空想音楽小説・・・幻のオーケストラその1


注)これは空想音楽小説です。登場人物、団体は実在いたしません。
一度に掲載できないから6話に分けて掲載します。

この話をするには今から1か月前に遡らねばならない。

町内のとある人がやってきた。
目的は、市民ホールリニュアル工事終了後の「杮落とし」で、公演をするのだが、それにともなって、内容がよく分かるように、「字幕」を投影したい、・・・と頼む内容であった。

音楽好きでパソコンが使える人を、・・・ということから私の存在を思いついたと言う。
演題は18世紀バロックのオペラ「〇〇になった〇〇」で、原語・イタリア語でやるので来場したお客さんに理解できるように「字幕」を・・・というわけだ。

「パワーポイント」で作成・・・などとというから、作成するのは簡単なことだが、PCからプロジェクターでスクリーンに投影するのかを訊くと、分かったのか分かってないのか、返事があいまいであった。

そこで少し心配になり、ホールの設備を聞くように言いつつ、
・「プロジェクター」+「スクリーン」では、恐らく光量が不足するだろう。
スクリーンの設置場所にもよるが、もし舞台の左右位置であれば、照明が邪魔して投影した文字は見づらくなる。

・1000人以上収容のホールで、満遍なく観客が十分見られる姿で投影するには一機のスクリーンだけですむかどうかどうか。

・舞台進行に合わせて、パワーポイント画面切り替えタイミングを練習する時間と、リハあるいはゲネプロはできるか。

・実施する人のアサインができるのか。

・会場の設備環境遺憾で機材をレンタルしなくてはならないが資金は。

などなど懸念材料を質問してみた。
すると、なんにしても・・・人、物、金そして情報がない事実を知ることになった。

私は、CDなどではすでに聞いていた「〇〇になった〇〇」で、話の筋や、面白さは大枠分かってはいたが、DVDで動画を何回か見て初めて、この話の面白さの実態が分かると言う経験があった。

たった3人しか登場しないオペラだが、「笑いの壷と落ち」を観客に分かってもらい、「笑」が出ることが必要な「オペラ・ブッファ」なのだ。
「ブッファ」を単純化して「喜劇」と訳してしまうのにも問題はある。
「ブッファ」とは「道化」のことで、ヨーロッパにおける「道化」の意味を理解している人は数少ないから、このオペラを単なる「笑のオペラ」と誤解する人も多い。

しかし今回の公演の客層からして、「悲しみのある笑」の真意を分ってもらおうとするのは、望みすぎというものだから、ここは単純に「笑い」が出ることで「良し」としなければならない。
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by noanoa1970 | 2007-07-02 18:54 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(0)