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皆様へのお知らせ

いつもごらん頂まして、ありがとうございます。
まことに申し訳ありませんが、都合によりまして
当ブログは10月いっぱい更新を控えさせていただきます。
11月からは開始いたすことができるかと思いますので、
何卒容赦ください。
引き続きのご訪問お待ち申し上げます。

sawyer
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by noanoa1970 | 2006-10-26 09:33 | Comments(0)

ブリテン諸島の音楽

女王「エリザベス」というと、エリザベス王朝の基礎を築きあげたあの「エリザベス一世、そして現UKの女王「エリザベス二世」の存在を思い浮かべることができる。
しかし「女王メアリー」というと、名前はなんとなく聞いたことはあっても、いつの時代で、どのような人物であったか即答できる人は、そうはいないだろう。

小生などは、恥ずかしながら、「メアリー女王と、マリー・アントワネット」をごちゃ混ぜに思っていたことさえあったほどなのだ。

「ヘンリー・パーセル」というイギリスの音楽家・・・・イギリス音楽の元祖とでも言うべき作曲家は、「メアリー女王」の時代に、宮廷音楽家としてヨーロッパ本土の作曲技法を積極的に取り入れ、その才能を遺憾なく発揮した人である。
後に「ブリテン」は「ヘンリー・パーセルの主題による変奏曲とフーガ」を、パーセルのオマージュとして作曲した。
彼は、いわばイギリス音楽の「父」として尊敬、崇拝される人であることは確かなようだ。

今まで「ブリテン諸島の近代音楽」として手持ちの音楽を聴いてきて、まだまだ聴き残しているものもあるのだが、このあたりで一応の締めとする前に、「元祖」である「パーセル」に敬意を表し、彼の音楽で閉めたいと思って、レコードの棚をあさって取り出したのは、「妖精の女王」、「インドの女王」、そして本日取り上げることにし「メアリー女王誕生日のためのオード」、そして「メアリー王女葬送のための音楽」である。
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しからば、「パーセル」が彼の音楽をささげた、「メアリー女王と」はいったいいかなる人物なのであろうか。
英国の歴史において有名なのは、メアリー(Mary Stuart, 1542年12月8日 - 1587年2月8日)で、彼女は「スコットランドの女王でもあり、スコットランド王ジェームズ5世とフランス貴族「ギーズ公」・・・初の映画音楽としてサン=サーンスが作曲したギーズ公の暗殺の劇伴音楽としても知られる、あのギース家出自のメアリー・オブ・ギーズの長女で、内乱でエリザベス1世の元に逃れたメアリー。

メアリーはイングランド各地を転々としたが、イングランド王位継承権者であることを主張し、またエリザベス廃位の陰謀に関係した人物とされる。
ついにエリザベスとの他t会に敗れ、メアリーはロッホリーヴン城に移され、7月26日に廃位させられ、結局1587年2月8日処刑されることとなった。
余談だが、今NHKでメアリーを取り上げたBBCの作品を放映中。

「エリザベス一世」との間後継者争いに敗れた人だというし、「パーセル」が活躍した年代・・・ヘンリー・パーセル(Henry Purcell、1659年9月10日?-1695年11月21日)と100年近く時代が違うので、この「メアリー」ではないことが、調べるとわかった。
彼女は権謀術数、巧みな外交、男を操るすべを心得、戦乱の世を生きた女性で、「流血の惨事」をも起こしたとされ、小生も好みの、ウオッカとトマトジュースで作った飲み物・・・「ブラッディ・マリー」・・・血まみれのメアリー・・・は彼女からとられたとも言う。

「パーセル」が信奉したという「メアリー」はギーズ公の長女ではなく、さらにもう一人存在することになる。
さらに調べると、「メアリー二世」という人物の存在があることがわかった。・・・・これだから西洋史は難しい。

「メアリー2世」(Mary II of England, 1662年4月30日 - 1694年12月28日)
出典は覚えていないが、昔読んだ書籍で、確か「パーセル」は「メアリー」を慕うがごとく、その死亡年月日までが同じであった・・・などという記述があったことを覚えていて、小生は、「パーセル」が「メアリー」を慕うあまり、彼女の死を嘆き悲しんで、後追い自殺したのだろうと、そのとき思ったことがあった。

