Karla Bonoff Restless Nightsより

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トーチソングって知ってる?
あるとき音楽好きの会社の同僚に聞いて見ると、ご「当地ソング」・・・知ってるよと、答えが返って来たことがあった。

トーチソング:torch songで、失恋や叶えられない愛を歌った歌などのこと。

torchとは「灯し火」のことだから、愛の暗闇をユラユラと消えそうになりながら、どうにか点灯している感じからの発想なのだろうか。

古今東西を問わず、様々なジャンルの様々な歌い手達が、トーチソング歌を歌ってきた。

小生は最近アナログレコードばかりを聞いていて、特にヴォーカルは、アナログに勝るものは無いと思っているから、棚をあさっていろいろなレコードを引っ張り出して聞いている。

中には、もう30年以上聴いてなかったものもあって、そのようなレコードを聞いて、再発見することがある。

つい最近も、Karla BonoffのRestless Nightsという70年代のアルバムを見つけて聞いたのだが、B面最後になんと、アイルランドの古謡「The Water Is Wide」が収録されていることに、驚いてしまった。

Karla Bonoff:カーラ・ボノフは、リンダ・ロンシュタットに曲を提供する中、西海岸のミュジシャンたちの間で評価され、やがて自ら歌手としてデビューした美女シンガーソングライター。

このアルバムは、小生の5才下の妹が購入した「Wild Heart Of The Young」1979を聞き、何かピンと来るものがあったのだろう、 その後2作目の「Restless Nights」1982を自ら購入したものであった。

B面最後に入ってるその曲の印象がないということは、かなりチョイ聞きしていた証拠であろう。

レコードを最後まで聞き通すには、聞きたい欲求が、席を立ってプレーヤーの場所まで移動し、レコードを裏返す手間に勝っていなければならないが、そのような時刻は、日常では無かった気がする。

ものぐさなおかげで、半分聞いてないようなレコードは、正直言って他にもあり、小生の場合は、非クラシックジャンルに多い傾向があるようだ。

さて前作もこのアルバムも、ほぼ前面「トーチソング」で占められている。

ボノフが「The Water Is Wide」を取り入れた理由は、この曲がやはり「トーチソング」であることを思わせるものからであろう。

アコースティックギター2本とコーラスをバックに、ボノフのノンビブラートの声が、この曲の哀愁感を良く表現しているようで、ボノフオリジナルは勿論すばらしい出来であるが、特にこの古謡はアルバム中出色の出来であろう。

ボノフの2枚のアルバムを聞くと、小生は「イーグルス」の音楽に近似性を覚えることが多かったので、普段は読むことの無い・・・というか、字が小さくて読めない解説を、拡大鏡を使って読んでみると、意外な事がわかった。

演奏メンバーとして、ドラムス:ラス・カンケル、ベース:ボブ・グロウブ、ギター:アンドリュー・ゴールド、ダニー・コーチマー、アイラ・イングバーという面々。

そして他に「イーグルス」のドン・ヘンリーそしてティモシー・シュミットがそしてJ.D.サウザーまでがバックコーラスで参加しているという。

またタイトル曲の間奏で、スライド・ギターを弾くのはジョー・ウォルシュとある。

解説は読むべきだということを思い知ったが、これなら「イーグルス」トーンに似るのも当然であろう。


The Water Is Wideは、最近よく聞こえてくる曲であるが、歌詞を改めて記しておくことにする。

アイルランドの女性とブルターニュの男性との間のかなわぬ恋・・・ケルトの伝承「トリスタンとイゾルデ」のようなものも見え隠れするし、その場合、The Water Is Wideはドーバー海峡となろう。

この歌の元ネタは、「トリスタンとイゾルデ」にあるのかもしれない、そんなことを思ったすることがある。

like 「morning dew」というところが、いかにもアイルランドの古謡を思わせる。
「Water」とは川の流れのこと


The Water Is Wide
lyrics - public domain
arranged by Frank Hamilton and Karla Bonoff
Ad Noiseum (ASCAP)
Admin. by Seagrape music (BMI)
Used With Permission


The water is wide, I can't cross o'er
And neither have I wings to fly
Give me a boat that can carry two
And both shall row, my love and I

Oh love is gentle and love is kind
The sweetest flower when first it's new
but love grows old and waxes cold and fades away
like morning dew


There is a ship and she sails the sea
She's loaded deep as deep can be
But not as deep as the love I'm in
I know not how I sink or swim

The water is wide, I can't cross o'er
And neither have I wings to fly
Give me a boat that can carry two
And both shall row, my love and I
And both shall row, my love and I


"The Water Is Wide" appeared on
Restless Nights - Karla Bonoff - 1979

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by noanoa1970 | 2008-07-17 12:30 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(2)

Commented by こぶちゃん at 2008-07-17 16:33 x
懐かしいアルバムですね。
バックのミュージシャンは、James Taylorともかぶりますね。
そのTaylorの奥さんだったCarly Simonのアルバムに
Torchというタイトルがあります。
仕事にのめり込みやすいTaylorに、もう少し家庭を大事に
して欲しかったSimonとの心のすれ違いが離婚の原因だった
らしいですが、当にTorch Songでしょう。

さてThe Water is Wideというタイトルを見て、Tenor Sax
の大御所Charles Lloydeのアルバムを思い出しました。
確か盟友Billy Higginsとの最後の共演作の一つだったと記憶
しています。
彼の脳裏には、恋愛とは異なるにせよ、Higginsとの別れへの
メッセージが含まれていたのかもしれませんね。
Commented by noanoa1970 at 2008-07-18 09:01
James Taylorのギター&ボーカルのバックは、「Wild Heart Of The Young」で聞けるようです。Charles Lloydハ、キースやデジョネットとの共演でも知られていますね。ECM・・北欧系の香りもします。The Water is Wideはまだ聞いたことがありませんが、JAZZ分野のトラッドフォークの編曲は興味があります。代わりにLotus Blossomを聞いています。