウロコが落ちた」ような気分。

この新鮮な状態、いつまで続くのか。

by noanoa1970 | 2011-05-27 00:42 | JAZZ・ROCK・FORK | Comments(2)

Commented by HABABI at 2011-05-27 21:21 x
sawyerさん、こんばんは
手術はすべて終わったのですか? 具合はいかがですか?

JAZZはいいですね。演奏における個人の自由を感じます。その自由を軸足にしたら、クラシック音楽は不自由なものに見えるでしょうね。
クラシック愛好家から見れば、JAZZの自由さは時に魅力的でしょう。
クラシック音楽は楽譜が基準になりますが、JAZZは演奏が基準で、まさに瞬間芸です。
しかし、クラシック音楽では、楽譜から音楽を作るという別な創造があって、それが演奏会の存在意義になっているように思います。HABABI
Commented by noanoa1970 at 2011-05-28 08:46
HABABIさんおはようございます。
無事両目が開眼致しました。

クラシックの即興は、カデンツァと呼ばれるところに多く見られますが、それさえも楽譜に示されている場合や、後の演奏家が残した物を受け継いだものが多いようです。それに反した演奏家もいましたが、その世界はあまり広がらずマイナーなままではないでしょうか。JAZZは即興の音楽だとも言われますが、コード進行さえ決まれば、後はその範囲内の自由さがあります。しかしJAZZのなかでも本当に自由に即興をするものと、楽譜に書いた即興(クラシック音楽と同様)をするものに分かれるようです。ただ違うのは、楽譜に記載されたものに、自分の好きな音楽や関連する音楽の引用を、その場で入れ込むことは、クラシック音楽とは違うように思います。即興における引用は、自己アピールも、場の雰囲気をさらに高める効果もあるのではないでしょうか。
コード進行とは関係のないフリージャズになると、話は違ってきますが。モダンジャズでは、「規律の中の自由」ということになるように思います。
小生はJAZZのスタンダードナンバーのアレンジと、即興の中の引用に特に興味があります。