「ドビュッシー」も「ホルスト」も出会ったブリテン諸島の伝統歌
先のエントリーで、小生は「ドビュッシー」の「亜麻色の髪の乙女」あるいは「ホルスト」の組曲「惑星」の中の「木星」におけるブリテン諸島の伝統音楽の類似性を指摘するに及んだ。
これは小生の「耳」がそのように言っているだけで、なんらの学術的根拠があるわけではないが、昨日から手持ちのブリテン諸島・・・特にアイルランド、スコットランドに伝わる古謡を、現代の歌い手が復刻したものをいくつか聞いて、思い当たるものを確信したので、紹介しておこうと思う。
純粋な、「クラシックファン」にとっては、聞きなれないかも知れないが「アイルランド」出身の・・・フォーク、カントリー、ロック、JAZZなど、あらゆるジャンル・・・ジャンルを超えて、活躍している2人。(いや1つはグループであるが)
それらの音楽家が出会って録音されたアルバム「IRISH HEART BEAT」
演奏は、歌い手が「ヴァン・モリスン」バックミュジシャンに「ザ・チーフ・タンズ」という、生粋のケルトの血が流れていそうな音楽家達。
その中の
the chieftains & van morrison - the star of county down
「ダウン州の星」
歌詞の中の
Near Banbridge town, in the County Down
One morning in July
Down a boreen green came a sweet colleen
And she smiled as she passed me by.
She looked so sweet from her two white feet
To the sheen of her nut-brown hairというところに「ケルトの乙女の、亜麻色の髪」を見るのは、いきすぎだろうか。
Van Morrison and The Chieftains 「Raglan Road」
「ラグランロード」という伝統歌。
こちらは、「dark hair」・・・霊となった黒髪の美少女が登場する。
「YOU TUBE」に録画されたものを発見したのでリンクを張っておくことにする。
ドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」
ホルストの「「木星=ジュピター」
以上の曲を思い出していただき、上記と比較しながら聞いていただくと、面白いものが見えてくる。
他にも似通ったものはあるが、小生が聞く限り、この2曲が最もわかりやすいと思う。
むくつけき男の歌ばかりでは・・と美しい女性の
RAGLAN ROAD」はこちらLoreena McKennitt「Raglan Road
これらの共通点は、間違っているかもしれないが「ドレミソラ」のペンタトニック音階=俗に言うスコットランド音階を主体に、「ペンタトニックスケールとイオニアンスケールがミクスされているようにもグレゴリアン・モードを下地として、そのうちのイオニアン、ドリアン、ミクソリディアン、エオリアンを少し織り交ぜて使うというところがあるようにも聞こえてくる。
恐らく、ケルト・・・ブリテン諸島の古謡が西欧音楽に及ぼした影響は、計り知れないところがあるように思うのだが、包括的に探っていくすべを持たない小生だから、このような、極小化された個別の事象に対して「耳」が訴えるものを、手探りで当たっていくしかない。
しかし、ブリテン諸島からの移民とブルーグラス、カントリー、ブルース等、非クラシック系の世界においては、少しばかりの言及があり、音楽からも、それを知ることが出来るから、クラシック分野における、これら「ケルト音楽」の影響を推理するのはある種の楽しみであり、興味がわくところでもある。
by noanoa1970 | 2007-04-14 09:08 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(0)