この時代のデータは信用できかねるところもあるので、なんともいえないが、「パーセル」が「メアリー」を慕っていたことは、彼の音楽が「女王メアリー」によって、大いに評価されたことの裏返しだといえなくもない。
夫ウィリアム3世との共同統治者としてイングランド・スコットランド・アイルランド女王であったというから「ブリテン諸島」に君臨する王族であったこと、
そして共同統治した夫のウイリアム3世とは、歴史で習った「オレンジ公ウイリアム」であること、
夫との共同統治の意味は、よくわからないところであるが、複雑な「政略結婚」の様相があり、夫にブリテン諸島の統治権を全面的に渡せない背景があったものと推測される。

宗教や領土問題が錯綜する中、メアリーは、伯父「チャールズ二世」の指示で、代々オランダ(ネーデルラント連邦共和国)の統領を世襲するオラニエ=ナッサウ家のウィリアム3世と結婚する。ウィリムの母メアリー・ヘンリエッタは、チャールズ2世の弟でメアリーの父、ヨーク公ジェームズの姉であった。
つまり親戚同士の結婚であるが、複雑すぎて系統図でもない限り、よくわからないことが多い。

人物相関は複雑だが、このようにして、ウィレムがオランダ統領のまま、ウィリアム3世として女王メアリー2世とともにイングランド、スコットランド、アイルランドの王位に就くことに議会も同意し、「ウィリアム3世とメアリー2世」の共同統治が始まった。イングランドでは流血を見ることなく革命が成立したので「名誉革命」と呼ばれる。

なるほど、やっと史実として知っているあの「名誉革命」のオレンジ公ウイリアム・・・オレンジは果物ではなく、オラニエ=ナッサウ家・・・つまり「オランダ」を意味するものであった。
長く続くカトリックとプロテスタントの戦いでもある。

夫はいつも戦場に出かけ、城を空ける日々が長く続いたというから、メアリーは寂しさを紛らわすために、音楽会、舞踏会などを頻繁に催し、「パーセル」は彼女の庇護の元で活躍したことであろう。
こうしてメアリー」と「パーセル」は出会うことになり
そこに「恋愛感情」が生まれなかったとも限らないのではないか。

「メアリー女王葬送のための音楽」は、イギリス国教会の葬儀様式をテクストにして作られ、「女より、生まれし者は」を2つの部分に編成し、始めと、終わりには、2つのティンパニと金管楽器により「葬送行進曲」を置く。

ドローン・ド・ド・ド・ド・ドーンと不気味に、地の底から這い上がってくるようなティンパニの音に、トロンボーンそしてトランペットが「神の声」を、あるいは「神の守護」を祈るように、深い淵から響いてくるかのような神妙なメロディを奏でる。

当時「天然痘」が流行し多くの人が亡くなったといい、「女王メアリー」も天然痘で亡くなったとされる。
「パーセル」がこの曲を作ったのは、「メアリー」の葬儀が行われた1695年3月3日」であったという記述があるという。1694年12月28日に、メアリーが亡くなって2ヶ月後のことであった。

「女より、生まれし者は」
「われら命半ばにも、死に望む」
「われらの心の中を、知りたもう主よ」
上のテクストが歌われる間に「カンツォーナ」・・・金管楽器の合奏が入り、前後を「行進曲」で挟むという構成だ。
イギリス国教会のテクストは調べていないが、「ミゼレレ」などのコーラスも聞こえてくる。
「葬送行進曲」は背筋が寒くなるように地の果てから響くようだ。

演奏は
ジョウン・エリオット・ガーディナー
モンテヴェルディ合唱団、管弦楽団
ERATOの古いLPより

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by noanoa1970 | 2006-10-21 14:46 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(2)

ブリテン諸島の近代音楽

コーンウォールと聞くと、思い浮かぶのが、ワーグナーの傑作「トリスタンとイゾルデ」。
アイルランド王妃「イゾルデ」が、政略結婚の理由で、コーンウォールの城主「マルケ王」に嫁ぐため、アイルランドを出航し、コーンウォールへと向かう船の中で、次女から飲まされた「媚薬」の力で、同行した「トリスタン」と恋に陥る・・・・そんな愛憎劇である。

この物語に、小生はかつての「ケルト」の勢力が「ブリテン島」=イギリス本土にまで強く及んでいたことを見るのだが、今でもコーンウォール地方は、国王直轄地とされており、「ケルト」文化の痕跡を色濃く残すという。
コーンウォールは、ブリテン島の南西部に位置する。
かつての「ケルトの地」として、今もその文化を残すところの多い、「ブルターニュ」文化圏であったのかもしれない。

