音の風景:「海ほおずき」と「麦笛」

西岡恭蔵の「街行き村行き」というアルバムに、「海ほおずき吹き」という歌がある。

このアルバムはこのブログで何度も取り上げている小生の大好きなもので、春夏秋冬それぞれの季節における、街の村のそして海の風景を歌にしたコンセプトアルバムだ。

編曲は恐らく「細野晴臣」だろう。
レゲー、ドドンパ、ボサノバ、サンバなどカリプソの香りが満杯で、ボブ・ディランの要素が色濃いファストアルバム「ディランにて」に続く2作目。
西岡にしては初めての試みのアルバムで、その後「カリブの嵐」へと進んでいく引き金となったものと思う。

「細野晴臣」、「はちみつぱい」のバックミュジシャンたちも息のあった演奏をしている。

この歌詞の中に「海ほおずき」と「麦笛」という、懐かしい子どもの遊びが登場する。

「麦笛」は、小生もよく鳴らしたもので、たぶん麦を刈り取って天日干しにした後、茎の部分(昔は天然のストローとして使用され販売もされていた)を20㎝ほどに切って手元を斜めにカットすれば、少し低い音でブーとかピーとか鳴る笛が即座に出来上がった。

小生は「ほおずき」は知っていたし、鳴らしたことはあった・・といっても口の中で潰すと音がブッと出るだけのもので、潰しては空気を入れ潰しては空気を入れることで繰り返し音を出して遊ぶのだが、すぐに「ほおずき」の皮が破れてしまい、おまけに酸っぱ苦いほおずきの実の味がしてあまり好きではなかった。

しかし「海ほおずき」というものは全く経験がない。
海のそばに住んではいたのだが、「海ほおずき」というものを見たことも、鳴らすのを聞いたこともなかった。

ただ「海ほおずき」を歌った古い歌のかすかな記憶では、「わたしゃほおずき海ほおずきよ・・ドンブラドンブラ・・・・」と「海ほおずき」の存在は知っていた。

調べると「海ほおずき」は、赤い実の植物とは全く違って、ナガニシ貝の卵であり着色されたものが駄菓子屋や縁日などで売られていたとあったが、小生はいまだかって見たことがない。

いったいどんな音で鳴るのだろう。


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西岡恭蔵「街行き村行き」より「海ほおずき吹き」
初秋の海が近い村の風景と、そこに暮らす少年の少女への思慕が歌われている
郷愁誘われる歌だ。

灰色蜘蛛が虹色の
家を編んだ野苺沿いに
薄紅色のお化粧落とす
夕暮れ小道ゆきましょう

君が差し出した人差し指に
迷いトンボが止まって逃げると
もうそろそろ秋の風

海ほおずき吹き帰る道
夕焼け影絵の峠の君に
だまったままでまた会いましょう

丘を越えたら君の住む
白いお家が見えるまで
一人の時のさみしい歌を
好きだという言葉に替えて


糸雲ひいた夕焼け空に
ホホ染め君は麦笛吹いて
峠の雁におやすみなさい

海ほおずき吹き帰る道
夕焼け影絵の峠の君に
だまったままでまた会いましょう

海ほおずき吹き吹き

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by noanoa1970 | 2008-09-27 15:02 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(0)