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NHK放映の白州次郎を見て

すでに第2話となって、マッカーサー統治下での日本の将来が決まろうとしている。

白州次郎が尽力を尽くそうそうとしたが、「自分は多くの過ちを犯してきたが、戦犯として裁かれなければならないことに耐えられない、僕の志は知る人ぞ知る」と言い残し、近衞文麿は自殺。

吉田と白州はそのような状況下で、GHQと対峙し、終戦交渉、憲法草案などの仕事を行う。

第2話で興味を持ったのは、白州次郎が武相荘に連れてきて、しばらく住まわせることになった「川上徹太郎」が登場したこと。

音楽評論家として小生は知っていて、著書「ベートーヴェン」は学生自分に読んだことがあり、後に「日本のアウトサイダー」で再認識した。

彼が武相荘で「あぁピアノが弾きたい」といって白州の子供のおもちゃのピアノを使って引いたのが、ベートーヴェン「ピアノ協奏曲5番皇帝」の3楽章だった。

おもちゃのピアノで結構それらしく、かなり忠実に弾いていたのには、驚きと感動ものであった。

この話にはさらにもう一人の人物が登場する。

白州の妻正子が、川上に頼んで「青山二郎」という文芸評論家・・・というより骨董の目利きを紹介してもらった時のこと。

話の過程の詳細は記憶にないが、おおよそ以下のようだったと思う。

正子:昨日「壺中居」(こちゅうきょ)で篠を手に入れました。
青山:どこがいいんだ
正子:白地にほんのり赤が混じって・・・・
青山:骨董好きのだれもが言うような事をそのまままねて・・・
青山:もっと素直に自分の目だけでものを観るんだ
青山:(酒をカウンターにぶちまけ、そして火を付け、青白い炎が上がるのを正子に見せて)
   良く見ろ、これが美だ

白州正子の高慢な鼻を、ものの見事にへし折るようなことを平気で言ったことに、正子は逆に惚れて、しばらくして青山二郎門下に入ることになる。
(このあたりは、彼女の随筆、「今なぜ青山二郎か」に詳しく語られている)

それで高名だがいまだ訪問したことはない「壺中居」について
看板は「会津八一」の手になるものだそうだ。
NHK放映の白州次郎を見て_d0063263_13451572.jpg

魯山人の篆刻看板も良いが、この看板も素晴らしい。

「壺中居」という不思議なネーミングの由来は・・・「壺中居」HPより

中国の漢書に「壺中の天」という故事があります。

時は後漢、費長房という男が街中で、ある薬売りの老人に出会う。
その老人は、店をしまうと店頭に掛けてあった壺の中にすうっと
入ってしまった。この不思議な光景を見た男は老人に頼み、自分
も壺の中に入ってみることにした。するとそこは俗界を離れた、
まさに仙境であった。男は暫し俗世を忘れ、共に酒を飲んで壺の
外へと出てきた。

「壺中の天」今日これは別天地、別世界を意味する言葉となって
おります。都会の喧噪を忘れ、静かにゆっくり古美術と対話する。
壺中居は美術を愛する方々にとって、そんな別天地でありたいと
願っております。


別天地あるいは桃源郷の中に存在し、至福のひと時を味わうこと・・・そんな意味のようであった。

by noanoa1970 | 2009-03-11 13:50 | 動画・ムーヴィー・映画 | Comments(0)