そのコーンウォールに「ティンタジェル城」は存在し、その血はかつて「ケルト」の伝説の王、円卓の騎士で有名な「アーサー王」の出生地という。
ティンタジェル城がアーサー王とゆかりがあるといわれたこともあっら用だが、しかしこの城は13世紀に作られたから、残念ながら、「アーサー王」とは時代が異なる。
しかし写真で見ると、この城跡は城壁に開けられた数々の「穴」が当時の戦闘状態を思わせるようで、しかも相当古く見えるものだから、古代ケルトを髣髴させるものがある。
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「BAX」はコーンウォールを訪れて、実際にこの「ティンタジェル城」を見たのだろう。
彼の「アイルランド、ケルト」への強い思いと、憧れが、交響詩「ティンタジェル」を書かせた。

狩猟のときの合図のホーンを思わせる金管楽器が、朝もやの中に聞こえる、続いて鳥たちが目覚めたのか、森の奥ででさえずるような音が聞こえ、霧がだんだん晴れつつある中から、やがて見えてくる「ティンジェル城」。

周囲の「緑」がだんだん色を濃くしていき、鈍い太陽が顔を指すと、すべての動植物、そして人々が動き出し、一日の生活が始まる。
人々が集いいろいろな・・・昔話などを楽しく、そして思い出深く語り合う姿が目に入る。
こうしてコーンウォールの一日が、夕日とともに終焉のときを迎えるそのとき、今まで見た「幻」は夕闇とともに消えていき、目の前にはティンタジェル城の廃墟があるばかりであった。

「ケルト」「アイルランド」のオールドバラッドのパターンを、少しまねて創作してみた。
」チーフタンズ」のバックで「シニード・オーコンナー」が、しみじみと歌う、「フォギー・デュー」のふんいきが、「ティンタジェル」と連なって、このように連想させた。

演奏は
NAXOSで多くのイギリス音楽を録音している
「デイビッド・ロイド=ジョーンズ」と「ロイヤル・スコティッシュ管弦楽団」
この人の「BAX」は、、よく鍛錬されたオケとあいまって、音楽がとてもヴィヴィッド。
あまり聞かない名前ではあるが、オケともに秀逸である。
経歴などは不肖だが、かなりの腕・・・・職人のような感じの指揮者であるようだ。

・・・・最近はこのような・・・・かつては拒否してきた音楽の聞き方をしてしまうことが、よくある。
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by noanoa1970 | 2006-10-19 13:30 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(0)

ブリテン諸島の近代音楽

名前さえ知らない作曲家が多いのもブリテン諸島の音楽家の特徴なのか、たまたま聞いたエルガーの余白に、「フランク・ブリッジ」・・・フランク・ブリッジ(Frank Bridge, 1879年2月26日 - 1941年1月10日)の「ラメント」という曲があったので聞いてみた。
「ラメント」とは「悲歌」「哀歌」「嘆きの歌」などと言われる・・・「エレジー」とよく似た曲調を言う。
気分的には、秋もだんだん深まってきた、この時期に聞くのにふさわしい。
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哀愁が込められた伝統歌のメロディに乗った音楽が聞こえるとばかり思っていたが、その期待は違う方向に裏切られ、そこに有る音楽は、今まで聴いたイギリス近代音楽にはあまり無いが、ドイツ、フランス、その他のヨーロッパ諸国ではよく耳にするように、あと少しでその和声がj協調しあわない音楽の半歩手前・・・・イギリスでは「ブリテン」の音楽に近いものを感じたので、少々愕いた。
といっても通常ならこの年代の作品としては新しいものでなく、今まで聞いてきたイギリスの近代音楽の中では、・・・という意味においてのことだ。

期待した・・・「ラメント」だから、伝統歌がモチーフとなっているに違いいないと思ったのは、大いなる間違いだったことを思い知らされることになった。
しかしながら合奏の合間、チェロのソロで奏される哀愁有るメロディは、伝統歌の様相は呈してないながらも、ほんの少しの間だが気持ちが引き込まれる。

この作曲家、ほかの作品では、かなりヨーロッパ大陸の「近代」を感じさえるのがあるかもしれないと、ふと思ったりした。

気になったのでウイキで・・・多分資料は無いだろうと思いつつ、検索すると・・・立派なものがそこにあった。
それによると、
「スタンフォード」が先生、弟子に「ブリテン」、指揮法を学び、あの「ヘンリー・ウッド」の代役をも務めたと記されている。
「ブリテン」は、ブリッジのオマージュ的な曲を2つ書いているほどだから、よほどブリッジを尊敬していたのであろう。

第1次大戦をはさんで、作風がかなり変化したとも書かれているから、とても興味深い。
後期ロマンから新ウイーン派への流れを一人で体験、作風もそのように変化したというイギリスの音楽家としてはまれな存在だから、今後もっと多くの作品を聞いてみたい人である。

