朝ドラ「てっぱん」劇伴作曲家の挑戦
NHK朝の連ドラ「てっぱん」をたまに見るのだが、いつも思っていることがある。
テーマ音楽が、ビートルズのホワイトアルバムに収録された、リンゴスターが歌う「good night」によく似てていることである。
しかしながらビートルズのレノン&マッカートニー作というこの曲とて、オリジナルはイギリスの古謡のララバイに似ているから、そしてこのようなこと、つまり有名曲のエキスを抽出し、調味料を加えて自分の料理としてしまうということは、近年かなり見かけるから、パクリだとか、盗作だとかと物騒なことを言うつもりはなかった。
ところがこの作曲家、今度はこれも有名な曲、サン=サーンスの動物の謝肉祭から、聴いた瞬間すぐにわかるほど「白鳥」とソックリなメロディを使ったものを、それもサン=サーンスと同じように、チェロに弾かせて番組に挿入した。
そのあたりから、音楽担当は誰なのか知りたくなり調べると、ある近年有名になったアフロヘアが特徴で、少し前にはセリーヌ・ディオンとも共演した、ヴァイオリニストでもある人物H・Tであった。
時代に機敏そうな感じ、多くのTV出演で見る限り、非クラシック畑人間のようなところがあるし、人懐っこそうだから、一般に人気があるのだろう。
しかしそんな彼に対しての良くないイメージは、いつの間にかどこかに行ってしまっていた。
というより、どうこう言っても仕方がないと、諦めに近いものが支配するようになったのが正直な気持ちである。
気にしだしたらきりがないほど、近年はそういう傾向の音楽が多いからだ。
それで、しばらくそのことを忘れていたのだったが、ある日の番組の中で、ある音楽が挿入されているのを聴いて、驚くとともに、唖然とさせられた。
主人公の女性が涙をこらえるシーンで、その時に挿入された音楽が、なんと、テーマ音楽が似ていると小生が思っていたビートルズのホワイトアルバムに収録された「good night」。
それを女性ヴォーカルが歌っているものを挿入したのだ。
この音楽担当のヴァイオリニストでもある作曲家は、視聴者をなめているのだろうか。
テーマ音楽とよく似た(他人によってはパクリというかもしれないもの)音楽の原曲を、あえて劇伴音楽として挿入するとは・・・・
この作曲家は、自分の作品である「てっぱん」のテーマ音楽が、ビートルズの「good night」に似ていること、あるいはそこからヒントを得て作ったこと、あるいは引用したこと、ハッキリといってしまえばパクッたことを自己認識していたのではないか。
劇伴音楽に、歌い手は違うとしても、パクリの原曲を、挿入したのは、かなりの確率で偶然ではない。
まるで犯罪を犯した犯人が、自分がやったことを解らせたい・・・そんな欲求にかられ、わざとヒントを与えるように、このアフロヘアのヴァイオリニストも、そんな欲求にかられたのだろうか。
わざと劇伴に挿入することにより、自分はこのテーマ音楽を、ビートルズから殆ど引用した・・・・そういう懺悔の気持ちのアピールをする目的で、恣意的に「good night」を使うことにしたのではないか。
あるいは、小生のような反応をする視聴者・・・つまりパクリを見抜いた視聴者がどれぐらいいて、自分に対する負の評価が起こっているか、そうでないのかを、確認するための仕掛けであるように思えてならないのである。
純粋な音楽的欲求から、このようなことをやってはいないと考えざるを得ない。
結局は「パクリは決してバレルことはないだろう」と、視聴者を舐め切っているか、「君たちにわかるかな」と挑戦しているかどちらかだろう。
しかしこの人、恥ずかしげもなく、「よくやるね」。
by noanoa1970 | 2011-02-07 11:51 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(8)
よく発見されましたね。
確かに似てますね。邦楽ポップスの世界では、パクリは相撲の八百長と同じくらい日常茶飯事です。
この方は、音大出で、某クロスオーバーバンドのリーダーを経て独立した方ですね。
一般の視聴者をなめていることは確かでしょう。
寂しい限りです。
オリジナル使わないなんてところが、より犯罪的です。
この人、朝ドラ見るような一般視聴者には、絶対わからないと思ってやったとしか思えませんね。大概のパクリに近いものも、多く目につきますが、最近は目をつぶるようにしています。しかし、ここまで大胆にやってくれると、一言二言言いたくもなります。こういう確信犯的な行状は、視聴者を世間を舐め切っています。後ろめたさや、恥ずかしさというものがないのでしょうか。それにしても、こんな音楽家を劇伴に採用しているNHKもNHKですね。わが国の作曲家と呼ばれる人間の質は、相当落ちているように思います。
一つの番組の中に、これだけの模倣やパクリといってもよいものがあると、さすがに黙ってはおれません。バレないと思ってやったのか、バレても外部からの指摘はないだろうと、高をくくり、安心してやったのか。いずれにしても、近年著しい、精神的不安定者の確信犯的行状のようで、気味が悪いです。何よりいけないことは、音楽を舐め切っていることでしょう。
このドラマ好きなんですね。
小生も決して嫌いじゃないですよ。
問題はドラマではなくて、あくまでも劇伴音楽ですから、わかってくださいな。
ところで、尾道焼きは広島のお好み焼きとは、なにが違うんだろうか?
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ブログ拝見させていいたきました。小生には懐かしい音楽の話題満載で、楽しく読みました。お気に入りに登録しましたので今後も読ませていただきます。
Three Dog Night とかThree Degrees