ブラインドテスト・・・8

本日聴いた、モーツァルトのピアノ協奏曲21番は、1楽章のカデンツァで、すぐに過去に聴いたものと判明した。

従って、「ブラインドテスト」としては、成立してないことをお断りしておく。

シュナーベルのピアノ、マルコム・サージェント/ロンドン交響楽団の演奏だ。

小生はかつて、コンヴィチュニーとギレリスの同曲の演奏をとりあげたとき、シュナーベルのカデンツァを、「まるでJAZZのようだ」と評したが、これは独特・・・恐らくシュナーベルオリジナルのカデンツァであろう。

少しぶっきらぼう気味に始まる1楽章は、シュナーベルのハッキリしたタッチのピアノと、よくマッチし、凄く客観的なモーツァルトとなっている。

速いテンポと、少し突っかかるようなバックが、ピアニストを気遣いなしに付き進むので、ピアノとオケのバランスはあまり良くないが、それでも大枠の方向性は同じような感じであるから、音楽としては成立している。

サージェントはこのような芸風の指揮者ではなかったように思うが・・・
シュナーベルに無理に合わせたのだろうか。

ところどころでかける、軽いポルタメントは、シュナーベルとは根本的には地はうのではないか・・・という気がしないでもない。

しかし、シュナーベルの、非モーツァルト的なカデンツァには、いつも驚かされてしまい、モーツァルトの向こうに・・・ベートーヴェンを思わせるような、仕上げとなっているように聞こえてしまう。

カデンツァに驚くことはあっても、小生が多少の違和感をどうしても持ってしまうのは、長いこと聴いてきた数種類のカデンツァの音に、慣れてしまっていた証拠でもあろう。

ベートーヴェンの最後期ソナタには、JAZZ的要素があると、小生はかねてから思っているが、シュナーベルのカデンツァに、そういうところを見たのかもしれない。

問題の、というか期待の2楽章。
以外にもシュナーベルの割には、情感タップリに演奏している。

シュナーベルのピアノは、客観的・・・ザッハリッヒと言う言葉で括られてしまうが、それは少し乱暴であることの証明のように、サージェントの、微妙なポルタメントを付けながらのバックに呼応し、優しく美しい音楽を作っている。

終楽章になると、また元に戻り、快活で素早い、そして明るいモーツァルトになる。

急緩急もしくは、明薄明、動静動というような、少し単純に思えるメリハリが強調されていて、21番演奏のスタイルの一翼ともなった・・・後継者たちにかなり多くの影響を与えた演奏の1つなのであろう。

既に聴き覚えがある録音だから、簡単に済ますつもりが、少し長くなったので、このあたりで・・・
[PR]

by noanoa1970 | 2009-07-18 11:40 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(0)