ピアノトリオのいくつかに、「無調」と題されるものがあるのも興味深い。
このところNAXOS盤にお世話になることが多い。
新規発掘には今一番の音盤を持つレーベルで、感謝に耐えない。
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by noanoa1970 | 2006-10-18 12:26 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(0)

335.2

「交渉人(ネゴシエーター)交渉人 真下正義」をTVで見た。
「踊る太走査線」から派生した映画で、親の七光りの、刑事としてはあまり能力の無かったキャリア警察官が、新しく実験的に開発された能力を身につけて、「オタク」のテロリスト風犯人と対峙する映画である。

小生が面白いと思ったのは、映画のストーリーそのものではなく、・・・・・・米国の刑事ものみたいな設定の・・・・、クリスマスイヴに起こった地下鉄暴走事件と爆発テロも同時進行、その事件のヒントとして、ラヴェルの「ボレロ」を、クリスマスイヴに聞くという設定の、コンサート会場に仕掛けられた爆弾が、ボレロの335小節第2音・・・ほぼ終焉に近いあたりに鳴ならされるシンバルの周波数に感知して、起爆装置が働き、コンサート会場もろとも吹っ飛ぶという設定で、犯人が交渉人に、ヒントとして「335.2」という暗号めいたものを告げることであった。
ちなみに「ボレロ」の総小節数は「340小節」である。
コンサートの演題はモーツァルトの序曲「フィガロの結婚」から「ベト5運命」そしてチャイコの「胡桃割り人形花のワルツ」へと続きそして終曲が「ボレロ」という内容だ。

実際にこのようなコンサートがあったとしたら面白いのだが、ここではかなりまじめに指揮者として「西村雅彦」 が右手を軽く動かすだけの指揮者ぶりで出ていた。

ストーリー途中で、地下鉄のコントロール室の頑固な責任者と、公証人真下が、それぞれ母親と彼女とで、事件原場のコンサート会場に行く設定となっていルことがわかり、見るものを緊張させる。犯人は「真下」の彼女を殺害することによって得られる「真下」への勝利の快感を得ることがが望みだ。

犯人からの情報を収集分析した結果、「ボレロでクリスマスイヴを」という、クラシックイベントが催される新宿のコンサートホールが爆発のターゲットだと知ることになり、追って「335.2」の暗号の謎が解けることになる。
シンバルがなろうとした瞬間、やくざのような刑事がシンバルを鳴らそうとする打楽器奏者を羽交い絞めにし、舞台から降ろしてしまう。
打楽器奏者は一番後方に位置する、だから客席も、指揮者も、オケ仲間も、打楽器奏者が舞台から下ろされたことを知らずに、l曲は問題の335.2を通過する。
シンバルは鳴ならずに曲が進行し、「間抜けなボレロ」となって曲が終わるが、曲が終わっても客席からは、しばらく拍手が起こらない。
・・・演奏がよかったこと、音楽の余韻を味わうためであるのか、シンバルが鳴らなかったことへのブーイングの代わりなのか、このあたりの表現方法は面白い。

この事態を気づいてか、気づかないでか、指揮者は自体収拾のため、自身でおもむろに拍手をする。すると会場から初めて拍手がおきる・・・・
この場面は、いろいろな意味合いを含んだ面白いシーンである。

観客は「ボレロ」を何回も聞いているクラシック通なのか、あるいはその逆か。
この様なところにも、「オタク」が仕掛けそうなちょっとした推理ゲームが見え隠れする。

さてつらつらと書いてしまったが、
小生はこのストーリーで「ボレロ」が伏線のひとつになっていることを知ったとき、あることを思っていた。
それはこの・・・(踊る太捜査線をも含めた)音楽担当は、相当な「ラヴェル」の、あるいは「ボレロ」好きなこと。
果たしてそのアイディアをだし、それをやらせたのは、あるいは、やってのけたのは、制作スタッフのうちの誰なのかということであった。

ウイキで調べると候補はすぐに判明
製作(エグゼクティブ・プロデューサー):亀山千広 、監督:本広克行、原案:君塚良一 、脚本:十川誠志 、音楽:松本晃彦
以上の5人の人物の誰かであろうことがわかった。

一番怪しいのは、やはり音楽担当の「松本晃彦」 で、この男は、ラヴェルの「ボレロ」の「第2メロディー」を「踊る太捜査線」の所々に出てくる挿入メロディとして・・・若干の変化をつけてはいるが、明らかに、しかも意識して真似たと思われ音型を用いているのである。

