ビートルズその音楽の一面について

久しぶりに音楽の話を書くことにした。
切っ掛けは、アイリッシュトラッドの「the lowland ob holland」
(直訳でオランダの低地)という曲を、Natalie Merchant & The Chieftainsのアルバム「Tears Ob Stone」で聞いていたとき、ビートルズで小生が最も好きな曲の一つで、1965年に発表された「Rubber Soul」に収録されている「In My Life」に良く似ているなと思ったことに有る。

ビートルズの音楽はオールディーズといわれるアメリカンポップス、50~60年代のロックンロール、そしてブルースとブリテン諸島の民謡の坩堝であるというと、ファンの方の中には、うなずく方も、そして反論する人もいることだろうが、小生は敢えて、ビートルズに見られるアイルランド民謡的要素についてどうしても言及したいと思う。

先ずは、インマイライフを。

どうだろうか?
かなり似通ったところがあることに気づかれたであろうか?
コード進行の似た曲が無数にあるのは承知の上だが、それにしてもこの両曲、曲想も音楽展開も、使われる音符までも極似している。

まるでレノン&マッカートニーがアイリッシュトラッド「 Lowlands of Holland」を殆どそのままコピーし、少々アレンジを加えただけのようにも思える。

誤解されたくないのだが、小生は決してビートルズが民謡を用いてそれを自作として発表したのは、ケシカランと言っているのではなく、ビートルズの血脈には、ブリテン諸島・・・特にアイルランド、スコットランドの所謂ケルトの血が流れているのではないかということを、音楽面から聞いていて感じたことをいいたいのである。

アイルランドの古い民謡は、ビートルズばかりでなく、例えばJAZZのスタンダード曲にもなっていることが分かる。

I'll Tell Me Ma (Traditional Irish) という子供の歌がアイルランドの古い歌にあり、Van Morrison, The Chieftainsの アルバム「Irish Heartbeat」でも歌われるが、アイルランドで最も有名なトラッドフォークのグループの一つ、Clancy Brothers & Tommy Makem のI'll Tell Me Ma をお聞きいただきたい。

JAZZがお好きな方なら、すぐにこの曲はJAZZヴォーカルスタンダードの「Bye Bye Blackbird」と同じものであることに気がつくはずだ。

ここではジョー・コッカー
の歌で「Bye Bye Blackbird」を聞いてみてください。
いかがでしょうか、全く同じものですね。

さて、ジョンレノンが多大な影響を受けたと善意に解釈されるアイリッシュトラッド
The Lowlands Of Holland とは以下のような内容である。

[ Traditional ]

On the night that I was married
And upon my marriage bed
There came a bold sea captain
And he stood at my bedhead
Saying, "arise, arise, young wedded man
And come along with me
To the lowlands of Holland
To fight the enemy"

Now then, Holland is a lovely land
And upon it grows fine grain
Surely 'tis a place of residence
For a soldier to remain
Where the sugar cane is plentiful
And the tea grows on each tree
Well, I never had but the one sweetheart
And now he's gone far away from me

I will wear no stays around my waist
Nor combs all in my hair
I will wear no scarf around my neck
for to save my beauty there
And never will I marry
Not until the day that I die

オランダに戦争にいったのは、恐らくアイルランド、スコットランドの傭兵部隊が中心であったのだろう。

イングランドとオランダの戦争の歴史は古くそして幾度もあったから、この歌が何時の時代のものかは特定困難だが、17世紀後半の3次にわたるイングランドとオランダの英蘭戦争の可能性が高いと思われる。


≪大まかな訳≫
新婚ほやほやの男が、軍隊長の呼び出し・・・召集を受け、オランダの低地に戦争に赴く。オランダは美しくて作物の豊富な土地だというが、彼は私から遠く去ってしまった。

悲しみにくれる私は、着るものも、髪の毛も、かって私が美しかったものを示すものは何もなくなってしまった。
死ぬまでもう私は、決して結婚なんかしないだろう。

拙い訳で申し訳ないが、以上でほぼ足りると思う。

英蘭戦争は海戦であったから、必要な人材は船乗り。
このため強制的に船に従事した若者達を執行したと考えられる。
よって上の歌のような悲劇が随所で起こったのだろう。

犠牲になるのはいつも非征服民族で、わが国の古代史の防人も同じであろう。

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by noanoa1970 | 2008-03-02 13:31 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(0)