寺山修二はこれで・・・
西条八十の奇妙な詩「トミノの地獄」。
夢野久作の一連の作品に通じるところがある。
相互影響受け合っていたのだろうか?
夢野の「少女地獄」は、「嘘の無間地獄」に陥った女の奇妙な話である。
さらに噂によると、寺山修二という作家は、西条の件の詩を、声に出して読んだことから49歳の若さで亡くなったという。
もっとも以下の寺山の詩のように、西条のオマージュがたっぷりと塗り込められたものを作っているのだから、そんな都市伝説も生まれる。
西条+夢野=寺山であったともいえそうだ。
惜鳥椿
寺山修司
姉が血を吐く 妹が火吐く
謎の暗闇瓶を吐く
瓶の中身の三日月青く
指で触れば身も細る
ひとり地獄を彷徨うあなた
戸籍謄本盗まれて
血よりも紅き花ふりかざし
人の恨みをめじるしに
影をなくした天文学は
まっくらくらの家なき子
銀の羊と鶯つれて
わたしゃ死ぬまで後つける
by noanoa1970 | 2009-05-09 16:01 | 怖い話 | Comments(2)
いつの世も情念とか怪奇に惹かれる気持ちはあるのだと思います。