「移動ド」で示すと「ドッ・シ・ラ・ドー」と、ところどころで繰り返して挿入されるメロディーは、明らか「ボレロ」の「第2メロディー」・・・「ボレロ」で最初に出てくるのは「ファゴット」によって奏される第1メロディーより暗い感じのもの、一度で覚えられるくらいおなじみのものであるから聞いた人ならすぐにピンと来るはずである。

その「ボレロ」がコンサートの「トリ」で使われ、コンサートのキャッチが「ボレロを聴いてすごすクリスマスイヴ」だから思わず笑いがこみ上げてくる。
さらに重要なストーリーの伏線である「335.2」とペアになっているのだから、・・・・

こんな大胆不敵なことを仕掛けた人物を特定し、犯人を検挙せねばならない。

第1容疑者は、やはり音楽担当の「松本晃彦」である。しかし彼が単独でこのアイディアを出したかというと、疑わしいものがあり、彼はやはり誰かの指示で実際に動いた「実行犯」だろう。

次に疑わしいのは、脚本の「十川誠志」(そごまさし)と読む珍しい名前だ、アニメ作品の脚本を主に手がけ、今までに有名どこでは、ポケットモンスター(脚本) 学校の怪談(脚本) ショムニ(脚本) などを手がけたという、しかし彼からは「ボレロ」の発想は見えてこない。

さらに、監督「本広克行 」は、うどんが好きで映画「UDON]を製作したという、いわば「オタク」の若者である。デジタル技術の信奉者で、今後一切「フィルム」を使用しないという信念の持ち主だから、まさに時代の兆児である。

富野 由悠季、押井守、庵野秀明をリスペクトしたというから、「ガンダム」「機動警察パトレイバー」「新世紀エヴァンゲリオン」オタクでもあったと思われる。
そういえば、小生の息子が「エヴァンゲリオン」に夢中だったころ、突然「ヘンデル」の「メサイア」はある?とか「ツァラトウストラ」、「ベト9」など矢継ぎ早に、・・・今までピアノでは、クラシック作品を練習してはいたが、それ以外にまったく興味の無かったはずなのだが・・・音盤を探しに音楽部屋に来たことがあった。

後にそれが、庵野秀明の「新世紀エヴァンゲリオン」の影響と知ることになったのである。
なるほど、彼の中には、「創世記、原始キリスト教」などの古代文明・文化、宗教、が
ちりばめられていて、アニメの中にはクラシック音楽が多く使われている。
「死海文書」は、小生も興味がわいたものだった。

「公証人・・・・」は、「オタク」がハイライトされている作品だということもでき、この「オタク」監督「本広克行」が、「ボレロ」仕掛けの、真犯人の可能性が高い。
「機動戦士ガンダム」「新世紀エヴァンゲリオン」、「機動警察パトレイバー」によって「オタク」的影響を強く受けた「本広」なら、それらからの感性を、この「公証人・・・」で組み立てなおしたと、推測するに外れはしないだろう。

「本広」は、「ボレロ」のアイディアをスタッフに持ちかけ、脚本、音楽、プロデュース、書く担当了解の下で、この物語に、自分の・・・若き日々に夢中になったアニメ作品の作者へのオマージュとして、「踊る大捜査線」に埋め込まれた「ボレロ」第2メロディーの本家帰りとして「ボレロ」そのものをたくみに使用した・・・・と、小生は見るのである。

ここに「本広」が先輩諸氏から学んだ「オタク」・・・・「類まれなるオタクでしか解けない謎掛け」が存在しているように思えるのであった。

往年の名演奏といわれる2つを聞いた。

「エルネスト・アンセルメ」と「スイス・ロマンド管弦楽団」・・・小細工を弄しない・・・・ラヴェルが好んだであろう演奏の典型のような色彩美あふれる演奏。
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終曲の「シンバル」の音に象徴されるように、ダイナミックで派手で、情熱のこもる演奏。「シャルル・ミンシュ」と「パリ音楽院管弦楽団」の技術も素晴らしい演奏。
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by noanoa1970 | 2006-10-16 10:44 | ボレロ | Comments(2)

ブリテン諸島の近代音楽

「序奏とアレグロ」という表題の音楽は、すぐに思いつくものだけでも3つある。
山田耕筰の曲と類似した旋律があり、「赤とんぼ騒動」でもおなじみの、先のブロフでも取り上げた、「シューマン」のピアノ協奏曲。
そして「ラヴェル」の美しいハープが活躍する曲、そして今日取り上げる「エルガー」の曲が、思いつくだけでもある。

