ONLY A HOBO

HOBOとは方々行き来するからとの語源もまかり通るほど、その発音を日本語に置き換えることで、その意味するところをあらわすのにぴったりである。

スタインベックの「怒りの葡萄」の時代のアメリカ。
それまで住んでいた土地を奪われた民衆は、新しい土地を夢見て、また新しい生活のための職業を求めて、鉄道に無賃乗車をしたりして、各地を放浪した。

HOBOとは、そのような労務者、あるいは夢破れた浮浪者を意味する言葉だ。
HOBO生活をしながら、歌を作り歌ってきた人の中に、ボブ・ディランに多大な影響を与えたあのウッディガスリーもいたのである。

労務者のワークソングともいうべき、フォークソングの数々を書いたガスリーと、彼を慕うジャック・ エリオットは、ともに4年の放浪生活をしたという。

1967年9月、小生が大学生になってから半年後、ウッディガスリーは、55歳の若さでこの世を去った。

フォークリバイバルブームの時代は、ここに終焉を遂げ、R&Bのオーティスレディングの「ドッグオブザベイ」がラジオからいつも流れていた時、衝撃的な飛行機事故死のニュースが飛び込んできたのもこの年のこと。

そして、プロテストの主役はフォークカラロックへと移行するのだが、その口火の年が1967年でもある。

下記のように多くのロック系バンドが登場した。

The Bee Gees "The Bee Gees "
Buffalo Springfield "Buffalo Springfield"
Captain Beefheart & His Magic Band "Safe As Milk"
Country Joe & The Fish "Electric Music"
David Bowie"David Bowie" , The Doors "The Doors"
Grateful Dead "Grateful Dead"
Harpers Bizarre "Feelin' Groovy"
Janis Joplin"Big Brother & The Holding Company"
Joni Mitchel "Joni Mitchel"
Linda Rondstodt "Stone Pony"
Leonard Cohen "The Songs Of Leonard Cohen"
Mama's & Papa's Mason Williams "Phonograph Record"
Mobby Grape "Mobby Grape"
Nice"The Thoughts Of Emerlist Davjack"
Nilson "Pandemonium Shadow Show"
The Nitty Gritty Dirt Band "The Nitty Gritty Dirt Band
Pink Floyd "The Piper At The Gates Of Dawn" ,
Red Crayola "Parable Of Arable Land"
The Soul Survivors "Expressway To Your Heart"
Status Quo "Picture Of Matchstick Men"
Strawberry Alarm Clock "Incense And Peppermints"
Traffic "Mr. Fantasy"
Ten Years After "Ten Years After"
T Rex "My People Were Fair And Sky In Their …" ,
Vanilla Fudge "Vanilla Fudge" The Velvet Underground & Nico "The Velvet Underground"
The Youngbloods "The Youngbloods"

そんな中、地味な存在ではあったが、ウッディやエリオットの影響を多大に受けたある男が1967年にリリースした自身8枚目のスタジオ・アルバム『ジョン・ウェズリー・ハーディング』(John Wesley Harding)のなかに、I Am a Lonesome Hobo という曲がある。

そして【THE BOOTLEG SERIES VOLUMES 1-3〔rare&unreleased〕1961-1991にOnly A Hoboが収録されている。

かつてディランは、フォークウェイズ・レーベルからは"Blind Boy Grunt"なる変名で「Only A Hobo - Talkin' Devil」、「John Brown」を発表しているとあるから、「海賊版シリーズ」というアルバムに編入されたものであろう。

60年代の初期のころであると思われる。

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このHOBOを話題としたディランの歌を、イギリスの民謡を題材とした数々の名曲をリリースしたロッドステュアートがカバーしたものが、「ガソリンアレイ」というアルバムの中にあり、小生が一番気に入っているものである。

ロン・ウッドのドブロ、そしてロニー・レーンのアコースチックギターのバックによるスコットランドあるいはアイルランド風のアレンジが織りなす、伝統歌のような音楽とロッドのしわがれ声により、しみじみしたバラードに仕上げられた作品は、この歌詞の内容の持つ、哀れなHOBOの末路をリアルに想像させるのに十分なものだ。

この歌を聴くとディランの師匠ウッディやエリオットたちトラッドフォークの先達たちが、いかにブリテン諸島の古謡からの伝統メロディやモチーフを引き継いで来たかということがよく分かる。

初めてロッドのこの歌を聞いた時、小生はてっきりイギリスの伝統歌だと思い込んだほどだったのである。

「Only A Hobo」
As I was out walking on a corner one day,
I spied an old hobo, in a doorway he lay.
His face was all grounded in the cold sidewalk floor
And I guess he'd been there for the whole night or more.

Only a hobo, but one more is gone
Leavin' nobody to sing his sad song
Leavin' nobody to carry him home
Only a hobo, but one more is gone

ある日街を歩いていると、年寄りのホーボーが倒れてた
冷たい歩道に仰向けになり、かなりの日数そのままらしい
ホーボーとはいえ、たったひとり死んでいく
誰も哀しみの歌を歌ってはくれない
そのままで、誰も引きとらずにそこにある死体
ホーボーとはいえ、たったひとりで死んでいく

中間部ではいるバグパイプ風のメロディが涙を誘う、そんなアレンジが素晴らしい。
フェイセスのメンバーとロッドステュアートの傑作だ。

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by noanoa1970 | 2008-08-11 11:18 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(6)

Commented by pororompa at 2008-08-11 23:32
これは60年代に高石ともやが歌っていた「浮浪者とは言え」ですね。この歌が元歌なんだ。
ロッドのこのアルバムは持っていて、気に入っていたのですが、noanoaさんの文を読むまで気が付きませんでした。
Commented by pororompa at 2008-08-11 23:33
訂正。「労務者とは言え」でした。
Commented by noanoa1970 at 2008-08-12 08:32
>高石ともやが歌っていた「浮浪者とは言え」
聞いてみたいですね。101ソング集に収録されているのでしょうか?労務者=浮浪者・・・この場合はたぶん同義語ではないかと思います。
Commented by pororompa at 2008-08-14 11:50
昔ビクターから出ていたLPに入っていたように記憶しています。歌詞は、

ある日街を歩いていたら、年寄りの労務者が倒れてた
冷たい路上に仰向けになり、一晩以上もそのままらしい
労務者とはいえ、人ひとり死ぬ
誰も歌わぬ哀しみの歌
誰も看取らぬその亡骸
労務者とはいえ、人ひとり死ぬ

誰の訳詞か知りませんが、うまいですね。
Commented by 動画 at 2008-12-14 12:53 x
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