誤用
インターネット上でよく見受けられる言葉。
何かを質問し教えを請う言葉として「御教授ください」と、必ずと言っていいほど使われている。
少し考えただけでも「教授」とは教える側からの言葉・・・大学の先生などが「教えること」であることはわかるはず。
これは「ご教示ください」というのが正しいと思うのだが、なぜかこの言葉を使っている人は、ほんの少数しか見当たらない。
「日本語の乱れ」とよく言うし、意味がそれだけでは不明で、ある特定集団の中だけで通用するような言葉も最近は富に多い。
小生はその時代によって変化する言葉の特質は十分認めるが、しかしその意味性を大いに犠牲にした言葉の使い方にはどうしても賛成しかねるし、そのような言葉を平気で・・・何気なく使ってしまう、その感覚と感性の無さに、どうしてもそういう人の人格や体質を嗅ぎ取ってしまう。
そのメジャメントの最たるものは、「◎◎せざるを得ない」という時の「を得ない」である。
これを「おえない」「終えない」という発音をする人だ。
このような使い方をする人は、結構多い。
報道関係従事者に存在するのを発見し、驚くとともに、その人物の教養性を疑ってしまう結果となった。
話は少し変わるが、小生の大嫌いな言葉で最近目立つのは「ガッツリ」。
ガッツリ食べるぞ…などに代表されるように、たくさんお腹いっぱいの意味があり、また形容詞的に十分、思う存分などの意味でも使われているようだ。
大昔の昼のTV番組で「ガッチリ買いましょう」というものがあって、3・5・7万円の3つの買い物コースがあり、各々がその金額で一定時間内で買い物をし、その金額に1番近い人が、購入した商品を獲得出来るるというゲーム番組であった。
その時の出場者の、血走った眼と顔の印象が忘れられない。
また「ガツガツ食べないで・・・」とは小さい時によく言われた言葉であった。
だから小生は「ガッツリ」という言葉を聞くと、卑しい感じのほうが先に立ってしまい、この言葉を女性が使おうものなら、寒ぼろが立ってしまうほどなのだ。
もう1つ、なぜかわからないのだが、近年「ほっこり」という言葉を、やたら耳にすることが多くなってきた。
「ほっこりする」とよく使われているようだが、今やこの京言葉は、全国区で使われている節がある。
小生は学生時代を過ごした京都の・・・しかも生粋の京都人が使うのを聴いて覚えたのだが、それは「今日はほっこりした」というように、少し疲れて軽い疲労感があるという意味であった。
それが今では「ほんわかした」「いい気分になる」などに転用されている。
これではまるで「はんなり」という言葉と同じ意味でつかわれてしまっていて、元来の京言葉~葉程遠くなってしまった。
そのことは特段どうということは無いが、上の言葉を関東弁の発音でやられた日には、思わずぞっとしてしまうのだ。
「ほっこり」「はんなり」は、恐らく発祥の京都でさえ、本来の意味だけでない使用法がされているとは思うが、京都弁の語尾が下がる発音でこそ、その広い意味性に耐えられるが、関東弁の語尾がほんの少し上がる発音では、感覚的にその意味性は伝わってこなく、多分に抽象性を帯びたものに変化してしまう。
話を「教授と「教示」に戻すが、なぜそのような誤用がまかり通ってしまったのかというと、それは多分発音のまずさと聴力のまずさがその原因ではないだろうか。
誰かが「ご教示してください」=ゴキョウジシテクダサイといったのを「語教授してください」=ゴキョウジュシテクダサイと聞き間違えたのが、ネット上でカナ漢字変換の際「教授してください」に化けてしまった。
こういう話はよくあることで、小生も経験のあることだ。
耳からだけで文字から情報を入手しないと、こういう結果になりやすい。
子供のころにはかなりこのような間違いがあって、今では笑い話にもなるが、中にはつい最近まで、正しいものと思って平気で使っていたものもある。
経由・・・小生の場合はこの言葉「ケイユ」を、母親が「ケイユウ」と言っていたのをそのまま聴いていて、ワープロ時代になって「ケイユウ」と打ちこみ変換するが「経由」という文字が一向に出なかった経験がある。
多分「経由」の読み方を訪ねたとき、母親はそれは「ケイユ」・・ウと読む、そう言って、最後に「ウ」を入れて強調したのを「ケイユウ」と居覚えたことが原因だったのではないかと思う。
言葉は、そしてその使用においては、耳と目での確認をしておくことが必要とされるようだ。
by noanoa1970 | 2009-06-15 10:08 | トピックス | Comments(4)
オンラインゲームをやっているきみきといいます。
色々なサイトをみて勉強させていただいています。
もしよろしかったら相互リンクをお願いできないでしょうか?
よろしくお願いします^^
ただし、若干使い分けているところがあり、知識など、教えを請う場合は、「ご教授ください」。
相手に対して、情報を示してもらう場合、例えば都合のよい日時や待ち合わせ場所などを連絡してもらう際には、「ご教示ください」を使うようにしています。
最近、若手の派遣社員を指導することが多いのですが、彼らの文章力のなさにはびっくりさせられます。
先日も、客先での調査結果をメイルで報告して来た際に、「調査した結果、○○が原因であるというところまでかぎつけました」と書いてきたのです。
お笑いであれば、寒いなかでも、突っ込みをいれてやろうかというところですが、もちろん仕事のメイルです。
それで正しいと思っている(と思われる)ところが怖いです。
しかし世の中に使い分けをしている人は多くは無いようです。教えを請う場合はすべて「ご教示」でいいのではないでしょうか。「嗅ぎつける」というのはやはり社会人が仕事で使用すべきではない言葉でしょうね。「苦労して分かった」ということを言いたいあまりのことなんでしょうが・・・
「たどりつきました」なら良かったのに。