小生だけかもしれないが、いずれの曲も「序奏とアレグロ」などという音楽用語の表題にしておくにはもったいない気がするものばかりで、特に「エルガー」のそれは、ブリテン諸島・・・スコットランド地方の伝統歌をその中の主題に使用した少々難解なところがあるが、美しい曲である。

エルガーの作品には「表題つき」のものが多く、小生はその表題も気に入ることが多いのだが、あえてこの曲に「文学的表題」をつけなかった「エルガー」の思いは何であったのかを想像することは、この(美しくも、急にはなじみづらいこの曲を聴くたびに、頭に描いてしまうことでも有る。

「スコットランドの民謡をモチーフにした新しき歌」と言ってもおかしくは無いように、この曲には「伝統と現代」の要素がちりばめられていて、それがめまぐるしく変化成長し、そうかと思うと、「昔」に戻る。
バロック音楽のコンチェルトグロッソ風なところがあるかと思うと、レスピーキの「古代舞曲とアリア
・・・」゙やバーバーの「アダージョ」風なところを感じることができる。
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しかしそれらはすぐにブリテンの伝統歌らしき旋律線と、それにつけられた和声によって打ち消され、「牧歌」が聞こえる。
それで・・・聞くほうが安心してその「牧歌」に身をうゆだねようとする、その瞬間に「牧歌」は再び素早いリズムとともに、遠くに追いやられ、遠くから懐かしむように伝統歌らしき主題が奏されるがその主題の処理は昔のそれではなく、リズムも速度も前と異なっていて、早足で駆け抜けていくようだ。

「エルガー」はこの曲で、失われていきつつある「昔の夢」と、意識して持とうとした「近未来への夢」を託し、表現しようとしたのであろうか。
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弦楽合奏の中に弦楽四重奏をハイライトさせるという手法は、「過去と現在、昔と近未来」の対比の意味を持つのであろうか。

アンドリュー・デイビスとBBC交響楽団
エイドリアン・リーバーとカペラ・イストロポリターナ・・・NAXOS
NAXOS盤は大健闘、パートの音が明晰な録音のよさも特筆。デイビス盤は、やや緻密さにかけるのが残念であったが、さすがに変化するリズム処理の腕はすごいものがある。。
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by noanoa1970 | 2006-10-15 10:54 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(1)

木犀

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我が家の「銀木犀」。
植えてから5年たって、はじめてたくさんの花を付けた。
「金木犀」に比べると、香りが穏やかなような気がする。
花の色もこちらのほうが、この季節にあっているように思う。
「夜のにおい」に混じって、ほのかな香りがどこからと無く漂う。
「淺川マキ」の「夕凪の時刻」の「夜のにおい」は、・・・どんな香りがしたのだろう。
「香り」ではなく「気配」を、においと言ったのだろうか。
曲調からはそのような気がする。
しかし、夕立が降った後の土のにおい、春の宵、桜のにおいなど、季節のにおいは、やはりよいものだ。

木犀の香に あけたての障子かな [虚子]
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by noanoa1970 | 2006-10-14 13:56 | 季節の栞 | Comments(1)

ブリテン諸島の近代音楽

サミュエル・コールリッジ・テイラーという作曲家は、イギリスでは始めての黒人の血が入った音楽家である。小生はそのことをまったく知らなかったが、彼の「アフリカ民謡による交響的変奏曲op63」を聞いていて、なぜアフリカ?と疑問に思ったので調べると、彼の出自が明らかになった。
なるほどそうだったか、しかし小生の好みの、「バラードイ短調op33」を聞く限りにおいては、まったくそのような生い立ちが有ることなど感じさせなかった。

フランスにも黒人の血を引く作曲家「ジョゼフ・ブローニュ・サン=ジョルジュ」がモーツァルトと同時代に存在して、その音楽を古いレコードで聞いたことは、以前のブログでも書いたが、、イギリスにおいても、時代は新しくなるが、そのような音楽家がいたことは非常に喜ばしく、そしてその音楽に興味がわいてくる。
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本日は
「バラードイ短調op33」を聞くことにする。
ブリテン諸島の、いずれかの地に生まれた、音楽家の作品とばかり思って聞いていたが、この曲はそれほどまでに「黒人の血」を感じさせない。
小生はこの曲の主題らしき旋律に、アイルランドの伝統歌「素早き戦士」をみることができた。
この「素早き戦士」は、アイルランドの伝統歌の伝道者として、世界的に有名な「チーフ・タンズ」のアルバム「ロング・ブラック・ベール」で、「ポリス」の「スティング」が古代アイルランド語で歌う。勇ましいアイルランドの兵士を歌ったもので、恐らくくは、戦士が戦場に向かうときの、「行進曲」であろう。

