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カートリッジ、アーム調整最終確認作業

1週間かけて調整してきた、レコードプレーヤー:カートリッジとトーンアームの調整がようやく終わり、ほぼ満足する音が得られることとなった。

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新旧いろいろなレコードを聞いて試してきたが、最後の仕上げにと、本日取り出したのが、チャイコフスキー:大序曲「1812年」作品49/ベートーベン:ウェリントンの勝利・作品91/チャイコフスキー:スラヴ行進曲・作品31/ロリン・マゼール指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン国立歌劇場合唱団

いずれも「戦争」に関係する音楽で、この録音では、本物の大砲やマスケット銃の音が使われているという触れ込み宣伝があったレコードである。

当時はまだベートーヴェンの秘曲的存在であった「ウエリントンの勝利」を聞きたいところもあって、輸入盤を購入した。

CBSマスターワークスとして発売された、1981年6月ムジーク・フェライン・ザール、ヴィーンでの録音である。

チャイコフスキーの序曲1812年の冒頭の女性コーラスが、それまで聞いてきた録音での、弦楽器によるアンサンブルとは違って、物凄く新鮮で、神々しく聞こえた思い出があるが、購入後2.3度聞いただけで、後は棚の奥に眠りっぱなしになっていたのだった。

このレコードを何故取り出してきたかというと、その理由は2つあり、そのひとつが初期のデジタル録音であること。
もう一つが、本物の大砲や銃やドラ、太鼓、鐘などの音が、物凄いダイナミックレンジで録音されれいて、調整が上手く行ってない装置では、針飛び起こしたり、音が歪んだりして、決して上手く再生できないからである。

エラートの1983年のデジタル録音では、無残な経験をしていたので、同じ頃の違うレーベルで、初期デジタルの録音成果を確認しても見ようと思い立ってのことであった。

録音装置の差なのか、録音技術者の差か、マスターリング技術の差か、プロデューサーの耳の質のせいか、カッティングマシーンや盤のプレスに起因するものなのか、演奏者に依存する問題なのか、ほぼ同じ時期のデジタル録音で、このように歴然とした差が有ることに、改めて驚いてしまう結果となった。

初期デジタル録音であるが故に、殆ど期待していなかったVPOの、あの柔らかい弦の音が、それぞれの楽器パートの音とともに、そして収録曲では重要な位置を占めるであろう、打楽器の明瞭な音の間に、緻密な響きを伴って塗り込まれている。

初期デジタルとしては、恐らく出色の出来栄えの録音であろう。

さて問題の大砲がドカーンドカーン、銃がパンパン、太鼓がドンドンズシズシと鳴り響くところの再現性はなんら問題なくクリアーしてくれた。

これもカートリッジの針圧2.6、トーンアームのオイルダンプ量を、今までよりやや少なめに調整した成果であろう。

アナログのオーディオ機械の調整は、いつでも試行錯誤。
頼りはマニュアルなんかではなく、頼りがいのなさそうな、自分の耳だけである。
いろいろやっても、まだまだ決まりきれないところに、人生そのもののようなところがあって、苦労のしどうしであるが、それがまた面白いのである。

ヘッドアンプも、一瞬いいと思ったYAMAHAから、三度アキュフェーズに戻し、やはりこれで当分行くことを決めた今日この頃である。

by noanoa1970 | 2008-06-23 10:56 | オーディオ | Comments(0)