Do Re Mi

「ルート66」という米国の国道がある。

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ナットキングコールが歌いスタンダードの名曲ともなったし、1960年代の米国のTV番組を輸入して、日本で吹き替え版で放映された、若者が車・・・恰好のいいコルベットに乗り、ハイウエイを旅してまわる青春冒険ドラマ「R-66」というものもあった。

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この国道66号線は、アメリカ合衆国中西部・南西部の8州を通り、イリノイ州シカゴとカリフォルニア州サンタモニカを結んで、全長3,755km(2,347マイル)におよび、連邦最初の国道の1つとして1926年11月11日に創設された。

「Do Re Mi」とは、おもにこの国道・・・ルート66を利用してカリフォルニア州へと向う人たち・・・HOBOと呼ばれるような、あのスタインベックの「怒りの葡萄」に登場するような人々が、通った国道でもあった。

ウィキに下記のような記述がある。
「1930年代には、土壌流出によりカンザス・オクラホマ・テキサス各州からカリフォルニア州へ移住する農家が西へと向かうための道としての役割を担った。大恐慌時代には、この国道の存在は沿道の住民に安心感を与えた。小さな町村を縫うように走り、交通量も増加の一途をたどっていたため、沿道には各種商店やレストランなどビジネスを起こす機会にあふれていた。」

Do Re Miは、カルフォルニアへと入植する難民たちを、入管管理官が取り締まり、中には「賄賂」を要求したりする入植管理官がいたことを歌っているもの。

Do Re Miの語源は、
Do=グリーンバックドラーのドルの頭文字。
Re=Let
Mi=Me
「俺に金を恵んでくれ」というHOBOの隠語だといわれている。

ママス&パパスの「夢のカリフオルニア」、スコット・マッケンジーの「花のサンフランシスコ」でも歌われるように、カルフォルニアは、HOBOたちにとっては過ごしやすい天国に思えたことだろう。

Well, thousands of folks back east they say
Are leavin' most everyday
They're beatin' the hot ole dusty way
To the California line
Across the desert sands they roll
A-gettin' outta that old dust bowl
They think they're goin' to a sugar bowl
But, here is what they find
The police at the port of entry say
You're number 14,000 for the day

Chorus
If you ain't got that Do Re Mi boys
If you ain't got that Do Re Mi
Oh, you better go back to beautiful Texas
Oklahoma, Georgia, Kansas, Tennessee
California is a garden of Eden
It's a paradise to live in or see
Believe it or not you won't find it so hot
If you ain't got the Do Re Mi

Well, if wanna buy you a home or a farm
That can't deal nobody harm
Or take your vacations by the mountains or the sea
Don't swap your old cow for a car
You'd better stay right where you are
You better take this little tip from me
I look through the want ads every day
And the headlines in the papers always say

高田渡は以下の個所を次のように訳して歌詞にした。

If you ain't got the Do Re Mi
Oh, you better go back to beautiful Texas
Oklahoma, Georgia, Kansas, Tennessee
California is a garden of Eden
It's a paradise to live in or see
Believe it or not you won't find it so hot
If you ain't got the Do Re Mi

・・・お役人が立ちふさがって言うには、来年が勝負なんだよ
銭がなけりゃ君、銭がなけりゃ
帰ったほうが身のためだ
あんたの故郷(クニ)へ
東京はいいところさ、眺めるなら申し分なし
住むなら青山に決まってるさ
銭があればね・・・

元の歌詞では、Texas、Oklahoma, Georgia, Kansas, Tennessee
とあり、彼ら入植民たちは主に、これらの州からやってきたことが分かる。

オクラホマシティに向けてR-66をしばらく走ると、その橋が右側に見えて来るという。カナディアン・リバーにかかる古い鉄の橋は、1930年代の大恐慌の貧困から逃れるために、別天地カリフォルニアを目指した「オーキーズ」≒HOBOと呼ばれる人々が、生まれ育った土地に別れを告げた橋と言われている。

まさにウッディガスリーがDo Re Miに歌った風景は、R-66のこの古い橋を渡るところから始まるのである。

ものすごい数の人々が、故郷の東に見切りをつけてやって来るという
灼熱地獄の埃っぽい道を、カリフォルニアを目指し旅して来た
険しい砂漠を横断して歩き続けて
甘い果実がたくさん生っているというエデンの園のような
パラダイスの土地に行くという
しかし、思いがけず、彼らがそこで聞くことになるのは
入管管理官のいう、
「あんたでもう、今日14000人目だ」という冷たい言葉だった

カルフォルニアは天国さ、でもそれは金持ちだけに言えること
金がないのなら、すぐに故郷に帰ったほうがおまえの身のためだ
(俺に賄賂をくれるなら見逃してやってもいいんだが・・・・)
そうでないなら、とっとと帰れ・・・・

R-66はそんな悲しい入植民者たちの物語を知っている。

少年時代に見た青春冒険ドラマのスケールの大きさや、何回となく聞いてきて耳になじんだ曲のメロディからは想像だにできなかった悲惨な物語があった。

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by noanoa1970 | 2008-08-17 15:56 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(0)