余談であるが、「ロング・ブラック・ベール」とは、おそらく「婦人の喪服」を指しているものと思われ、ローリング・ストーンズの「ミック・ジャガー」によってアルバムの中で歌われる「バラッド」は、夫以外の男を愛した女が、夫を殺害する。そして愛した男が死んだ後にも、「ロング・ブラック・ベール」を身に付け、墓の中の男に会うために、夜な夜な男の墓を訪れる・・という「ほかの男を愛した女の夫殺人」の実話を歌ったもの。
小生は、このアルバム以前に「ザ・バンド」の「レヴォン・ヘルム」が歌っているのを覚えていたが、これも素晴らしい演奏。
ドラムをたたきながらの彼の声は、おどろおどろした詩の内容ピッタリである。

この伝統歌を「テイラー」は編曲して使ったものと小生は推測している。
その性であろうか、この曲の中間部までは、勇ましい曲調で突き進む。去年の暮れ、TVがスペシャル番組ばかりとなった時期に、有るTV曲のクイズ番組の合図に、この曲の冒頭が突然鳴り響いたのには少々ビックリした。
しかしまだまだ作者も曲も無名に近い。
中間部は勇ましさが消えて「牧歌的」な局長となる、このオーケストレーションは、アルバート・ウィリアム・ケテルビー(Albert William Ketèlbey, 1875年 - 1959年にそっくりのところが有る。テイラーは、1875ー1912、若くしてなくなっているしケテルビーの有名作品は彼の死後のものだから、参考にしたのはケテルビーなのかもしれない。

簿家的な中間部を過ぎると再びあの「素早き戦士」の編曲らしき、勇ましい音楽となって終わる。12分ほどの曲だが中身は濃いものがあり、小生は好きである。
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by noanoa1970 | 2006-10-12 09:00 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(0)

愛用の機器とのお別れ

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三菱R-35=2S-305と、トライオードの真空管アンプを、手放すことになった。
JAZZを聞くためのSPとしてYAMAHA1000とともに愛用してきたのだが、メインのQUAD・・・ESL-63が陣取る位置から追いやられ、音響環境があまりよくない窓側に設置せざるを得なかったから、その性能が十分発揮できなかったことと、正面のYAMAHA1000が、アンプのおかげでオールマイティなSPに変身したので、三菱がこのところ遊んでいたこともあって、このSPを探していた方にお譲りすることにした。
サクラのつき板で丁寧に作られた「ラウンドバッフル」は今も光と艶を失っていない。

おと年の暮れ、QUADが入院しているときに、正面定位置に設置した2S-305で、「ペーター・マークとパドヴァ・ヴェネト」の「べト9」を聞いて、久しぶりの大感激、音楽もさることながら、三菱のSPの音に惚れ直したのだが、QUADが帰ってきて、やむなく部屋の背面窓際に置き直してからは、やはりあのときの音は再現しない。
それで、ここ1年ほど、もっぱらQUADとYAMAHAで聞いていたから、非常にもったいないことをしていた。

だからこのSPをかわいがってくれそうな人に譲ることにしたわけである。
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このSPを鳴らすために、後に入手した「トライオードVPN-3000」・・・これは真空管アンプで、300Bをシングルプッシュで使用する優れもの。
出力は低いが、もちろん純A級だから特性は非常によく、能率の高いSPをドライブするのには十分だから、2S-305に専用でこのアンプを使った。
ほぼ新品で入手したもので、小生は30時間使用しただけだから、エージングが必要な段階である

夜中に照明を落として、アンプを見ると真空管の光がなんとも言えない雰囲気を出し、スムーズな音を出すかのような心地にさせてくれる。
味気のないソリッドアンプにはないメリットである。

小生はこのSPを追い込んで鳴らしてはいなかったが、今度のオーナーは多分やってくれることと思っている。
細かいことは後回しにして、まず自分の部屋の環境や音響特性を知ることが肝心かと思う。
オーディオチェック用CDで、自分の部屋の音響特性・・・フラッターエコーやどの音域で激しくフラットさが損なわれるのかなど、(神経質にならないよう)簡単に調査した上でオーディオのセッティングや機器類の変更を実施しないと、獣道に入ってしまうことになる。

