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未完成ブログ、ゲヴァントハウス管は変貌したのか

実はこのブログ記事、3週間前に書いたのだが、未だに結論が出ないため、今回は断念したもの。

しかし今後の課題として忘れないように、残すことにしたので、恥ずかしながらUPしておくことにした。

コンヴィチュニー時代のゲヴァントハウス管は、実力も、その音色もとても良かった、というのがいわば定説のごとくなってきている。

それでは同じような論評、「コンヴィチュニー以後のLGOは駄目になった」というのがあるが、果たして本当にそうなのか。

このことを確かめたく、ステレオ録音で聴けるゲヴァントハウス管を、歴代の指揮者で聴き比べることにした。

同じ楽曲が望ましかったが、それは無理と分かり断念。

今回はオケの実力と音色が中心だから、指揮者そのものについてはなるべく言及しないつもりだ。

ただし、歴代と言っても、この度小生が聞き及んだものは、ステレオ録音で聞ける3人のカペルマイスター、つまりフランツ・コンヴィチュニー、ヴァーツラフ・ノイマン、そしてクルト・マズア時代の録音の一部と、客演のクルト・ザンデルリンクを加えた音盤。

聞き及んだものは、ほんの一部でしか過ぎないから、的を得てない可能性があることを予め申し上げておかなければならない。

また、このことによって、ゲヴァントハウス管のオケの実力や音の差が、心底明快になるとは決して思ってはいないが、それでもよく言われるような、コンヴィチュニー時代のゲヴァントハウスは素晴らしかったが、それ以後はオケの実力が衰えて、したがってその音楽と音色は、かつての良き時代からは遠いものとなったなどという、かつて読んだ記憶がある某評論家の論評が本当に正しいのか否かを、自己判断するものには成り得るのではないかと思う。

ノスタルジックに、古きよきものを語るという、人間の常はあるとしても、それが的を得ているものか、それとも単に昔語りなのか、そのあたりを追求することは、いわばタブー視されてきたような気がする。

「昔はよかった」、そんな言葉が耳から離れない年齢に小生もなってきたが、それ故に、今一度そのようなものが神話か迷信か、それともやはり真実なのかを、自分の耳で確かめたいと思ったのが今回のいきさつであった。

そして、今回思いついたのは、小生が最も好んでいる、フランツ・コンヴィチュニーと、その時代のゲヴァントハウス管の実力やオケの音色が、それ以後の代表的な2人プラス一人の指揮者の時代と、愛好家達によって言われるほどの、そんなにも大きな違いが、ほんとうにあるのか、ここらでぜひ確認しておきたいという欲求からのことである。

コンヴィチュニーがカペルマイスターに就任したのは1948そして1962に死去したから、14年間務めたことになるが、我々が聴くことが可能なモノは、主に積極的に録音を残した1950年代になってから、そしてステレオ録音は60年代になってからで、極少数にしか過ぎなかった。


ノイマンは1964~1968の4年間、マズアは、1970-1996四半世紀あまりと、3人の中では一番長く、彼らの時代になると、はほぼ全てがステレオ録音である。

小生は普段モノラルであれ、ステレオ録音であれ、差別はしないが、比較に際しては、録音の条件をなるべく同じようにしたほうが良いだろうと思い、演奏比較ではないこともあって、ステレオ録音から選択することにした。

おそらくコンヴィチュニー時代も、マズア時代にもオケ自体には、様々な変化があっただろうから、事実を確認するためには、各年代別に細かく聞き分けることが必要と思うが、それをやるには、コンヴィチュニー以外の手持ちの音盤が少なすぎるから、それは今後の課題とし、今回は代表的な録音のもとで、ということになってしまった。

さて、何をを取り上げるか迷ったのだが、録音に差がありすぎると、正当な評価ができない可能性があるから、特にコンヴィチュニーは、比較的録音の良いステレオ盤から選ぶことにした。

オケの人数や楽器編成が、なるべく似通っているもので選択することにした。
たまたまチョスの参考となるCD選集「ゲヴァントハウス名演集」があったからそれを大いに利用することにした。

コンヴィチュニーはブルックナーの5番1961。
ノイマンはマーラーの5番1967。
そしてマズアは、ベートーヴェンの9番。1971
客演のザンデルリンクはブルックナーの3番。1965をチョイス。

主に以上を聴いて、今回は指揮者云々よりも、オケの力と音色がどのように変化したのか、あるいはそうでないのかの確認を試みた。

・・・しかし、虚しく挫折・・・今のところそれについてのコメントが出来ない状態。
いずれ書こうと思うが、ザンプル数が少ないので自信なし。
次回やるとすれば、シャイーを含めた検証が必要だろう。

今回は未完成に終わるがそれも致し方ない、無謀なことに取り組んでしまったのだから。

by noanoa1970 | 2011-04-29 14:19 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(10)

