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春の味覚

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とうとうやってきた、この季節。
「筍」が今旬である。
例年だと、「筍」の旬には、つき物の「山椒」が間に合わないことが多かったが、今年は暖冬のせいか、筍と山椒が同時期に「旬」となった。
それで早速料理し、「筍」を盛るために作った器に盛り付けた。

三重県四日市の奥座敷、「湯ノ山」という地の温泉街のはずれにある、土日しか開かない「萬卯」という変わった名前の喫茶店に、湯ノ山の鈴鹿スカイラインを超えたところに有る、滋賀県土山の野洲川源流に釣りに行った帰りに立ちよった店。

初めて入った、農家の牛小屋を改造して作ったというこじんまりとして、昔の面影を残す雰囲気の店には、バッハの無伴奏チェロが鳴っていて、店には陶芸作品が並べられていた。
気の良い女性の店主と話すうち、彼女は若いときヴァイオリンと親しんでいたり、亭主が陶芸をやっていることを知ることとなった。
毎週顔を出すようになり、ご亭主とも話すようになったある日、ご亭主が陶芸作家でありながら、とある施設で身障者に、ボランティアで陶芸を教えていて、時々作品発表会をやることを聞き、次の発表会に参加する約束をする中で、思い切って陶芸を教えてほしい旨話した。

最初は忙しいのか、渋っている中を、若い女性も連れてくるからなどといいつつ、半ば強引にお願いして、教えてもらいながら作ったのが写真の器である。

小生はこのとき、「筍」を盛るための「大降りの鉢」が欲しかったので、恐る恐るそう切り出すと、「大きなもの、鉢などが一番簡単」といわれて、驚きながらも器の色は、筍の黄色に似合う色「織部」と最初から決めていたので、そのように伝えた。

会社の同僚と、ひょんなことで知り合い、温泉などにグループで何回か一緒になった若いかわいい女性を伴って、萬卯工房を借りて作り上げた作品の一つが上の写真の器である。

その後、全員の作品が完成したことと、先生への感謝の気持ちで、出来上がった作品に料理を盛って楽しむ会を催し、その折も、勿論「筍の煮物」「筍ご飯」などを盛り付けた。

そして、山椒と筍がマッチングするシーズンは、この地方においては、そうざらには無いから、久しぶりに美味しい筍の煮物にありつけたのだった。
芽吹いたばかりの山椒は、香りもやわらかく、筍と一緒に口に入れると、えもいわれぬ崇高な味となる。
やはり、なんと言っても山椒と筍はベストマッチである。

最後に、小生が譲っていただいた、「萬卯」の陶芸の先生の作品を、紹介しておこう。
「伊賀」あるいは「信楽」風な感じのするランプシェードの「台」は小生のお気に入りだ。
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by noanoa1970 | 2007-04-14 13:22 | 「食」についてのエッセイ | Comments(2)

Commented by drac-ob at 2007-04-15 00:11 x
器といい筍といい見ているだけで、食欲が湧いてきます。この時期が旬ですね。やはり旬のものを美味しくいただく、地産地消でスローライフ、スローフードというのが理想ですが、喧騒のシャバにいるとなかなかです。筍料理といえば檀流クッキングに出てくる掘ったばかりの筍をその場で焼いて食うという贅沢を一度でいいからやってみたいですね。
Commented by sawyer at 2007-04-15 09:23 x
檀流の「筍野趣料理」ご存知でしたか。修学院の家の庭に、よく筍が生えて、息子は筍堀を、小生は檀
のように堀たてを焼いて、醤油で食べたことも「生」で食べたこともあります。「檀」の小説いろいろあれど、小生「花筐」という短編が好きでした。