オペラブッファ「奥様になった女中」を考える


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時代は18Cイタリアのとある町のこと。
商人で金持ちの屋敷の主人がウベルト
女中セルピーナ
下男ヴェスポーネ
この3人での物語展開である。
特徴的なのは、下男ヴェスポーネは黙り役。
一言もしゃべらないし、勿論歌わない。
主人のウベルト、女中のセルピーナには、アリアもレチタティーヴォもタップリとあるというのに。

1か所だけ声を出して笑うところが「クイケン盤」では見られるが、後は頷くだけなのだ。

また今までのストーリー展開の大半は、財産目当ての女中が、金持ちのご主人を、手練手管で騙して、ちゃっかりとお嫁さんの座に座ってしまう。
そんな成り上がりの女の、権謀術数に男と女の意地と見栄とツッパリが絡んだ物となっている。

下男のヴェスポーネは、金が目当てでセルピーナの戦略に加担すると言う役目を負ってはいるが、あくまで、セルピーナの手の中で踊る無能な人と言う扱いを受けてからその歴史は長い。

小生はこのオペラの台本と映像と音楽を見ていて、ある冒険をしたい願望に駆られたのである。

結論は
下男のヴェスポーネが(影の主役)と言うものだ。
そこで、ヴェスポーネに、幕開き前の「前口上」を語らせてみることにした。

このような展開は恐らく世界で最初の試みだと思う。

<ヴェスポーネの前口上>


みなさん、よう来てくださった。ありがとうございます。
私は、この屋敷に昔から勤めさせてもろうとります、執事の「ヴェスポーネ」といいます。

ここは、とある国のとある町の、300年続いた由緒あるお屋敷。
私が、今からお語しさせていただくことは、実は私がコッソリしかけた大芝居。
そーっと皆さんに教えますよってに、よーく見て、聞いていってください。

きっときっと面白いと思いますよ・・・・

私は先代から、この屋敷に勤めて、もう50年になる執事。
この屋敷のことは、誰よりも知ってます。
先代の遺言は、ウベルトさんに、早く身を固めてもらうこと。
なぜって、この屋敷の唯一の跡取りがウベルトさんだから。

ウベルトさん、今まで遊び呆けてばかり、だからもう50になるのに、いまだ奥さんに巡りあえないでおるのです。
そんなウベルトさんから先日、思いのほかの相談を持ちかけられたところ。

ご主人は、先代の残した莫大な財産で、なに不自由なく暮らしているけど、なんせ気が弱いのがたまに傷。
おまけにケチで頑固で、独りよがりの性格やから、いまだに結婚できへんのです。
お金はたんまりと持ってはるのに・・・・(笑)

メイドの「セルピーナ」、この娘(こ)は、以前私と一緒に務めた家政婦の娘で、母親を亡くした後、私が育て3年前からこの屋敷のメイドとして働くようになった、今年で19歳の若くて可愛いくて、頭の良い娘なんだが、性格の激しいところがあるようで・・・・

どうもこのこのごろ、ご主人ウベルトさんが気になる存在らしく、先日そのことで、ないないに私に相談があったところ。
番茶も出花、メッキリ色気づいてきたようですわ。

お互いその気があるようだから、私は密かにある計画を練って、それを2人に実行してもらうべく、丁度今あるシナリオを仕立てたところ。

おや、また何か事件が起こったのかも知れません・・・・
ご主人様とセルピーナが、私を呼んでますんで、これで失礼させていただきとうございます。

どうぞごゆっくりご覧になっていってください。

・・・・こうして世界初のストーリー展開による
ペルゴレージのオペラブッファ(喜歌劇)「奥様になった女中」の幕開きとなるわけです。

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by noanoa1970 | 2007-06-15 09:17 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(0)