45年ぶりの再会・・ブルショルリのモーツァルト

1962年小生が中学2年生のときに、我が家にやってきたヴィクターのステレオ、小生はそれで、同時期に思い切って父親が購入した、コロムビアから発売された、クラシック音楽ライブラリーという、名曲ばかりを集めた初心者用の50枚組みのセットをむさぼるように聞いた。

その中になぜか、本日の話題となるフランスの女流ピアニスト、モニーク・ド・ラ・ブルショルリと、知っている人はかなりのオールドクラシックファンであろうと思われる、ベルンハルト・パウムガルトナーが指揮をするザルツブルグ・モーツアルティウム音楽院管弦楽団の演奏で、モーツァルトの20番と23番のピアノ協奏曲が収録されていた。

ベルンハルト・パウムガルトナーは、バロック音楽を得意とするルドルフ・バウムガルトナーと混同されることがあるくらいの、いまやマイナーな存在になってしまった感があるが、ワルターの薫陶を受け、カラヤンも指揮法を学んだという、モーツァルト研究の権威で、ザルツブルグにモーツァルト専門の音楽院を創設し、そこで研究をしつつ、教鞭をとってきた人物である。

パウムガルトナーの録音は、35番、36番、41番、の交響曲そしてアンドレ・ナヴァラと共演したハイドンとボッケリーニのチェロ協奏曲、ハイドンの交響曲100番、103番も同じ全集に収録されていた。

その頃のコロムビアレコードは、スプラフォン、そして上記の音源を持つ、ドイツオイロディスクもパートナーにしていたらしく、この全集には、決して名前はメジャーではなかったが、それでもシッカリした演奏をする奏者達の音楽が収録されていた。

小生がクラシック百科事典のごとく聞いて育ってきたこの全集は、小生が大学生になって、京都に下宿した当たりの年、実家の引越しの際、半分以上が廃棄されてしまい、手元にあるのは、京都に持っていった10数枚だけになった。

廃棄された中に、本日取り上げるブルッショルリのモーツァルト20番と23番のレコードがあって、それからというもの、あらゆる手を尽くして探しては見たが、いまだに入手できなかったのであった。

今は亡きクラシックの音楽掲示板にも、復刻希望を出しては見たが、何も進展はなかったが、一昨年になって、ある海外の会社から復刻されたという知らせが入ったが、小生の求めるオイロディスク原版とおなじかどうか疑わしく、手を出せないまま時は過ぎていった。

つい最近、いつも見るネット通販のWEBではなく、もう一つある有名サイトを見ると、「オイロディスク」という文字が目に入った。

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そこにあった、「オイロディスクヴィンテージコレクションVol3」という帯タイトルをクリックすると、そこには45年前の記憶の、あの懐かしい演奏家達の名前が網羅されていて、もしやと思いVol1、Vol2を見ると、長い間切望してきた「幻の録音」が沢山あるではないか。

大して売れそうもない(と思われる)この企画を、しかも45年もたってCD復刻する技量が、今のコロムビアに有るとは思いがけないことだったので、つい嬉しくなって、お礼とまだ発売されてない、コンヴィチュニーがバンベルク交響楽団を振った、ドヴォルザークの「新世界より」について質問をすると、大手にしては珍しくすぐに返答があり、来年以降に予定しているということであった。

Vol4.5と続くことを大いに期待するものである。

息子が、小生の誕生日に欲しいものは?と聞くので、早速渡りに船とばかりに、注文したもろもろのCDが昨日届き、勿論最初に聞いたのが、ブルショルリ、今朝も相変わらず聞き続けている。

45年前の小生の中にある記憶の、ブルショルリのピアノは、「溌剌とした」という言い方で表現されるものであった。

中学2年のクラシック初心者に、・・・まして、はじめて聞くモーツァルトのピアノ協奏曲の感想だから、表面的な思いだけの記憶であることは否めないが、しかしCD復刻された音盤を聞いていて、その初心の感想があながち間違ってはいなかったことを、思い知らされることとなった。

録音は1961年3月10から12日、くしくも小生の誕生日と同じであった。
誕生日プレゼントに、このCDをリクエストしたこと、録音が小生の誕生日と同じであること・・・これも何かの因縁のような気がしてならない。

コロムビアが1962年の廉価版全集に、1961年録音の、いわば新譜を収録したこと、あるいはしなくてはならないほど、この奏者達が当時、実力に比べて物凄くマイナーな存在扱いであったことを思うと、良くぞ復刻してくれて、彼らの素晴らしいモーツァルトが埋もれることなく、陽のあたる場所に出られたことに、改めて感謝したい。

レコードでもかなり録音状態は良好であったと記憶するが、CD復刻、リマスターにより、さらにミスミスしい音に生まれ変わって、ピアノの表情が良く聞き取れるし、バックのオケも、清楚で格調高い表情のモーツァルトを作っている。

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これからブルショルリのベートーヴェン3番の協奏曲、パウムガルトナーの35、36、38、41番、ハイドンの100、103番の交響曲を聴いていく予定。
とても楽しみである。
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by noanoa1970 | 2008-04-20 10:42 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(4)

Commented by kawazukiyoshi at 2008-04-20 16:14
息子さんからの素晴らしい贈り物。
本当に羨ましい限りです。
それも、音楽を好きなことを理解しているからこその贈り物。
懐かしい演奏に会うと、嬉しくなってしまいますねー。
今日もスマイル
Commented by noanoa1970 at 2008-04-21 10:09
台湾から有難うございます。
矢張り、昔はじめて聞いたレコードは、どうしても思い入れが強くなりますが、それを差し引いて余りある演奏がこれです。
Commented by Schweizer_Musik at 2008-10-23 09:05
これも良いですねぇ…。いや488の第2楽章など最高の演奏ではないでしょうか?
今朝はずっとこればかり聞いて過ごしております。CDを買って、何度も聞き直してその度に感動するなんて、再び我が身に起こっていることに自分の感受性が摩耗してしまっているわけではないことをちょっと確認できた感じで嬉しくもあります。
Commented by noanoa1970 at 2008-10-23 17:09
Schweizer_Musikさん
CDが届いた時、小生も全く同じ状態でした。488の2楽章は曲もいいけど、小生にとってはこの演奏が刷り込みです。これ以上心に沁み入るには、いまだにお目にかかれませんです。多分永遠にそうなのでしょう。