小生も40年オーディオに触れてきたが、最終的に部屋をいじってからというもの、大きな音響装置の変更はなくなった。
部屋を気にしないでよい音を求めようとしても、それは無理。
・・・・転勤族は困難だが、自宅の人はできれば部屋にまずお金をかけるべきだ。
自作派は別として、たいていの「ステレオサウンド」などの読者層で、オーディオ暦20年以上あたりの人は、音響装置をアレコレ取り替えて・・・おそらく300~500万くらいはお金がかかっているのではないだろうか。
部屋の改造という投資で、満足の音が得られるのではないかと、小生は思っている。

ただし音響関係の雑誌では、それに言及すると、オーディオ機器の売り上げに響くから誰もストレートに言及しないのだろう。
現在のことは知らないのだが、少し昔、SPコード、信号ケーブル、それらオーディオ機器の「周辺機器」へのこだわりがはやって、SPコードが1M1万円などというものまで出たり、電源が大切といって、テーブルタップ、それどころかコンセントにまでこだわりが及んだりしたことが有る。
確かに電源は、深夜周囲の電力消費や雑音を立てる機器類が眠ったとき・・・これもそんなに数多く体験はしていないが・・・SPの音がそのとき「すべてにわたって」よくなった経験は有るが、いまや電源そのものが汚れていて、周りは電磁波だらけ。
細かいことを言えば、携帯電話だって音の邪魔だ。
だから部屋の環境・・・防音はもちろん電磁波を防御するようなものを壁の間に張る必要も生じてくるが、そこまでしなくとも、簡易防音と、音響特性・・・特定の周波数域でのピーク、ディップが少なくなるようにだけ注意市、調整をすればいいと思う。

小生の部屋には、やむを得ずPCが4台設置して有るし、各種モデム、ルーター、PRT, SCYANにはいつも電源が入っているので、あまりよくないのだが、それでもたいていの部屋よりは、音響特性が言いのだろう、SPの設置場所によって変わるものの、聞くに堪えないほど悪い音はしない。

部屋の音響特性は、慣れてくると部屋のアチコチでパンパンと手を売り鳴らすだけでわかるようになってくる。
小生はこの40年の間にどこに行ってもこの癖が出てしまって、家内からよく笑われる。
ここ数年、やっとこの変な癖が直ってきたようだ。
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by noanoa1970 | 2006-10-11 16:16 | 音響装置 | Comments(1)

ブリテン諸島の近代音楽

d0063263_12511973.jpg「チャールズ・ウィルフレッド・オール」(1893-1976)の「コッツウォルド丘陵の民謡」を聞いた。「オール」と言う作曲家は初めてなのだが、「コッツウォルド」と言う名は聞き覚えが有る。
話ではイギリス随一の・・・もはや観光地として名高く、

ウキペディアによれば、
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大ヒット映画「ハリー・ポッター 」
「ピーターラビット」の作者、「ビアトリクス・ポター」
「エマ」で有名な「ジェーン・オースティン」
歴史的に有名な名宰相「ウィンストン・チャーチル」
そして交響曲ヘ長調op.8「コッツウォルド丘陵」と言う、「オール」と同名の曲が有る、冥王星が惑星からはずれて、ホットしているであろう「惑星」の作曲家「グスタフ・ホルスト」
「アール・ヌーヴォー」の元祖とも言うべき「アート&クラフツ運動」の指導者「ウィリアム・モリス 」

彼らを生み出した地であるともいう。
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「蜂蜜色」・・・「ライムストン」の石造りの家と、自然、古くは羊毛の産地として栄えた古い町でイギリスの・・・「ブリティッシュ・カントリー」の代名詞とされるから、観光客も多いらしい。d0063263_12441831.jpg
残念なことに、小生は訪問したことはない。
アイルランドとともにぜひとも死ぬまでに行っておきたい場所である。

音楽は
「牧歌」風な伝統歌をモチーフにしたと思われる耳になじむもので、イギリスのカントリーの「牧草地」をも思わせるような、起伏は有るが、それがなだらかで小高い丘をあがって行くと、そのさらに向こうに牧草地が広がって、小川が流れ、羊が群れをなしている。

鈍色の太陽の光があたりを、やわらかい風とともに包んでいて、仕事に少し疲れた牧童たちが、木陰に体を横たえながら、談笑したり、お茶とクッキーで、軽いブランチを楽しむ・・・・そんな光景が目に浮かぶようだ。

何も目新しい手法を用いることなく、素直に沸いてきた曲想を、そのまま音楽に仕立てた・・・そんな音楽。
ブリテン諸島の近代音楽の中には、このような作風の人が特徴的、何かの理由があると思うのだが、それはまだわからないままである。
個性的ではないが、非常に「イギリス的」と、言うしか今のところない。
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by noanoa1970 | 2006-10-10 12:53 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(0)