2005年 06月 12日 ( 2 )

DRAC日本音楽Gでの体験-Ⅰ

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DRACでの研究活動が始まって最初に聴いたのがこの録音。外山雄三さんの「ラプソディ」「子守歌」小山清茂さんの「管弦楽の為の木挽き歌」、そして尾高尚忠さんの「フルート協奏曲」が録音されているものである。・・・・「伝統」とは何であるか・・・との議論の末に、グループ全員でこのレコードを聞いた。N響の演奏、指揮者は岩城宏之さん、フルートは「吉田雅夫」さんである。
解説を読んでも確かなことは分からないが、聞いたのは1967年のことであるから、このLPの録音はそれ以前のことである。
1枚のアルバムなのに、化粧箱入りという珍しいレコードで、「キング」レコードの力の入り方が思われる。またキング=ロンドン=DECCAは、ケルテスの「青髭侯の城」でも豪華化粧箱入りで1枚のLPを発売したから、こだわっていた担当が当時いたのだろう。今なら考えられない付加価値のつけ方だ。
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d0063263_11432634.jpg写真は「青髭公の城」に出演した、若きクリスタ・ルートヴィッヒと指揮者兼監督のケルテスである。

今ではもうなんともないことなのであるが、当時「ラプソディ」を聴いたときに思ったことは、「チョット恥ずかしげで、なんとなくむずがゆい、妙に落ちつかなくそわそわする・・・・そんな感想を持ったので、聞いてみると、ほとんどの部員・・・といっても全部で6人しかいなかったのだが・・・同じような感想を持ったとのこと。この曲が本当に好きになったのはそれから30年時を隔ててからのことであった。

しかしそんな中、尾高さんの「フルート協奏曲」・・・・ちょっとドップラーのハンガリア田園幻想曲に似てはいるが、2楽章の展開部の美しいメロディには激しく魂を揺さぶられてしまった。

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上のジャケットは「ランパル」の録音が出るのを待ち望んで入手したLP、これも良かったが今ではやはり「吉田」サンの方をより好んでいる。
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by noanoa1970 | 2005-06-12 18:59 | DRAC興亡史 | Comments(0)

新郎の父の挨拶

「結婚式の音楽」「生まれて初めての体験」では、小津監督が「彼岸花」の中で言わせた言葉を引用することを思いついた・・・ということを書いた。そして父親の挨拶でそれを使うことになったのだが、欲張りの小生、無論それだけでは物足りない。そこで、挨拶の内容と関連する物を何か加えたいと考えた。「結婚行進曲と運命」の話では座がしらけてしまうし、かといって並みのことはやりたくない。
そうだ最後に父親からのプレゼントとして何か音楽を贈ろう・・・・そう心に決めた。
やはり「生」がいいかと思い,ひそかにギターの練習をしてみたが、他人に聞かせるほど上達しない。
そこで仕方なく音盤に登場願うことにした。
挨拶の時間は、何回も推敲し縮めて約5分・・・・これでも長いと司会者に言われたので、もっと短くしてくれと息子が意ってきたが小生はそれをガンとしてはねつけ、さらに「取って置きの音楽を流す」から、合計10分くれと、強行に言った。

すると、そんな「長い父親の挨拶は、いまだかって経験したことがなく、来客に迷惑になるからおやめなさい」・・・・というようなことを息子を通じて言ってきた。

小生は再度これを突っぱね、結局7分いただけることで歩み寄った。
さて何を流しても長くなるのは目に見えていたが、少し拘りをもって選曲にかかった。

2・3分の曲・・やはりクラシックは無理、アレコレ考えてその曲の中の「歌詞」が昔から気に入っていたものを引っ張り出した。

それは「加川 良」という男が1970年のはじめごろ歌っていた曲で題名を「流行歌」という。
当時の流行歌の音楽シーンは「愛だ」「恋だ」「好きだ嫌いだ」「失恋だ」「悲しいだ」そんなものが反乱している時代だった。・・・もちろんそれは今でも連綿と続いているのだが・・・・
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加川良の歌は、アンチ「流行歌」とでもいうような内容で、その歌詞に実存的なものを当時感じていてとても好きであった。
「流行歌」はアルバム「ヤァー」と「HOBOS」コンサートの中に収めれれている。使用したのはコンサートライヴのほうである。

最後のフレーズ・・・「君は君のことが好きでありますように・・・僕は僕のことが好きでありますように・・・・」そうなのです自分が好きになれない人間は他人を絶対好きになれないのです。
間奏から流し、2分でギリギリ収録することが出来やっとこの曲、結婚する若者に送る曲となったわけである。

加川自身もこの曲をコンサート会場などのお客さんにおめでたいこと・・・誕生日、結婚などがあると良く歌っていた、ということを何かで読んだことがあるから、まんざら、お門違いでもなかろう。

出席していただいたお客様の中に、d0063263_1804042.jpg加川良、ましてこの曲を知っている人はいないと確信していたが、お客様見送りのとき、見知らぬご夫妻=新婦の親戚だろう・・・から「感激でした、良さん大好きです、それにおかけになった曲の歌詞・・・その通りだと思います」・・・と、思いがけない反応があった。世の中そう捨てたものじゃないと改めて感じ入った次第であった。右上は「下宿屋」が収録されている「親愛なるQに捧ぐ」
録音のときのマグテープをジャケットデザインに使用している。

当の新郎新婦にはあまり受けなかったようなので、目論見は「失敗」ということでしたが・・・・
その時のことを思い出してくれる日がいずれ来ることを信じてやまないのである。
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by noanoa1970 | 2005-06-12 09:34 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(0)