待てば海路の・・・・

小生が毎日のように見るWEBに、クラシック音楽CDネットオークションがある。

小生の愛好する音楽家フランツ・コンヴィチュニーの指揮する、まだ見入手の音盤があるかどうかをチェックするためだ。

今まで収集した彼の音盤で大概のものは入手済みなのだが、それでもいまだ未入手のものがある。

その昔海外で発売されETERNAのLPには、あいにく輸入されなかったもので貴重なものがまだある。

コンヴィチュニーは60歳という短命だったから、残された録音はそれほど多くは無いと思われるが、ワーグナー以降の・・・たとえばR・シュトラウスの「メタモルフォーゼン」を残している。
「ティル」以外の作品は未聴だからこれはぜひとも聴いてみたい録音の一つだ。

シューベルトの「グレート」交響曲は、ヨッフムとともに小生の好きな演奏の一つだが、「未完成」交響曲も残している。

シューベルトの暗黒面を、これでもかと引っぱり出しているムラヴィンスキーの演奏が今のところのお気に入りだが、コンヴィチュニーの「未完成」どんな演奏をしているのか大変気になるところである。

旧ソヴィエトに多くの旧東ドイツの音源が持ち去られたと聞くが、一昨年の「ギレリス」とのモーツァルト21番の協奏曲以外はまだ世の中に出てない。(ショスタコーヴィッチの10番11番がそうかもしれないが)

ご存知の方はあまりおられないと思うが、コンヴィチュニーは晩年、手兵ゲヴァントハウス管弦楽団もさることながら、チェコフィルとの演奏を盛んに行ったようである。

彼の最後は、チェコフィルとのベートーヴェンのミサソレムニスの練習中のことであったと聞く。

そんなコンヴィチュニーは、1961年(だと思う)残された唯一のであろう録音、バンベルク交響楽団と演奏したのがドヴォルザークの「新世界より」であった。

生粋のドイツ人と思われるような演奏スタイルの彼だったが、やはり生まれ故郷モラヴィアの血は争えないようで、晩年のチェコフィルとの共演、そしてその時期政変でチェコフィル~何を逃れてバンベルク交響楽団に移籍したと伝えられる演奏者たちと彼が残した唯一のドヴォルザーク。

小生の「新世界」全曲初聴きは、フランツ・コンヴィチュニーとバンベルク交響楽団の演奏によるものだった。

このLPを一体何回聞いたことだろう。


クラシック音楽入り口時代の中学1年生の時、数少ない同好の士は、コンヴィチュニーという人の名前さえも知らないとき。

そのころ「新世界より」といえば、トスカニーニ、ワルター、ライナー、ターリッヒ、セル、ややおくれてカラヤンといった巨匠ばかり。

そして小生はというと、名は知られてないがコンヴィチュニーが一番だと、何も分からず、ただ皆に対抗する意識のままに突っ張っていたのだった。


こういうのを「刷り込み」というのだろうか、そんな気持ちで数を重ねて聴くたびに、小生のいわば「新世界」のリファーレンスとなってしまったようであった。

当時のLPはいまだ手元にあるが、針圧が10g以上は軽くあるステレオ装置のせいか、音盤は相当傷んでしまったし、なんとかもう少しよい音で聞きたいと思い、ETERNAオリジナル盤を中古ショップで探し出し、比較的傷が少ない国内盤と合わせて都合4枚所有することになった。

1990年代の初め、コロムビアから「コンヴィチュニーの芸術」と題されて10枚ほど彼の録音が発売され、その中に「新世界より」もあったのだが、LPで聴けば十分とあえて購入しなかった。

何れ欲しくなればその時に購入すれば・・・などと軽く考えていたことも、それを手伝った、がしかしそれからすぐに廃盤のようになってしまい、なかなか再発売されない。

そうなると気になって、ネットオークションをチェックしまくったがこのCD、恐らく購入者がごく少数のためか、あるいは熱烈なコンヴィチュニーファンがいて手放さないかで、なかなかオークションに登場しない。

今まで数回登場してその都度応札するのだが、ことごとく落札できなかった。
小生のそれまでの応札最高値は4000円だったから、落札者はそれ以上の応札価格を出したことになる。

やはり熱心な愛好者がいるものだと感心するとともに、残念な気持ちを味わい続けてきたのだった。

そんな中、コロムビアエンターテインメントが「オイロディスク・ヴィンテージ・シリーズ」という企画のもとに、懐かしの演奏家たちの音源をリマスターして発売する情報を入手した。

