ブラインドテスト・・・3

なんとまたもや名曲に当たってしまった。
このCDセットは、ほとんどがSP時代の録音の復刻だ。
音質は極端で、聞き苦しいものから、LP録音とさして変わらないものまで幅広い。

本日はベートーヴェンの「エロイカ」が;聞こえてきた。
不覚にも、最初聞いたときには、3楽章でどうも眠ったらしく、気が付いたら4楽章が始まっていた。
だから都合3回聴くことになった。

最近入手したヨゼフ・クリップスかと思ったぐらい端正な音楽だ。
全体的にやや早めのテンポで音楽を進めている。

コーダのトゥッティの部分で、弦が引き下ろされるところの最後の音がやや引き上げ気味に聞こえるのは、この指揮者の特徴だ、もしオケの奏法であれば、ウイーンフィルハーモニー管弦楽団の伝統技かもしれない。

オーケストラは、かなり上手である。

最初と最後の音符を強調する癖があり、これはやはり指揮者の培ってきた方言だろう。
19世紀を引きずっているのかもしれない。

よく聞くと、かなり細かくテンポを揺らしている。
しかしそれが「良い塩梅」にとどまっているから、嫌味がなく、時には淡々と、時には枯淡という文字を感じさせるようなところがある。

ノイエザッハリッヒカイトの洗礼を受けたものの、決してそれにこだわることなく、ロマン主義的自由裁量部分を少し加味した、マエストロというよりマスター的な指揮者であるかもしれない。

こういう演奏は繰り返し聴くことに応えうる演奏で、小生は気に入っていて、3度目にはどこかしら気品・・・・ウイーン的気質のようなものを感じてしまった。

美術や建築でたとえれば、アールヌーヴォーとアールデコが同居するような、それでいて音楽が破たんをきたさずに、それどころか生き生きとした感じを与えてくれる。

こういうスタイルの・・・一筋縄では語れない・・・演奏は、恐らくコアなファンからは好まれるに違いない。

種明
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なんとシューリヒトとベルリンフィルの演奏でした。
ウイーン風と感じたのはどうも・・・でも、コーダの部分のダンダンダン・・・は、やはり少しはね上げているように聞こえる。

シューリヒトは1880年生まれだから、この演奏は彼が57歳の時のものだ。
音楽が少し枯れていても不思議はないのかもしれない。
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by noanoa1970 | 2009-07-13 10:28 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(0)