ブラインドテスト・・・7

いきなりホルンがひっくり返る音で始まる、ブルックナーの4番の交響曲、俗に「ロマンティーク」と呼ばれている曲が始まった。

ブルックナーの交響曲は、管楽器が活躍する曲が多いが、中でも4番はホルンが冒頭から活躍する。
このホルンの演奏そのもので、この曲の生命が決まるといっても過言ではない。

本日聴くことになった録音演奏では、大事なホルンの演奏が随所でひっくり返ったり、最初の音が出ないため、スー・ボアーというように聞こえる個所がいくつかある。

ホルンは管楽器の中で特に難しい楽器だから、音がひっくり返ることは致し方ないから、指揮者もそれを咎めることはないようであるが、それでも、あまりにも多すぎる。

ただこのオケのホルン奏者が、伝統的なウイーン式ホルンを使用しているとするなら、話は少し変わってくる。

ウイーン式ホルンは、特に演奏が困難な楽器で、その芳醇な音に反し、演奏が難しいとされるからである。

録音状態があまり良くないので、ホルンの音色から判断することは適切でないが、もしウーイ式ホルンであれば、このオケは、ウイーン交響楽団か、ウイーンフィルハーモニー管弦楽団のいずれかであるのだと考えられる。

演奏はアゴーギグにかなり富んでいて、独特のスタッカート処理が随所にみられるもの。

長大でしつこく、一気に通しで聴くことがためらわれるこの曲を、テンポ、強弱を揺り動かし・・・・リズム感あるが、歌いどころはテンオポを落として歌いあげるといった、変化点の多さによって、飽きさせないような工夫が見える演奏だ。

ホルンのスベリ以外は、管も弦もかなりしっかりしたオケで、ティンパニーがほとんど弱音なのは、録音によるものか、演奏者によるものか、ハッキリしないのだが、もう少し強烈さが欲しかった。

この曲における、優美さと壮大感の両極・・・3楽章と4楽章の対比がよく出ているようだ。
4楽章のシンバルやティンパニーが弱音なのは、この演奏の版の違いなのかもしれない。

最近はコンヴィチュニー盤をよく聴くが、冗長度を感じるか否かでは、こちらの演奏のほうに冗長度の少なさの軍配を上げることになる。

コンヴィチュニー盤は、ジックリ構えて・・・心してから聴く以外には、とても通しで聴くことができないが、本録音ではそういうことが無かった。(だから演奏が良いとは限らないのだが)

音量を上げ気味にして再び聴くと、なかなかの演奏で、ことに終楽章は、この指揮者の真骨頂といってもよい特徴が現れる。

テンポリズム、強弱を含むアゴーギブの目まぐるしいダイナミックな変化は、決してコンヴィチュニーには見られなかったもの。(コンヴィチュニーには、リタルランドは見られるが)

聴いていて面白く2回続けて聞いても、飽きが来なかった…変な言い方だが、チョイ聴きのブルックナーとして、通用してしまう演奏だった。

ただこの演奏を、繰り返し聴くかと言われれば、否定的な答えになってしまう。
これはこの演奏に限らず、ブルックナー全体に言えることなのかもしれないが・・・・

このような演奏の指揮者が好きなブルックナーファンは、多分多いことだろう。

オケは、ウイーンフィル、あるいはそうでなければ、ベルリンフィルと推測したが結果はいかがだろうか。

指揮者もある程度は推測でき、小生所有のブルックナー指揮者、あるいはワーグナー指揮者として知られる人物の特徴によく似ているが、書くと外れるから、あえて書かないでおくことにした。

種明
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クナッパーブッシュ・・・後になって、予想通りと書くのなら誰にでもできることだから、この表現は使わない。
しかもウイーンフィルであれば、小生所有の音盤がそうだから、聴き分けできたはず。
実際は1944年、ベルリンフィルとの録音だ。

やはり初聴きの録音演奏録音を、断定することは難しいものだ。
その場で聴きながら比較・・・相対的に判断することもかなり難しい。
ただしあらかじめ、テストする演奏者がわかっていての比較であれば、推量がある程度可能なのは、推測の幅が驚嘆に維持まり、少なくても特徴が1つでも当てはまるそれだけで、断定可能なことは、どの業界でも共通するのだろう。

1944年というと、世界大戦末期、ドイツはすでに敗戦を迎える年でもあった。
にもかかわらず、このような録音が可能だったとは、別の意味でも驚くこと。
この演奏には、そんな戦争の精神的な影響はみじんもなく、ただ音楽をあるがままに演奏している。
・・・そんな雰囲気も感じられる。

クナは、やはり怪物なのか。
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by noanoa1970 | 2009-07-17 11:40 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(0)