ブリュートナー製ピアノを聴き続けて
先日のブログで、高域が柔らかいという表現をしたのだけれど、そうではなく「高域の音が泣いている」ような感触があるのだ。
小生が聞いている、ディーター・ツェヒリンの弾く録音に限ってい追えば、時々弦楽器のフラジオレット(ハーモニクス)のような響きを出すことがあり、そのせいもあるのだけれど、切ない女性の嘆きの声のように感じるところ多し。
しかし中低音は他のピアノを圧倒するような迫力が再現され、ダイナミクスに富んでいるから、このピアノなかなか素晴らしい。
ドイツの知恵と技術が、共鳴板を形成している自然の木材と高いレベルで調和した結果であろう。
ダイナミックで情熱的ななベートーヴェンにも、鳴きの入ったシューベルトにもかなりの相性である。
シューベルトのD960・B-Dur最後のピアノソナタを聴くと、自然に涙腺が緩むようで困るほどだ。
by noanoa1970 | 2008-12-28 17:23 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(4)
二つの楽章からなるD 566では、両楽章ともにベートーヴェンのピアノソナタの第1楽章の出だしの旋律に似た音型が繰り返されるので、それらを面白く聴きながら、綺麗な響きを楽しみました。
いいCDを紹介頂き、ありがとうございます。