思わぬ拾い物

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昨夜に引き続き「ヴィー・ジェイ」レーベルから聞いている。
「opus de funk」とタイトルされたゲルニカ風のジャケットに惹かれ、それをターンテーブルに乗せた。
B面は聞きなれた曲ばかりだったから、この演奏家がどのようなアレンジをするのか興味があったので、先ずはB面から聞く。

演奏は以下のメンバーによるトリオ
ジョン・ヤング(p)
ハーバート・ブラウン(b)
ラリー・ジャクソン(ds)

曲目は
マイファニー・バレンタイン
バイバイ・ブラックバード
オパス デ ファンク
ベビー・ドール
いつか王子様が

小生はこのような「乗り」のJAZZが大好き。
彼らの演奏は始めての体験、しかも「ジョン・ヤング」は名前さえ知らなかった。
しかし、これが驚いたことに「よい」のである。

よく間違えるのは・・・・クラシック音楽でも然りなのだが・・・
名前の通っている大物演奏家が、レコード会社の企みで、一緒に演奏する例が多くあるのだが、小生の経験で言えば、それぞれに一過言ある大物ばかりのトリオなど小集団などには余り凄い演奏が多く無いようだ。

クラシック界では評価が高い、「カラヤン」「ロストロポーヴィッチ」「リヒテル」「オイストラッフ」という20世紀の超豪華メンバーによる、ベートーヴェンのトリプルコンチェルトは、小生にはその典型である。まだ「協奏曲」であるのが救いであるが、一つの音楽になってないところが多分に見受けられるのだ。
それぞれに「音魂」はあるのだが、それらが離反してしまっている。

その逆は旧東独の
「ケーゲル」「ティム」「ローゼル」「フンンケ」という演奏家のもの。
長い間陽の目を見ることの無かったこの演奏は、終始緊張感が集中しているのを感じることができる。

つじつまあわせで作ったほんの一時の集団よりも、昔から一緒に演奏活動をしてきて、気心の知れた、お互いの音楽性を理解しあえるような、地味な集団が物凄い演奏を聞かせてくれる事がある。

「ジョン・ヤング」トリオがまさにそんな感じなのである。
スタンダードナンバーのどれをとっても、「粋」であり、オーソドックスであるが、力量が感じられる。

「フォレス・シルバー」のオパス デ ファンクを、小粋に演奏するのだが、冒頭の洒落っ気に度肝を抜かれてしまった。
モーツァルトのピアノソナタK.5451楽章冒頭がイントロで使われるのだ。
しかもワザトであろう・・・子供が弾くように下手に弾いて見せるのだが、本文に入ると、俄然鋭く上手なピアノを聞かせるから、そのギャップに打ちのめされるのだ。

そして初めて、オパス デ ファンクとモーツァルトのK545の音型の一致に気がつく小生であった。



バイバイブラックバードのベースのソロも、バレンタインでの愛しむようにドラムを叩く音にも思わず「参った」。

名前が知られていない演奏家の仲にも凄腕がいることを、改めて認識させられたのだった。

ちなみに、「ジョン・ヤング」は、「ハンク・ジョーンズ」と同時代を過してきた人。
実力は同等以上といわれたが、リーダーアルバムを出せなかったことで、認知度が低く、コアなJAZZファンでもその存在を知らない人が多く、本作品は「幻の・・」と言われて久しいとか。

「ヴィー・ジェイ」レーベルの価値観が一気に高まるのだった。

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by noanoa1970 | 2007-06-21 09:07 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(0)