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盛者必衰の色

・・・とは
「沙羅双樹」の花の色。
すなわち「白」い色のこと。
「平家」の旗色は「朱」で、源氏の旗色は「白」だから、それとは関係がないのだろう。

釈迦が入滅したときに、四方に植えられていた沙羅双樹が、いっせいに枯れて、鶴の羽根のように 白くなったとの伝説から、仏教では聖木として扱われてきたと言う。

そうか、二股に分かれている、この樹木は・・・現世と来世の象徴に違いない・・・と」推理したのだが、そんな勝手な推理はすぐに覆されてしまった。

わが国では別名「夏椿」ともいい、「死んで初めて体をあらわす」と言うとおり、開花の時期が微妙に重なる「山茶花」と「椿」。
花の格好は非常によく似ていて、素人目には、区別がつかない。
しかしはながの散るときに、それが「山茶花」なのか、「椿」かを見分けるのは至極簡単である。

「山茶花」は、花びらを散らしてその生命を終えるが、「椿」は花そのもの全体が「ポトリ」と落下している。
これで、すなわち「死んで初めてその存在・・・何者であったかがわかる」というもの。

生き様も大事だが死に様も大事だと思うこのごろである。

今年は沙羅双樹が少しだけ花をつけた。
夏椿と言うだけあって、白い小ぶりの椿のように見える。

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さて、小生の推理は見事外れてしまった。
「夏椿」=「沙羅双樹」ではあるのだが、白い花をつける、椿に二股の樹木、実はインドの「沙羅双樹」とは別物であると言う・・嫌な記述を見つけてしまった。


《よく「沙羅双樹」と呼ばれるが、釈迦(しゃか)が
亡くなったときに近くに生えていたことで有名な
「沙羅双樹」は、全く別の熱帯樹のこと。
「沙羅双樹」は日本の風土では育たない。
では、なぜ夏椿がこの「沙羅双樹」に
間違われたのか・・・。
昔、ある僧侶が、仏教にゆかりのある沙羅双樹の樹は
日本にもきっとあるはず、と山に入っていろいろ
探したところ、夏椿の木を見て
「これが沙羅双樹だ!」と思い込み、
それを広めたため、との説がある。≫
(ちなみに、釈迦が悟りを開いたことで有名な木は
「インド菩提樹(インドぼだいじゅ)」)

釈迦の「沙羅双樹」とは「菩提樹」のことだと言うではないか。
でも祇園精舎の沙羅双樹は、恐らく夏椿の沙羅双樹であろう。
その花の色が「盛者必衰」を象徴する色だといっているから・・・・

しかし左右二股に分かれている樹木は、あらゆる物事の「岐路」を象徴するようで、どちらかが「勝利への道」片方が「敗北」、「現世」と「来世」「聖」と「賎」、「善」と「悪」を象徴するものとして捉えても、不自然なことではないのだろう。

by noanoa1970 | 2007-06-16 09:25 | 季節の栞 | Comments(3)

Commented by あっ!こ at 2007-06-16 11:20 x
私も勘違いしてフルートを専攻しました。
中学の先生が音楽鑑賞時
「これがフルートの音色です」

でフルートを始めました。
音楽高校に入学して初めてオーボエだと知ったんです。
今では笑って話せる内容ですが、当時はショックでした。
世の中思い込みは大変ですよね。
Commented by noanoa1970 at 2007-06-16 13:26 x
それは物凄いことでしたね(笑)同じ木管楽器とはいえ・・・・オーボエとイングリッシュホルンの間違いなら、クラファンでも、あることですが・・・横と縦では大違いかも・・・
Commented by oohay7901 at 2007-06-20 15:49
沙羅の花 一日花でその日に散ってしまいます。
それだけに奇麗で可愛い花ですね。
私も自宅に咲く花をアップしてみました。
夏椿といわれるように 形は椿に似ています。