真夏の夜のJAZZ

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mixiのマイミク「akemin」サンの日記に「真夏の夜のJAZZ」で「アニタ・オデイ」が歌った「二人でお茶を」のエントリーがあったので、その昔映館で観て気に入っていたものを、LDで発売された時に入手したものを改めて観ることにした。

CBS SONYから発売されたもので、20年ほど前に入手したものだと記憶する。
映画は1958年製作で、それを小生は1960年代後半の学生時代に映画館で見た。
とても印象深かったので、LD発売されるや否や早速入手したのだった。

思えばあの時代、映像のソフトの価格は異常なほど高価で、このLDには11800という価格設定がなされている。
それでも何とか入手した当時のパワーには、われながら驚いてしまう。

ニューポートで開催されたJAZZフェステイバルの模様を撮影したものだ。
豪華客船で、いかにもお金持ちそうな人たちが、JAZZを聞きに、ニューポートにやってくる様子は、なぜかうらやましいとは思わなく、なんだかこれから始まるイベントに対する大いなる期待感を覚えさせてくれたものだった。

ヨットハーバーで演奏するジミージユフリトリオの映像が新鮮。
ギターは「ジムホール」であろう。

メリーランドの州歌をデキシーJAZZが演奏するが、LD解説によると「イーライズ・チョーズン」であるという。
このバンドはところどころに登場してくる。

エリントンの楽団でピアノの練習をするのはなんと「ジェリーマリガン」。
「セロニアス・モンク」が「アバイドウイズミー」のジャケットで見せたようなサングラスで登場し、「ソニースティット」も登場する。

「アニタ」のスインギーな「Sweet Georgia Brown」の後に歌われる驚きの「Tea For Two」のスキャットアドリブにはヨハンシュトラウス2世の「トリッチトラッチポルカ」が引用されていて、この早口の非スイング的な、歌詞を無視したような歌唱法にピッタリだ。(トリッチトラッチとは淑女の絶え間ないオシャベリの意味)

アニタの歌唱法についてのコメントはここではしないが、アニタの歌唱法については深いものが有ると、小生は思っている。

最後のリズムセクションとの掛け合いには、(長いこと気がつかずにいて、先ほど気がついたバカリ)名曲「ミスティ」のフレーズが引用されているようだ。
また「チンチロリンのカックン」:(昔「由利徹」だったと思う)が、ギャグでよく使ったフレーズが掛け合いとして引用されていて面白い。

この曲は、ネバーエンディング:つまり、もともとは短い音型を類稀なほどの転調によって曲想に表情を付けた曲だから、エンディングは無限旋律がごとく続いて行き、通常では終息することが困難である。

したがって「ピリオド」を告げるかのように「チンチロリンのカックン」を引用して、しかも掛け合いとして引用することで、終わらない場面を終息に持っていったのには脱帽である。

スキャットアドリブも、引用したフレーズの意味合いも、どれも彼女の天分を思わせるものだ。

教会の一室で練習するのは、「チコハミルトンクインテット」で、中でも目を見張ったのは、チェロが演奏する「バッハの無伴奏チェロ組曲1番Prelude」。
一体誰が弾いているのか、気になって調べてみると「ネイサン・ガーシュマン」と判明した。

フルートを吹いているのは「エリックドルフィー」であろう。

「ダイナワシントン」が歌う曲は「オールオブミー」。
バイブは「テリーギブソン」でドラムスの「マックスローチ」の若々しい姿を見ることができる。

どうしても解せないのが「チャック・ベリー」の登場、ビンビンのロックンローラーがなぜこのフェスティバルに登場したのか???

LDジャケットにもなっている「ルイアームストロング」が、満を持して登場し、歌とペット両方で観客を沸かせる、このときの掛け合いが特に印象的だ。

「アートテイタム」お得意の「タイガーラグ」を、誰だったかが、息をもつかせない演奏し、その後ゴスペルの「マヘリアジャクソン」が見事な歌唱力で賛美歌を歌う。

ざっとこのような映画で、あの時代の音楽ファン(ジャンルを超えた)の間でこの映画を知らない人はいなかったほどであった。

恐らく今後もニューポート音楽祭の様子を撮ったこの映画は、絶えることなく語り継がれるであろう。

まだまだ言及できないミュジシャンもいるから、これから彼らの素性を明かしていくことも一つの楽しみである。

「真夏の夜」にはフェアリーたちも登場する・・・(シェイクスピアそしてメンデルスゾーンであるから、)きっとこのフェスティバルには、「スピリチュアルな何か」が宿っているのだと妄想してしまうほど。
 

「真夏の夜のジャズ Jazz On A Summer's Day」 1958年(日本公開1959年)
(監督)バート・スターン Bert Stern、アラム・アヴァキアン Aram Avakian
(制作)ハーヴェイ・カーン Harvey Kahn、バート・スターン
(撮影)バート・スターン、コートニー・ヘイフェラ、レイ・フェアラン
(音楽)ジョージ・アヴァキアン

出演者:多数

追伸
映像の中の帽子をかぶった美しい女性達、この映像は別テークの「いわばやらせ」であるという説も有るようだが、それは事実だろうか?
また同様、ここでの「アニタ」は、まるで「マリリンモンロー」のように口元も、靨も、すべてが可愛い。

彼女のジャケットアルバム写真からは程遠いと小生は思っているのだが、これは化粧の聖なのか、それとも「整形」した結果なのだろうか?
ここでの「アニタ」は実に美しくそして可愛い。

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by noanoa1970 | 2007-10-06 14:16 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(0)