楽譜付きレコード

シューベルトのピアノトリオを昔愛聴したスークトリオで聞こうと、レコードを引っ張り出した。

コロムビアが発売したスプラフォン原版「スプラフォン室内楽シリーズ」の一環の1枚である。

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いかにも古めかしいジャケットの無愛想なものであるが、演奏はなかなかのもの。
やさしいシューベルトのイメージが強かった演奏だったが、改めて聞くとそれはとんでもない誤解で、大変に厳しい演奏だということを実感した。

おそらく昔はこの古ぼけた録音からのトーンに騙されていたのだろう。
またパネンカのピアノの音色もそれを増長していたのかもしれないが、スークとフッフロのそして時折、好きだったカサドジュの音色にも似た音色とタッチのようなパネンカのピアノは、今思えば彼らがおかれた厳しい環境を物語るように、鋭く直球で耳に突き刺さる。

彼らはおそらくこのシューベルトの、一見明るい日向通りのような音楽の底に潜む、得体のしれない恐怖感を感じていたのかもしれない・・・そんな気さえするのである。

到底彼らの2番は、この明るい日が差す土曜日の朝になど聴くことができない。
それでと言っては何だが、ブラームスの弦楽六重奏・・・これもCDでいろいろな演奏を聴いてきたが、やはりしっくりくるのはこの演奏だからと、LPを探し出したもの。

2楽章の甘いメロディを、ことさら甘ったるく奏でる演奏は小生には合わないが、彼らの演奏は厳しさが常時あってやはりこの演奏にとどめをさすのではないだろうか。

ベルリンフィルハーモニー八重奏団員のピックアップメンバーの演奏。
マレチェック(アルフレッド),マース(エミール),フリッツェ(ウルリヒ),ハルトマン(ルドルフ),マヨフスキ(ハインリヒ),シュタイナー(ペーター)

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話をスークトリオのレコードに戻すと、彼らの録音したコロムビア発売のレコードには、当時たまにあったのだが、レコードジャケットの見開きに楽譜が印刷されていることがあり、このレコードにも、楽譜が全編印刷されていた。

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この意図するものは、おそらく音楽を勉強している人向けのサービすであったのだろう、小生は一度もこの楽譜を見ながら音楽を聴いたことはない。

レコード音楽は音楽をただ聴く人のためだけにあったわけではなく、音楽を勉強している・・・音大生や音楽家の卵たちに大いに貢献したものであったことを物語るものである。

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by noanoa1970 | 2009-02-07 11:13 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(3)

Commented by HABABI at 2009-02-07 11:30 x
おはようございます。
我が家には、楽譜付きLPは2枚あります。アーヨ/イ・ムジチ演奏のヴィヴァルディの『四季』、ハスキル/マルケヴィッチ演奏のモーツァルトのピアノ協奏曲第20番と第24番。私は、楽譜を目で追うと聴く方の集中力がなくなるので、鑑賞中は楽譜を見ないことにしています。せっかく楽譜があるのに、何か使い道はないものかとは思うのですが。
Commented by noanoa1970 at 2009-02-08 13:01
こんんちは
ヴィヴァルディの四季は知っていましたが、ハスキル/マルケヴィッチのモーツァルトがあったとは・・・20番では最初からピアノが聞こえるグルダのような演奏もありますが、楽譜上ではそういうことはないのでしょうね。
Commented by HABABI at 2009-02-08 23:17 x
少し修正です。付いているのは、第20番のスコアだけです。弦から始まっています。