なんとそこには、ブルショルリ、パウムガルトナーといった通好みといわれる演奏家たちの録音が復活しているではないか。

このシリーズは現在第4回まで続いていて、それぞれ味わい深い演奏家たちが犇めいているから、オールドクラシックファンにはたまらない企画だ。

コンヴィチュニーの音源は、ほとんどがLP時代のETERNAそしてCD時代にはベルリンクラシックス(エーデル)そしてヴォイトブイリック、たまにウラニアがある。

しかし一部には「オイロオディスク」録音のものが存在し、「新世界より」も然りである。

だから小生去年の夏、コロムビアにメールでコンヴィチュニーの新世界の発売予定の湯無の問い合わせをしてみた。

すると回答があり、予定はあるが発売時期は未定、早くても来年(2009)となるでしょうとのこと。

過去2年・4回の発売時期をみると毎年4月か5月そして9月だから、もう発売予定についての詳細は決まっただろうと今年になってすぐにまたメールで問い合わせをすると、数日経ってからの返事では、まだ何も目途が立ってないので不明、コンヴィチュニーの件もわからないと冷たい返事が返ってきた。

去年の話と全く違うので一体どうなっているのか不安になりかけていたが、それでも愛好者の思いはいつも合理的、たぶん問い合わせた相手が確認しないで適当に返事をしたのだろうなどと思う一方、やはり4月になった今の今までそれらしき情報がないから、この企画自体販売が芳しくなく、途中でリタイヤーすることになったのか・・・などと思ってまたもネットオークションで探す日々が続いていたのだった。

つい先日滅多に出ないコンヴィチュニーの新世界がオークションに登場。
さっそく上限4500円・・・少し高いしひょっとすると今年中にリマスター発売になるかもしれない、そうなると1260円で購入できる、しかしもし発売されなかったら永久に入手できないかもしれない。
でもLPはあるから落札できなくても、発売されなくても、そのときは腹をくくろう・・・・・・
とばかりに応札した。

つい2週間前のこと、てっきり落札できたと思っていたが、結果はダメ。
なんとまだまだ熱心な愛好者がいるのかと、この音盤を限りなく愛好する一人として、残念というよりそれほどまでしてこの「新世界」を聴きたいと思っている人・・・ひょっとしたら「コンヴィチュニー」というより、「新世界」のコレクターなのかもしれないが、まぁそれは問わないことにしよう、世の中捨てたもんじゃないと逆に思ってしまった。

CDの「コンヴィチュニーの新世界」は、小生には縁がなかったと諦めかけて、昨日たまたま大手CDショップのコンヴィチュニーのCDカタログを見ると、TOPには先日首を長くして待った日比谷公会堂ライブのベートーヴェン第9があり、次を見ると「新世界」という文字が目に飛び込んだ。

まさか・・・
急いで確認すると、それはまさしく待望のバンベルク交響楽団との「新世界より」。
詳細はほとんど書かれてなく発売は6月24日予定としてだけあった。

何の前触れも情報もなく、突然カタログに乗るのもうれしいやら悲しいやら。
コロムビアのサイトをくまなく探すもそれらしき情報は皆無。
オイロディスクヴィンテージシリース第5回発売なるのだろうと、検索を駆使して探すとそれらしき発売予定のCDが見つかった。

これも小生の全曲初聴き、レオポルド・ルートヴィッヒとハンブルグ交響楽団のメンデルスゾーン「イタリア」そして第4回発売では5番の熱演を聞かせてくれ、意外なほど素晴らしい演奏のチャイコフスキーの「悲愴」。

ブルックナーの4番は、ウイーン交響楽団との演奏が発売予定となっていて、そのほかにはパウムガルトナーのモーツァルトのセレナーデ他が数枚あった。

ブルックナーはかってはゲヴァントハウス管弦楽団とウイーン交響楽団の演奏が両方同時に発売されていて、小生もLP、CD両方で塩有しているが、なぜか今回はウイーン交響楽団との演奏だけだ。

この両演奏は
全く同一演奏であると、とある方が、いろいろ調べたデーターに基づいて指摘していたが、それで小生はCDとLP両方で何回も聴き比べをしたことがあり、その結果をブログ記事にしたことがあった。


ともあれ、どんな形にせよCD復刻がなされることになったことは喜ばしい。
急いで・・・急いでも仕方がないが、予約注文をしたのは言うまでもない。
あと2カ月が大変待ちどうしいこの頃である。

「待てば海路の日和あり」とはこのことか。

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by noanoa1970 | 2009-04-17 15:19 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(0)