Commented by HABABI at 2011-04-29 21:42 x
こんばんは
同じ曲で比較しようとするなら、コンヴィチュニーとマズアはベートーヴェンの交響曲全集で、ノイマンとマズアはマーラーの7番で可能です。曲は揃いませんがブルックナーでは、ノイマンが第1番を録音しています。
しかし、コンヴィチュニーの指揮した「田園」の響きはあまりにも独特で、それは他の指揮者の録音からは期待できそうにないと思っています。
でも、sawyerさんのことですので、何かユニークな切り口で比較されるのではと、期待しています。
Commented by noanoa1970 at 2011-04-29 23:36
HABABIさん、夜も更けてきました。
実は先程からコンヴィチュニーのブラ1を聴き、ひょっとしてノイマンもブラⅠぐらいは残しているのではと、当たってみましたが、残念ながら2番しか残してないようです。出来れば全て同じ曲での比較のほうが良いのですが、今の所目星がつきません。マズアの旧盤全集でベト4・5を聴きましたが、オケ云々より、マズアの解釈が気に入らなくてそこまで行きませんでした。もう少し時間がかかりそうです。ちなみにコンヴィチュニーの田園はBC盤でしょうかそれともアナログディスクでしょうか?
Commented by HABABI at 2011-04-30 03:10 x
sawyerさん、おはようございます
私が言及したのは、全集にも入っているスタジオ録音です。最初の弦の音が、一瞬、バグパイプの様に響きます。
マズアの演奏は、特徴がよく分からない?ので、言葉にし辛いですね。
ノイマンのブラームスは持っていません。ところで、この頃のノイマンの顔はプーチンを連想させ、怖そうですね。後のチェコ・フィルとの時は好々爺然としていますけど。
Commented by noanoa1970 at 2011-04-30 08:37
HABABIさん、おはようございます。
多分EDELの全集ですね。小生はこの全集も持ってますが、主にベルリンクラシックからの全集盤を聴いていたので、バグパイプの音色のような響きの開始には、気が付きませんでした。EDELとBCでは多少音質に差があるようで、マスターリングは同じだと思われますから、多分これはCDそのものの質の差に負うところかも知れません。EDEL盤で田園聞きなおしてみます。ノイマンの顔つきはの変化は故郷の政治状況と関係があるのでしょうか。もしそうだとすると、音楽と政治は彼の中では同じレベルだったという証になるやも知れません。
Commented by HABABI at 2011-04-30 13:14 x
sawyerさん、CDの発売元を尋ねておられたのですね。その意味では、私の持っているCDはBC(緑と黒のデザイン)です。但し、響きとしてはCDは面白くありません。私がびっくりした響きを聴いたのは、廉価盤レーベルFONTANAから出ていた国内盤LPです(ばら売り)。CDに比べ直接音の割合が多く感じられ、特徴ある弦の響きがはっきりします。
Commented by noanoa1970 at 2011-04-30 16:13
HABABI さん
気にしていただいて有難うとうございます。
お持ちはBC盤でしたか。失礼しました。
バグパイプの音色のような・・・先ほどEDEL盤で確認しましたが、なんとなくでしたから、やはりLPを聞かないとならないようです。
残念ながら正規版のLP・・・ベートーヴェンがモザイクになったジャケットは、学生時代、誰かに貸して・・というか勝手に持っていったのがいたらしく、手元から無くなってしまいました。全集の中では、多分田園が一番録音状態が良いのではと思います。
Commented by HABABI at 2011-05-01 06:58 x
おはようございます
輸入盤LPの全集の中に入っている「田園」も聴いてみましたが、これもいい音で鳴っていました。カートリッジにオルトフォンのSPUを使うと、特徴のある響きがよりはっきりして来ます。多分、弦楽器は楽団で所有するものを使っているのだろうと思うのですが、ぞくぞくするような魅力的な響きになっています。見事なバランスです。楽器が同じであれば、最近の指揮者でも同じような響きが出せると思うのですが、指揮者の目指すものとかが違うのでしょうか。
Commented by noanoa1970 at 2011-05-01 12:11
HABABIさん
やはりLPはいいようですね。
国内盤ですが小生も廉価盤での全集を持っていますので、確認してみようと思います。
1説では、シャイー時代になって、いろいろな意味で楽団の国際化が進み、かつてのGOLの特徴が失われ、どこにでもあるようなオケのトーンになってしまったと言われます。
これについても検証が必要でしょうね。

それより、ETERNA盤オークション当たってみようかな。
Commented by Abend at 2011-05-15 22:58 x
sawyer様、こんばんは。
録画したシャイー/GOLのブルックナーsym8を視聴しました。
大編成対向配置に中域を見事に浮上させ、オーケストラというよりも合奏体であると昔から思っていたGOLを統率するに、シャイーは並々ならぬ力量を持っていることを認識できました。久々に、テレビの前に釘付けになりました。
Commented by noanoa1970 at 2011-05-16 08:12
Abendさま
小生も録画で見ました。さらに音だけで聞いて確認しましたが、シャイーの解釈に斬新さ、自身が言うほどのものは見られませんでした。オケのトーンがごく一般的なものになってしまったようで、聞いていてゲヴァントハウスだということが分かりにくくなってしまったように思います。このことの良否は、未だ判断がつきません。思いの外若い人、女性が多いのと、東洋人が多かったのが印象的で、最古の楽団とは思えない布陣でした。ハープも3人フル出場で、気合が入っていました。ホルン群、特にワグナーホルン上手でした。