リンゴスターのスタンダードナンバー

前回は、小生のお気に入り「ニルソン」のスタンダードナンバーのアルバムを取り上げた。

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今日は(いつもジャケットはデジカメで撮るが、今回はスキャナーを使用したので、全体が写ってない)

第2弾として、ビートルズが解散した後、リンゴスターが初めて作ったとされるソロアルバム「センチメンタル・ジャーニー」を懐かしく聞いてみた。

このアルバムを入手したのは、今から30数年ほど前・・・1970年か71年のこと。

さしてビートルズも、ましてリンゴも手放しで好きだったとはいえない小生が、何故このアルバムを入手したのか、今はどうしても思い出さない。

ただビートルズ解散となった1970年春以降、小生のサークル員の一部の間では、クラシック音楽に加え、リアルタイムで聞いてきた彼らの曲を再確認するように、そして最新のアルバムを入手し、聞くことが流行したのだった。

アビーロード、レット・イット・ビーを購入したのも確か1970年のことで、特にアビーロードのB面は、小生には循環形式の交響曲のように思えて、ホワイトアルバムと並び、小生の一番好きなアルバムとなった。

流行した第2次ビートルズ熱の、ほとぼりが冷めた頃、ジョンの次に出たソロアルバムが、なんとリンゴであったことには、いささかの驚きをともなうこととなったものだった。

しかも全てがリンゴやビートルズとは直接関係が無い、「スタンダードナンバー」ばかりだ。

当時の解説には、リンゴ幼少のとき、両親がよく聞いていたのを耳にしたのが、記憶の底に残っており、それでこのアルバムを出すに至った・・・とある。

多少は本当のことであろうが、今思えば、リンゴは他の3人と少し異なり、歌における「個の確立」にまでは、至ってなかったのではないか。(勿論他のアルバムで、彼をフィーチャーした面白作品はあるし、小生はそれらを好きではあるのだが)解散直後の焦りと、未来に向かうための暗中模索の中で、救いの手として「スタンダードナンバー」に、行き着いたのではなかろうか。(と思えるところもある)

ニルソンの「スタンダードナンバーアルバム」を「陰」とすれば、リンゴのそれはとんでもなく「陽」、あっけらかんと歌う様は、歌の上手下手の概念を超えたところに有り、その意味でも気兼ねナシで聞けるアルバムの1つでもあるのだ。

ニルソンがバックにゴードンジェンキンス1本でアルバムを作ったのに対し、リンゴは、曲全てに異なるアレンジャーを起用した。

その点にも、このアルバムが単調に終わらない秘訣があって、リンゴは恐らくそれを充分見越した上で、そういう贅沢な方法を取ったと思われるところがある。

「センチメンタルジャーニー」がちっとも、センチメンタルでないところ・・・そこにリンゴの性格が現れているようで、憎めない存在であるし、このアルバムは、ニルソンのそれとは異質の安堵感を味合わせてくれることが多い。

全12曲のアレンジャーはと、調べて見ると、物凄い事実が分かった。
これは凄い!凄すぎる。
書いておかなくてはならない。

クラウス・ブアマン、オリバー・ネルソン、クインシー・ジョーンズ、ジョージ・マーティン、エルマー・バーンスタインなど、JAZZ畑の名アレンジャー、それに加えてなんとポール・マッカートニーまでがアレンジャーとして名を連ねている。

小生の大好きな、ホギーカーマオケルの自作自演の「スターダスト」に加えて、リンゴの・・・特に編曲にしびれたのは、なんとポールの編曲だったとは・・・・

星の輝きを弦で表現するというアイディアは、ポールの斬新かつ特異な才能下でのアレンジだったのだ。


1. センチメンタル・ジャーニー・・arrange:リチャードベリー
2. 夜も昼も・・arrange:チコ・オフアリル
3. ウィスパリング・グラス・・arrange:ロン・グッドウイン
4. バイ・バイ・ブラックバード・・arrange:モーリス・ギブ
5. アイム・ア・フール・トゥ・ケア・・arrange:クラウス・ブアマン
6. スターダスト・・arrange:ポール・マッカートニー
7. ブルー・ターニング・グレイ・オーヴァー・ユー・・arrange:オリバー・ネルソン
8. 慕情・・arrange:クインシー・ジョーンズ
9. ドリーム・・arrange:ジョージ・マーティン
10. あなたはいつも・・arrange:ジョニー・ダンカース
11. 愛していると言ったっけ・・arrange:エルマー・バーンスタイン
12. レット・ザ・レスト・オブ・ザ・ワールド・ゴー・バイ・・arrange:レス・リード

ニルソンの「夜のシュミルソン・ニルソン」とリンゴの「スターダスト」は、いずれも非JAZZ分野の歌い手のスタンダードナンバーだが、これら2つのアルバムは、ジャンルを超えたところでの「スタンダード」となるであろうことは間違いないと思う。


ジャケット写真に使われた、「ウォーカー・エンプレス」と名の入った古めかしい建物が、少し傾いているのが昔から気になっていたが、この建物の正体は?


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by noanoa1970 | 2008-06-04 15:59 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(0)