真昼の「魔女」の正体・・・「展覧会の絵」を聴いて

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アンドレ・プレヴィンとウイーンフィルハーモニー管弦楽団で

「魔女」がらみで、本日は久しぶりに、ムソルグスキーの「展覧会の絵」

スラブ民話に登場する「バーバ・ヤーガ」という魔女がいる。
ムソルグスキーは「展覧会の絵」に「鶏の足の上に建つ小屋 - バーバ・ヤーガ」としてこの題名の曲を持ってきた。

ロシア民話にも登場するから、バーバ・ヤーガはスラブ地方において、かなり広くその名が行き渡っていたのだろう。

バーバ・ヤーガは魔女ばあさん、山姥、鬼婆、妖婆などと言われるように、年老いた魔女である。

魔女、あるいは悪魔の発祥の多くは、たいていの場合、キリスト教以前から存在したいわば多神教の神々のうち、(これもたいてい、キリスト教の立場で都合良く判断したものが多いのだが、キリスト教に反するものを悪神、そうでないものを善神とし、中には聖人となるものもいた。

そうした悪神の中でも特にキリスト教に都合が悪い存在のものを、魔女・悪魔としたのである。

中でも自然神・・・嵐、雷、水害、強風などの悪天候や一番過ごしにくい「冬」の季節をつかさどる神は悪神とされ、バーバ・ヤーガは、もともとは冬を象徴する自然神の名前であったという。

バーバ・ヤーガはキリスト教以前の神の多くがそうであるように、森の中に住んでいて、骨と皮だけの風貌をし、鶏の足のの上に立つ小屋に住んだといわれる。

ウイキペディアによる、以下の記述がある。

「民話に登場するときはたいてい敵役で、子供を誘拐して取って喰うパターンが典型である。ゆえに多くの物語では、彼女の助けを借りるのは危険な行為として描かれている。しかし災いに陥った主人公たちを彼女が助ける民話もあるし、たいていの民話では主人公が礼儀正しさ、節度の遵守、魂の清らかさを示せば善玉としてふるまう。」

この理解でいけば、「真昼の魔女」はバーバ・ヤーガではなかったかという推測が多いに可能になる。

物語の母親は、バーバ・ヤーガが「子供を誘拐して取って食う」という言い伝えを、子供を脅すために使ってしまう。

バーバヤーガの手を借りようとする行為はたいへん危険である・・・すなわちタブーであるにもかかわらず、母親はその禁を犯して子供の躾に、バーバ・ヤーガの名前を出し、その力を借りようとした。

その結果・・・古くからの言い伝えで、タブーとされていたことを犯したことで、魔女のバーバ・ヤーガから子供を奪われることとなった。

エルベンが詩を、そしてドヴォルザークが作曲した「真昼の魔女」とは、「バーバ・ヤーガ」のことではなかっただろうか。

悪魔辞典によるバーバ・ヤーガ。

森の小屋。小屋は、鶏の脚の上に立ち、髑髏の乗せられた柵に囲まれ、ヤガー婆さんの特定の呼びかけによって向きを変え、扉を開く。
妖婆。殺された大蛇の母親。名前は「あいまいな女」の意味。もともとは、森の動物の主、加入儀礼の祭司、死の国への渡し守などとされる。語源からはヒッタイトの葬礼の老婆と結びつけられる。また、足に注目し、前身が蛇である死の女神とする説もある。

鼻は大きく曲がり、歯は長く、盲目で、骨の一本足の、小さく痩せた、醜い老婆。しばしば豚にまたがる。
巨大なすり鉢に乗って森の中を高速移動する。右手のすりこぎで操縦し、左手のほうきで跡を消してゆき、亡霊たちを引き連れる。
契約に基づいて、助言や食料を与え、魔法の馬や糸玉の贈物をするが、、合意内容を満たさなかった場合は食ってしまうと脅す。また、子どもをさらって炉で焼いて食べたりもする。
ロシアの民間歳時暦では、他の妖怪とともに夏至の時期にキエフのはげ山に集まる。
民間伝承では、殺された大蛇の母親で、その話の主人公と戦った。ハンガリーの民間伝承では、ヤガーはもともとよいフェアリーだったが、魔女へ堕落した。
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by noanoa1970 | 2009-01-26 11:24 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(0)