理由(わけ)

小生が住む町は、愛知県と隣接した中規模の町「桑名」である。
去年まで10万人であったが、市町村合併で、長島温泉で有名な長島町、上げ馬神事で有名な多度町を併合して、人口は14万人となった。

この地へは、名古屋から移り住んではや20年近くになる。
現役時代は通勤が名古屋の中心だったから、東京、大阪、京都に比べると、大物の演奏家達は素通りすることが多かったが、それでもそこそこの満足を得ることができたので、桑名のホールに足が向くことはほとんど無かったのである。

今世紀に入って現役を引退して、ようやくこの町の住人として町をジックリと眺めると、思っていた以上に、「文化」に対する市民の意識が、形としてオモテに出てきてないことに改めて気づいた。
文化の香りのしそうな町にしては、そして割と立派な中規模ホールを持ちながら、ほとんど活用されてないことに不思議な思いをしていた。

ホールで何らかの催しものが行われているだろうと思い、ネットで調べようとしても、どこにも出てこない。
市役所のHPはやっとできていたが、「文化」の項目をクリックしても何もないのだ。
仕方なくホールに電話で問い合わせると、ホールの受付、掲示板に開催予定があるから、それを見ろという。

ふざけるのもいい加減にしろ・・・とすぐさま市役所に電話すると、電話をたらいまわしにされ、3つ目に出てきたのが、「生涯学習担当課」の男であった。
「生涯学習と、ホール」の関係性がわからなかったので、聞くと、今期から市の施設の一部が「生涯学習課」の所管となったという。
それはホールに隣接されている・・お花、お茶、日本舞踊などの教室の管理を担当し、ついでにホールの運営管理もすると言うことだった。

このご都合主義にも唖然としたが、この電話の目的は、市が管轄している大小のホールの催し物案内を、またスケジュールをHP上にUPしてくれと言うものだったから、その旨を伝えると、「利用者の中には、公表しないでくれ」とおっしゃる人がいますので・・・・などという。

明らかに手間がかかるからやりたくない、というサインである。

「それでは催し物を見たい、参加したいという市民はいちいちホールまで行って確認するのですか?そんな市民サービスなどありえないこと」
今の貴方の話しは貴方の担当セクションの総意なのか・・と詰め寄ると、まずいと思ったのだろうか、今度は人手がかかるからすぐにはできないと言い出した。

そんなことはない、現場ではエントリー表を作って受け付けているのだから、
ホールで受け付けた催し物を、メールでもらって、貴方のセクションでまとめ、HPにUPするだけだから、人での問題でなく、やる気が歩かないかの問題だと言うと、ようやく、私の一存では決められませんので、後日・・・・という。

ここで分かりましたと言えば、後日が永遠となる予想がついたので、意思決定ができる貴方のセクションのトップを電話に出してくれというと、しばらくして出てきた男は、言われることは最もですが、もうすぐ施設運営は第3セクターに委譲することになっていると言い出した。

もうすぐとはいつだと聞くとハッキリ分からないと言うから、そうなったらそうなったときのこと、それまでは貴方が責任を持って市民サービスに当たるべきでしょうと、おおよそ1時間余りの電話で、ホールの催し物案内をHPにUPする約束を取り付けた。

2日後HPを見ると、リンクしてあったので、催し物案内を見ることができるようになっていた。
やればすぐできる。

がしかし
「今月の催し物案内」と書かれてあるその1ヶ月の中身は、たった3件。
・福祉団体主催の講演会
・どこかのピアノ教室の発表会
・任意団体の会合・・自治会の総会だったか

たった3件であった。

次の月、またその次の月も5本の指でも余るほどの数に終始している。
ひそかに期待している音楽コンサートは全くない。
土日祝でもウイークデイでも、全く活用されてないことがこれで判明したのであった。
どうりで、催し物案内がUPできないわけで、主催者側が掲載を断るような内容のものなど端から存在しなかったのだ。

もしそれが事実であれば、公共の施設をそのような公表もできないような催し物のために貸すということで、また別の問題が発生する。

これらは余分な仕事を増やしたくないと言う役人根性の最たるものpから出てきたこと、市民サービスのサの字も考えてないし、税金を投入して作ったホールなど各施設の活用活性など、端から考えてないのだ。

活用されればされるほど、管理の手間暇がかかる・・・それがいやだから彼らにとって一番良いのは、施設を使ってくれないことなのだ。
全く活用されなくても、身分と給料は保証されるからだ。

こんな人たちに任せておいたら、わが町の文化領域の様々なものなどは、とんでもないことになると言う予感と、空恐ろしい現実と実感を目の当たりにしてしまった。

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by noanoa1970 | 2007-06-30 09:56 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(0)