人気ブログランキング | 話題のタグを見る

てなもんや三度笠・剣客商売の・・・

「藤田まこと」が亡くなった。
思えば昭和30年代後半、小生がまだ小学6年生か中学生の頃、CBCテレビの夕方からこの番組は始まった。

今でもなお有名な台詞「あたり前田のクラッカー」は、そのクラッカーのあまり美味しくないのに比べ、かなりヒットした。
クラッカーには粉末のスープの元が入っていたが、これも相当なものだった。

財津一郎がバカ長い刀を挿して登場し、刀を抜くのに四苦八苦する姿や、食い意地が張っていた白木みのるの「珍念」がいつも茶々を入れるのも、当時はさほどでもなかったが、のちに相当ビッグなタレントやコメディアンとなる人たちが参加した。

「ハヤシもあるでよう」の南利明 、たまに出演していた伴淳三郎、なぜか好きだった 平参平、ほかにてんぷくトリオなど、多彩なゲストも出演した。

日曜日の昼に放映されたと記憶にあるのだが、どうもそうではなく夕方の放送だったようだ。
どうやら、「スチャラカ社員」と混同したようだ。

「ミゼット」でおなじみの、大村崑と佐々十郎の「やりくりアパート」も、放映は確か日曜日の夕方だったから、「てなもんや」とは多少の年代のずれがあるのかもしれない。

「白木みのる」といえば、出演当時から見ていた付近に御ひとはすべて、よくしゃべり、こまっしゃくれた、そして台詞の上手な子役だ・・・そう思っていた。

ところがある時、どこから聞いてきたのかは知らないが、近所のおばさんが「白木みのる、本当は大人らしいよ」…そういう会話が耳に飛び込んできた。

これにはすっかり仰天した思い出がある。




それから40年あまり、藤田が出演したTVドラマで、小生が一番好きな番組「剣客商売」を見ることになった。

といってもこのドラマは、なぜか放映が連続せずに、何かのつなぎに放映されることが多かったから、すべてをみることができてない。

しかし藤田の渋い芝居と、キレのある太刀まわり、そして人情ある内容、そして何よりもいつものロケ地である近江八幡の八幡堀の風景。
さすがは「池波正太郎」、このドラマになくてはならなくなった、常に登場する旬の食材と、そのベストな調理法が必ず盛り込まれる。

これを藤田扮する秋山小兵衛が、若い女房のおはる:小林綾子に指南する場面があって、山里に近い住居に暮らす、彼らの日常の 生活が盛り込まれる。

途中で配役変更となったが、小兵衛の息子:秋山大治郎とその女房:三冬は、新旧どれもとてもいい配役だった。

平幹二朗 扮する田沼意次と、藤田まことの秋山小兵衛が旧知の仲だという設定も、意外性があってよい。

またドラマでの事件の当事者や国、毎回かなりの大物ゲストが登場するのも、この番組の特徴であろう。

かなりお金をかけて制作されたようであるが、いずれのシリーズも、中部地区ではメインにならない存在でしかなかった。
かなりの愛好家も多いと予想されるので、藤田まことの残した作品でも、かなりのウエイトを占める優秀作品と思われるから、再放送を是非お願いしたいところだ。

平岩弓枝の「御宿かわせみ」藤沢周平の一連の小説や映画にも似た雰囲気がある時代劇ドラマである。

もう往年の、実に渋い個性の「藤田まこと」を見る機会が無くなったのは、誠に残念なことだ。もう少し…最低でもあと5年は生きて、「剣客商売」の続編を残してほしかった。

小生には「必殺」よりも、「はぐれ」よりも、「仕掛人」よりも「剣客商売」の藤田が好きである。

by noanoa1970 | 2010-02-18 14:13 | トピックス | Comments(0)