カッチェン/コンヴィチュニーのモーツァルトP協奏曲20番2楽章

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とても残念なことなのだけれど、ジュリアス・カッチェンとフランツ・コンヴィチュニーがゲヴァントハウス管弦楽団を指揮したモーツァルトのピアノ協奏曲20番は、2楽章しか残されていない。

データに乏しいが、1960年11月24日ライプチッヒ・コンサートホールでのライブとなっており、同じ日付にてブラームスのピアノ協奏曲2番が同じ演奏家で録音されていて、こちらもライブ録音であるから推測すれば、ブラームスのあとのアンコール曲なのかもしれない。

もしくは20番がブラームスとともに、あらかじめプログラムにあって録音されたが、1楽章および3楽章は録音状態が悪かったのか、または保存状態が良くなくテープに瑕疵があったので、やむなく2楽章のみCD化されたのか。

いすれにしても、コンヴィチュニーが残したモーツァルトの中でも、交響曲以上に多い伴奏オケを振ったピアノ協奏曲の録音の数々・・・ムスリン、ウエーバージンケ、ギレリス、ツェヒリン、そしてカッチェンとピアニストはそれぞれ異なるが、数種類はエテルナに録音を残しており、かってLP化もされたから、ここはぜひCD復刻していただきたいと願うものである。

ベートーヴェンなら5番に、バックハウスとの共演もある。

ソ連に押収されたテープの中には、ギレリスとの21番の超名演といっても良いものがあり近年CD化された。
カッチェンとの20番は、存在さえほとんど知られていないと思うが、名演としてもいい素晴らしいものである。

全曲が残っていたなら、大きな話題となったことは間違いないと思うのだが、残念ながら2楽章だけ残された。

カッチェンのピアノはどこまでも優雅で澄み切っているし、コンヴィチュニーは・・おそらくこの演奏を聴けば、あのコンヴィチュニーが、ここまで優しいそして優雅な音楽を作る人でもあったかを思い知ることとなってさぞ驚くことであろう。

見事に統率されたゲヴァントハウス管弦楽団の紡ぎ出すオケの音色が美しいのに、改めてこの時代のゲヴァントハウス管の実力を感じることとなった。

1楽章のおどろおどろしい、地の底から聞こえてくるような音楽を、どのように表現したか、推測するしかないのだが、もし全楽章あったら、20番の名演の一つに十分加わってよい演奏であることの想像は容易につく。

これがたぶんアンコールだったであろうことは、2楽章終了後の観客の盛大な拍手が物語るが、もしそうであれば、いきなり2楽章だけを演奏してこれだけの音楽が作れるのだから、全楽章通しであったなら、それはきっと、とてつもない音楽となっていたに違いない。
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by noanoa1970 | 2009-02-17 11:39 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(2)

Commented by yoshimi at 2009-05-27 09:24 x
こんにちは。このカッチェンのモーツァルトは、HMVの紹介文によれば、アンコールで第2楽章のみ演奏されたものですね。
ミュンヒンガーの指揮でスタジオ録音した盤よりも、ずっと生き生きとして、溜め息がでるような美しい演奏だと思います。高音域や弱音のかすかな響きがうまく捉えられていないところはありますが、スタジオ録音よりもこのライブ録音の方をよく聴きます。
おっしゃるように、アンコールでこれだけの演奏ができるというのは凄いですね。米国での子供時代のデビュー曲ですし、スタジオ録音も2度していますから、カッチェンが得意とした曲だったのでしょう。
Commented by noanoa1970 at 2009-05-27 09:55
yoshimi さんコメントありがとうございます。ブログを先ほど拝見させていただきましたが、読書から料理そして音楽・・・JAZZまでと、小生の好みと共通項があるようですね。かすかな記憶でしかないのですがかつての掲示板「猫」に参加していらっしゃいませんでしたか?HNに記憶があるような・・・URLお気に入りに入れさせていただきました、何れブログ訪問したいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。