山の幸・・・春
山菜の王様など呼ばれて、貴重な存在の「タラの芽」は、どこにでも手に入るが、大抵は栽培物。
昔東京都下の保谷という町に住んだことがあるが、関東ローム層の黒土の畑に、タラがたくさん栽培されているのを見て、至極ガッカリした。
付近の里山に天然のタラは、あるにはあるが、競争率が激しく、小さな芽でも摘み取られてしまう。
また、芽をすべて摘んでしまうという、次の年を考えない人種がいるから、その年でタラは終わってしまう。
小生はかって、長野県南安曇郡奈川村という山間の小さな村で、農業体験をしたことがあった。
農園つきの小屋を借りて、農作物を・・・といっても、ジャガイモ、トウモロコシ、花豆、蕎麦を作っただけであったが・・
村の人と仲良くなって、タラを探しに連れて行ってもらったことが合った。
そこでタラの芽の取り方、美味しい食べ方、遠くからの見分け方、見つけ方を教えてもらったことがあった。
慣れてくると、そこらじゅうに天然のタラは自生していて、天麩羅だけではとても食べきれないほど収穫があった。
さらに教えてもらったのは、「コシアブラ」という山菜。
今までその名前も存在も全く知らなかったもの。
昔からこの植物で、油を採取したという。
だから「漉し油」というとお教えられた。
ただしこの植物は、かなり大きな樹木の新芽で、採取するにはかなり熟練が要るので、小生は村の人が切ってきた枝から、新芽を採取しただけだったが、食べてみると、これがとんでもなく美味しいのであった。
タラとコシアブラ2種類を天麩羅にして同時に提供すれば、十中八九コシアブラに美味しい評価が下ることは間違いない。
天麩羅だけでなく、量が減ってしまうのを、ヨシとしても、和え物ガさらに美味しい。
このような新芽が大きな樹木のものだとは誰も思うまい。
最近になって、ようやくこの山菜が、町の食通にも知られるようになったが、市販されることは先ず無いから、見つけたら絶対入手して損は無い。
栽培は多分不可能だろうから、すべて天然の山菜で、山菜の女王とされることも有るようだ。
今日は、R306を走り、山を越えて桑名→岐阜県上石津→滋賀県多賀→彦根→長浜、というルートで新緑を楽しんだ。
一押しの山菜、ギョウジャニンニクは、標高の加減でこの地方には無いが、「コシアブラ」と「ヤマウドの芽」どちらも小生の好きな山菜である。
今夜からの夕食がとても楽しみだ。
by noanoa1970 | 2008-04-30 18:11 | 「食」についてのエッセイ | Comments(0)