日本語のポップスを作った男

「ザ・ヒットパレード」より漣 健児メドレー

youtubeで見つけたのが上の動画である。
坂本九の「すてきなタイミング」を探していたときに発見した。

漣 健児という名前を知ったのは、昔のことでなく、それは極最近のこと。
TVで彼が亡くなって追悼番組をやっていたのを偶然目にしたときだった。

しかし、彼の名前を知らないで過してきた、50年ほどの間に彼が訳詩した、主なアメリカンポップスは、400曲もあるという。

先のブログに書いた某電話会社のCMで使われている光のタイミングの原曲、「good timing」を「すてきなタイミング」と訳してヒットさせたのは勿論、小学生の頃から耳に馴染んだ日本語歌詞によるポップスの多くは、いや殆どが彼:漣 健児の手になるものだというから驚いてしまう。

いまでもその歌詞を一部でもハッキリ覚えているものを上げると・・・・

「赤鼻のトナカイ」
「アイ・ウィル・フォロー・ヒム」
「悲しき片想い」
「悲しき天使」
「カレンダー・ガール」
「クライ・クライ・クライ」
「子供じゃないの」
「五匹の子豚とチャールストン」
「すてきな16才」
「可愛いベイビー」
「あたしのベイビー」
「ネイビー・ブルー」
「ヴァケーション」
「ルイジアナ・ママ」
「ジェニ・ジェニ」
「ジョニー・エンジェル」
「GIブルース」
「悲しき街角」
「好きさ好きさ好きさ」
「砂に消えた涙」
「そよ風にのって」
「小さい悪魔」
「電話でキッス」
「ネイビー・ブルー」
「パイナップル・プリンセス」
「花咲く街角」
「遥かなるアラモ」
「ビー・マイ・ベイビー」
「ビキニ・スタイルのお嬢さん」
「ベビー・フェイス」
「ポケット・トランジスター」
「ママがサンタにキッスした」
「ルイジアナ・ママ」
「ワン・ラスト・キス」
これらの曲は、小学生中学生時代に聞いたもので、高校生になるとビートルズ旋風となるのだが、さすがにビートルズ以降は、日本語訳は受け付けなかった。
原曲で聞くほうが良かったのと、この頃にはクラシック音楽に興味は移っていた。

漣の訳詩は、それでも割りと幅広く、映画主題曲、ディズニー音楽、シャンソン、フレンチポップス、クリスマス音楽なども多い。

しかしやはり50年代から60年代に日本に上陸した、アメリカンポップスを日本人の手の届くところに押し上げて1大ブームを作ったのは、この人の力が大きかったのではないかと思う。

FENやS盤、L盤アワー、電リクなどラジオのブームから、ザ・ヒットパレードなどのTVに変わった時代の音楽番組の影の功労者は、彼をおいては、語れないようだ。

また、「ルイジアナママ」に見られるように、オリジナルを大切にしながらも、日本語のリズムアクセントのよさを、最大限に生かしながら、言葉によっては原語をミックスする手法(「ヴァケーション」冒頭、の「VACATION」・・ブイエーシーエーティアイオーエヌにみられるように)で、なおかつ意味がスッキリ分かる名訳を次々と出した彼の実力と、間瀬には脱帽である。

≪ルイジアナママ≫
あの娘はルイジアナママ
やってきたのはニューオリンズ
髪は金色、目は青く
本物だよデキシークイーン
マイ ルイジアナママ、フロム ニューオリンズ

みんながちょっかいだしたのに
だれにもよろめかぬ
誰があの娘を射止めるか
町中の噂
マイ ルイジアナママ、フロム ニューオリンズ



ビックリ仰天有頂天
コロリといかれたよ



恋の手管にかけたなら
誰にも負けない、僕だもの
アタリキシャリキ


さあさ陽気に騒いで踊ろう
ジルバにマンボ
スクスク、ドドンパ、チャチャチャ
踊ろうよロックンロール


・・・どうです、この見事なフレーズの使い方。
これなら、日本語で歌っても、オリジナルのジーンピットニー並にノリノリですね。

この例のように、漣の訳詩の中には、原曲を凌駕するようなものも、相当数あったように思います。

いまだに殆どの歌詞を覚えているということは、それだけ曲と歌詞がピッタリ合っていた証拠なのかもしれません。

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by noanoa1970 | 2008-03-09 15:12 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(2)

Commented by エレガンス at 2008-03-09 22:38 x
初めて知りました。確かに母国語で聴くと意味やニュアンスが分かりやすくて良いですね。
でも、日本語でピッタリ曲に合わせるのは相当難しそうですね。
すごい人だったのですね。
私には、王様の直訳 DEEP PURPLE もある意味衝撃的でしたが(苦笑)
Commented by noanoa1970 at 2008-03-10 16:15
60から70年代にはミュージックタイトルを芳名に直訳するものも一次はやったことがありました。ピンクフロイドのAtom Heart Motherを、まんま「原子心母」、ユーライアヒープのLook at yourselfを、すこしだけひねって「対自核」・・自覚でなく自核と表現するところに、あの時代の前衛的な「粋」を感じさせます。どちらもアルバムジャケットがシュールレアリスティックで、シャレていました。