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「を」

「都をどり」、「鴨川をどり」、「北野をどり」など舞妓さんの多い京都には、その「花町」ごとに「~踊り」と言うものがある。
小生は学生時代に下級生の女子学生からもらった2枚の切符を、てっきり「私と一緒に・・・」と言う意味であると勘違いしたら、「私はいつも見ているから・・・」と言われ、ガッカリして、仕方なく下宿の後輩と一緒に、(甲部)歌舞練場まで見に行き、「串団子」のマーク入りの小皿をもらって帰った記憶がある。

この「踊り」であるが、なぜか京都では「をどり」という字を使うことが多いらしく、「おどり」という表示には余りお目にかかったことがない。
「おどり」でなく「をどり」なのは、所謂「歴史的仮名づかい」であると推測でき、実際そうだと言うことがわかった。

ならば「オドリ」の歴史的意味・・・すなわち語源が何であるのかが気になって、調べると
お=尾で、とり=どる=とどろくの意味
とり=ヲツで=繰り返すと言う意味
をとぶある=お飛ぶある
等など諸説あり未承であるとされている。

しかしもう一方で
躍る=飛び跳ねると言う意味が、中世に躍る=踊ると混同されて依頼、飛び跳ねる、跳ね上がることとされたようである・・・と結ぶ。

語源が不明では、「歴史的仮名づかい」もないものだろうと思うのだが、それらの諸説は怪しいものばかりである。
漢字から推測したところで、それは所詮漢字到来以後のことにしか過ぎず、漢字を当てはめた人が、「読み」の語源を十分知っていたとは限らないから、当て字であることもある。

そこで推理であるが・・・・
「をどり」=「うをとり」=「魚取り」ではないだろうか。
太古から人々は、海でも川でも食料として魚を取って生活をしていた。
魚の採取の方法はだんだん発達して言ったことだろうが、一番原始的なのは、勿論「手ですくう」事だろう。
あるいは竹篭などですくったのかもしれない。
異スレにしても「すくい上げる動作」を考えてみた場合、・・・小生の昔の経験でもあるのだが、両手で器を作り魚を追って水中に浸したその手を、魚が手に入った瞬間に水面に一気に持ち上げる。

身体はそれまで腰をかがめて水の中を覗き込むスタイルとなっているから、手で魚を救い上げる瞬間、それを見ている他の人からは、跳ね上がったように見える、それを何度となく・・・魚が必要な量取れるまで繰り返すから、それが=そのときの格好が「魚とり」の格好、すなわち・・・うを=を=「をどり」に転用された。
つまり、「うを取り」が「をどり」に変化したのではないかと考えてみた。

言葉とは、音そのものや所作や表情の表現形態でもあるから、このように考えれば、今までの諸説よりは少し説得力があるのではないかと思って、一人ほくそえんでいるのである。

実証できないのが難点ではあるが・・・・

by noanoa1970 | 2007-06-18 16:56 | トピックス | Comments(0)