A Stopwatch and an Ordnance Map

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BIS-CD-733 愛と戦争の歌 - より
Anders Wikstrom (ティンパニ)

ストップウォッチと軍用地図という邦題がついたザミュエルバーバーの男性合唱の曲である。
曲名が何か不気味なものを思わせるのと、作曲者があの・・・弦楽のためのアダージョの「バーバー」であったことから聞くことにした。

ティンパニーによって奏される戦闘開始の合図、そして軍隊の歩行のようなリズムと、いかにも暗い男性の合唱が、これから起こるであろう戦争の悲劇を想像させる。

この曲はStephen Spender というイギリスの詩人が、1940年のスペイン市民戦争(内乱)を題材にして書いたReincarnationsの詩にバーバーが曲を付けたもの。

詩の内容は定かではないが、内乱によって死んだ多くの市民、兵士達の「輪廻」・・・この世で新でも来世では再びまた生きる・・・などの思いが込められているのだろうか。

シェーンベルクの「ワルソーの生き残り」ほどの音楽的強烈さは無く、バーバーのあの非現代的な、どこか懐かしい和声とメロディで作られているこの曲、わずか5.6分ほどの曲だが、中身は相当濃い、それだけに音楽的にも聞く人をひきつける魅力がある。


「A Stopwatch and an Ordnance Map」と数回にわたって歌われることから、このことが有る重要性を持つことは推測可能だが、どういう意味に取ればよいのだろう。

死に至る「青写真・ロードマップ、道筋」そして「秒読み、時間の問題」それらへの避けられない「行進」の拒否できない、避けることが出来ない始まり・・・
ナチスの影が見えるような・・・・

これも推測の域を脱していないが、バーバーは、シェーンベルクの「ワルソー」からかなりインパクトを受けたのではないだろうかと想像させてくれる。

曲の中ほどにグレゴリオ聖歌風の音楽が聞こえ、ティンパニーのグリッサンドが不気味さを助長する。

最近は合唱コンクールなどでも歌われるというがかなり難しそうな曲だ。

ともあれ、今日は久々にインパクトある曲を聞かせてもらった。
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by noanoa1970 | 2007-11-10 14:06 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(0)